水戸黄門
  里見浩太朗 主演   07年4月9日放送開始   毎日 月曜夜8時から

前回までのあらすじ

第9話『異国の娘が抱いた謎』(6月4日)
 なまはげで有名な男鹿近くまで来た黄門様一行。途中、用を足しに草むらに入っていった新助が、叫び声を上げる。草むらから飛び出して来た新助の後ろから現れたのは、なまはげ。実は地元の漁師・峰吉(林征生)が、祭の練習をしていたのだった。腰を抜かした新助に、峰吉はお詫びに自分の家に泊まるように誘う。
 峰吉の家で不用意に部屋のふすまを開けた新助は、隠れていた清国の娘(チェン・チュー)を見つける。漁に出たときに峰吉が波間を漂っているのを見つけ、助けたのだった。異国の人間は役人に届け出る決まりだが、彼女は記憶をなくしており、彼女に惚れた峰吉は、小夜と名づけて、家にかくまっていたのだった。
 男鹿の海では黒鯱という海賊が横行し、船の荷が奪われる事件が起きていた。廻船問屋の北海屋(隆大介)も襲われるが、大店のせいか、店に痛手はないようだった。
 黄門様は小夜の記憶を取り戻すため、峰吉に頼んで舟を出してもらう。だが小夜の記憶は戻らない。しかもその様子を海賊たちに見つかってしまう。実は小夜の乗っていた船は黒鯱に襲われ、海に飛び込んで逃げた小夜以外、皆殺しにされたのだった。小夜が生きていることを知った、実は海賊の首領の北海屋は、結託している郡奉行の橘倉之助(浜田晃)に相談し、役人に小夜を捕らえさせる。北海屋の顔を見た小夜は、すべてを思い出す。そこに小夜を助け出すために現れた峰吉。だが二人とも斬られそうになったところに、なまはげの姿をした鬼若とアキ、そして黄門様たちが現れ、彼らを懲らしめる。
 小夜の本当の名は明鈴。清国から通事として父とともに日本に来ていたのだった。だがその父も殺され、明鈴は国に帰らなければならない。しかし黄門様は明鈴を国に帰したことにし、彼女を小夜として峰吉に嫁がせる。

第8話『嘘泣き父子の二人旅・久保田』(5月28日)
 旅の途中、黄門様一行は、腹を減らして泣いている少年・正吉(篠田拓馬)と、その父親の旅の薬売り・秀次(うじきつよし)と出会う。見かねた黄門様は、秀次の薬を全部買ってやる。しかし、実は二人は実の親子ではなく、こうして親切な人からお金をもらいながら旅を続けていたのだった。そのお金で飯屋に入った二人。女中のお豊(大場久美子)は母のいない正吉を不憫がり、自分の家に泊まっていくように勧める。
 夜、呑みに出かけた助さんと新助は、やくざ者らしき男・泰蔵(草薙良一)に、いい仕事があると声を掛けられる。ひとまず断る二人。そこに秀次が店に入ってくる。お豊から「たまには羽根を伸ばしておいで」と言われ、秀次も呑みに来たのだった。泰蔵は秀次にも声を掛ける。
 物産問屋の大店・大黒屋に押し込みが入る。主の忠兵衛(堀内正美)が物音に気づいて起きたため、被害はなかったが、秀次がさせられた仕事とはその押し込みの手伝いだった。
 帰って来ない秀次を探して、大黒屋に忍び込んだ正吉は、押し込みの探索に来た役人たちに見つかるが、内儀のお清(三浦リカ)が正吉をかばう。子供のいないお清は正吉をかわいがり、いっしょに過ごすうちに養子にしてもいいと考える。その話をお豊から聞いた秀次は、願ってもない話だと正吉に別れを告げるが、秀次のそばにいることを望む正吉は、夜中に大黒屋を抜け出してしまう。
 一方、物産問屋の真砂屋(黒部進)は商売の手を広げようと、町奉行の芹沢徳右衛門(常泉忠通)に取り入っていた。実は邪魔な大黒屋を失墜させるため、押し込みも真砂屋が仕組んだことだった。しかしそれが失敗し、二人は泰蔵を使って忠兵衛を殺そうと考える。
 泰蔵はそういった仕事のために、足のつきにくい旅の無宿者を雇ったと、秀次に人殺しをするように言いつける。大金に目がくらんで一旦は引き受けた秀次だが、その相手が大黒屋忠兵衛だと知って逃げ出す。そして奉行所に自首するが、そこにいたのは芹沢たち。秀次にすべての罪を着せ、牢に入れようとしたその時、黄門様たちが現れ、芹沢たちを懲らしめる。
 正吉の秀次といっしょにいたいという願いを聞き、秀次は大黒屋で働くようになり、正吉にお豊との仲を冷やかされるようになる。

第7話『家族を捨てた母の愛・鶴岡』(5月21日)
 温海の宿で仲居のおきぬ(藤真利子)と知り合った助さん。その夜、おきぬに助さんは、亭主が死んだ自棄酒に付き合わされ、酔いつぶされてしまう。
 翌日、黄門様一行は、鶴岡にて絵ろうそく作りを見学に職人・和吉(冨田翔)の仕事場を訪ねる。ところがそこで和吉と言い争うおきぬを見る。実はおきぬは、名人と言われた絵ろうそくの職人・重吉の妻であったが、八年前に、子供の和吉とおはな(高田彩香)をおいて家出。夫の重吉が死んだと聞いて線香を上げに帰ってきたが、突然いなくなった母を恨んでいる和吉に追い出されたのだった。
 一方、鶴岡では将軍家に献上する絵ろうそくを選ぶ品評会が近々行われることになっていた。父の跡を継いだ和吉も出す品を作ろうと励んでいるが、絵柄が決まらない。鶴岡の商売を牛耳ろうと企む山室屋源兵衛(伊藤高)は、おきぬに絵ろうそくを作ってほしいと頼みにくる。実は家出する前のおきぬは、重吉を超えると言われた職人だった。和吉が苦しんでいるのを知ったおきぬは、山室屋の頼みを聞き入れる。
 家老の前で絵ろうそくを見せる日がやってきた。おきぬが出品すると聞いて、和吉以外の職人は恐れをなして辞退し、二人の一騎打ちとなる。おきぬの憎まれ口からヒントを得て描いた和吉の絵ろうそくに、家老は感嘆のため息をもらす。だが実は判定役の勘定奉行・矢野庄太郎(石田登星)は山室屋と通じており、他の出来に関係なくおきぬの絵ろうそくが選ばれる手はずになっていた。しかしおきぬが見せたろうそくは、真っ白のまま。愚弄する気かと立腹して、おきぬを手打ちにしようとする矢野を、割り込んできた黄門様が止める。黄門様は、矢野と山室屋の結託の証拠の書付を見せ、彼らを懲らしめる。
 独り黙って温海の宿に帰ろうとするおきぬを呼び止め、黄門様は八年前の真相を聞く。おきぬの腕がもてはやされ、そのおきぬに指図されて腐った重吉とケンカになり、売り言葉に買い言葉で出てきてしまったのだった。今ではおきぬは天狗になっていたことを反省していた。真相を知り、心のうちでは母を慕っていた和吉はおきぬを許し、親子三人は和解する。

第6話『家族涙の隠し金山・佐渡』(5月14日)
 佐渡へ行ってみたいという新助のために越後の寺泊の船着場にきた黄門様一行は、困っている様子の旅芸人の兄弟・お幸(水橋貴己)、お峯(斎藤千晃)、太吉(戸島俊季)と出会う。三人は佐渡へ行くと書置きを残して家出した父親を探すため、佐渡で芸人を募集していると聞いて、船に乗るために芸人の姿をしていたが、実はまったくの素人だった。見かねた黄門様は、検分の役人の前で、お娟に三味線を弾かせ、三人の歌で新輔が踊り、船に乗ることを許される。
 佐渡の芝居小屋に上がった一行と三人兄弟は、小屋を覗きに来た父親・留吉(佐川満男)を見つける。だが留吉は三人に気づいたとたん、逃げ出す。一行の捜索でやっと見つけ出した留吉は、給金はいいが人には言えない仕事をしていると話す。外出禁止になっているのを、留吉は抜け道からこっそり抜け出してきており、人に見つかるとまずいので逃げたのだった。
 お娟の調べで、留吉が働いているのが隠し金山だと分かる。助さんと格さんは無宿人に化け、隠し金山で雇ってもらう。
 留吉のいる隠し金山で落盤事故があり、仲間の熊五郎(不破万作)が怪我をする。熊五郎は一人先に今までの分の給金をもらい、帰らされるが、金山を出たところで殺されそうになったところをアキと鬼若に助けられる。実はその隠し金山を掘らせていたのは佐渡奉行所留守居役の室戸清左衛門(成瀬正孝)で、高給を払うと言って人足を集め、金を掘り尽くした後は口封じに埋めてしまうつもりだった。それを知ったお幸は、留吉の命だけでも助けてもらおうと、室戸に頼みに行く。室戸は助ける代わりにお幸の体を求める。すんでのところでお幸はお娟と黄門様に助け出されるが、室戸はお幸の態度に関わりなく、金山を埋めるつもりだった。
 入り口を埋められた金山に爆薬が仕掛けられる。助さんと格さんの誘導で、人足たちは留吉の抜け道に向かうが、そこも岩でふさがれていた。助さんと格さんの助けを求める声で駆けつけた鬼若が岩をのけ、みんななんとか無事に逃げ出す。
 黄門様たちは室戸を懲らしめ、一件落着。

第5話『陰謀砕いた美人姫・越後高田』(5月7日)
 越後高田藩では、将軍に藩を取り潰され土地を開拓して住み着いた郷士と、それを取り締まろうとする国家老の萩山壱岐(林与一)との対立が起こっていた。高田藩に着いた黄門様一行は、郷士たちに襲われる高田藩の和姫(黒川智花)の行列を見て、助けに入る。
 乱闘で黄門様とはぐれた助さんと格さんは、山中でどじょうを取っている少年と出会い、彼の住む郷士たちの里を訪れる。郷士たちは、新たに切り開いた土地は自分たちの物としていいというお触れをもらったのにもかかわらず、重い年貢に苦しめられ、その軽減を訴えるため和姫を人質にする計画を、頭目の速水軍兵衛(石丸謙二郎)を中心に進めていた。しかしそれが失敗した今、城に攻め入り、和姫を人質にする以外に道はないと心を決める。
 一方、黄門様は和姫といっしょに、山小屋に逃げ込んでいた。和姫は聡明な娘で、藩主の父に代わり藩の内情を知るために帰国したのだった。和姫は村人から馬を借り、城へと戻っていく。
 姫が天主にいて、警護の者が手薄な時を見計らって城に攻め込んだ郷士たちは、和姫を人質に立てこもり、年貢軽減と砂金を要求する。だが和姫を見張る関本又七郎(宮下直紀)は、彼女が郷士たちのことを思いやる心を持っていることを知り、和姫を逃がす。
 一方、話し合いのために一人で乗り込んできた萩山と会談する軍兵衛。実は萩山は、藩主が郷士に対して年貢軽減の触れを出しているのを無視して里に重い年貢を課せ、私腹を肥やしていたのだった。そしてその萩山と軍兵衛は裏でつながっており、軍兵衛は姫の行列の通り道や城の手薄な時を知っていたのだった。二人は内情を探る和姫を亡き者にしようと企んでいた。そして萩山は身代金として手に入れた砂金を独り占めしようと、軍兵衛を殺す。
 郷士たちと城の役人たちの戦う場に乗り込んでいった黄門様は、萩山の悪事を暴き、彼らを懲らしめる。

第4話『頑固一徹職人魂・松本』(4月30日)
 黄門様一行は松本へ向かう途中、新助と蜂の巣取りをしている老人・友造(中野誠也)と出会う。友造は松本一と言われた指物師だったが、今は辞めて居酒屋をしていた。友造の娘・おくに(仁科亜季子)が言うには、五年前に娘夫婦の店が藩御用達になったのをひがんで辞めたという。おくにと友造は、かつて友造の弟子だった彼女の夫・芳五郎が、友造の断った仕事を勝手に引き受けたことで仲たがいし、芳五郎が亡くなってからもその喧嘩は続いていた。
 物産問屋の北村屋(入川保則)がおくにの店の指物に目をつけ、次席家老の細田采女正(中山仁)に取り入る。北村屋の謝礼に欲を出した細田は、前々からおくにの美貌に惹かれていたこともあり、一計を案じる。
 おくにの店の職人・徳松(薗田正美)が、何者かに襲われ右腕を折られてしまう。徳松は、将軍家へ献上する品を作る大事な体だった。弱るおくにの元に細田が現れ、献上品の期日を早めると命じる。おくにが屋敷に来れば、期日を延ばすことも考えてやらないでもないと細田は嫌らしく笑って去っていく。
 窮地に立たされたおくには、意地を捨て友造に頼みに行く。そして芳五郎が無断で仕事を受けたのには、おくにの母の薬代の借金を返さなければ商売道具が取り上げられそうになっており、お金が必要だったからだと、過去の真相を話す。黄門様の口添えもあり、友造は考えを改める。
 一度辞めた身の友造は、孫の友太郎(山内秀一)を厳しく指南して、見事な文机を作り上げる。そこにまたもや細田の家来がやってきて、献上する前に検分するので、おくに一人で屋敷に持って来いと命じる。屋敷に文机を持参したおくにに、細田はいろいろといちゃもんをつける。そこに黄門様たちが現れ、彼らを懲らしめる。
 おくにと友造は仲直りをし、親子三代仲良く暮らす。

第3話『亭主参った嫁姑対決・松井田』(4月23日)
 松井田に向かう黄門様一行は、道端で派手に口喧嘩をしている姑のうの(中尾ミエ)と嫁の由紀(濱田万葉)と知り合う。
 一方、旅の路銀は自分で稼ごうと、荷運び人足の手伝いをしていた新助は、荒くれ者たちに襲われ、荷を奪われそうになったところを鬼若とアキに助けられる。
 松井田に着いた黄門様は、五日に一度開かれ賑わう物産市が、近頃、江戸からの絹が届かず寂れているという話を聞く。その理由は、物産問屋の五島屋宗兵衛(出元光)が絹の買占めを行い、新たな市を作ろうとしているからだった。
 五島屋の悪行を知った代官所の役人・田代恭三郎(西川忠志)は、代官・工藤帯刀(エド山口)に五島屋の取り締まりを願い出るが、工藤は自分に任せておけの一点張り。そして工藤は恭三郎を、国家老の国井掃部(磯部勉)に会わせると、五島屋の設けた宴席に呼び、五島屋からのまいないを受け取るように強要する。実は国井と工藤、五島屋は裏で繋がっていたのだった。
 恭三郎が帰ると、母のうのと妻の由紀が、新しい着物を前に喜んでいる。恭三郎の出世の祝いに五島屋が持ってきた物だと言う。だが恭三郎から真相を聞き、うのと由紀は着物を返しに行く。
 悪事に荷担しようとしない恭三郎に、国井と工藤は危機感を覚え、恭三郎が町の人たちと五島屋の買占めから市を守る相談に出かけた隙に、うのと由紀を誘拐させる。喧嘩ばかりしていたうのと由紀だが、愛する恭三郎の足手まといになるわけにはいかないと協力して、一芝居打って牢から逃げ出すが、すぐに捕まってしまう。そこに恭三郎が助けに入るが、取り囲まれてしまう。そこに黄門様一行が現れ、国井たちと五島屋を懲らしめる。

第2話『赤城の山はカカア天下・前橋』(4月9日)
 前橋の手前まで来た黄門様一行は、繭を運ぶ女たちがごろつきに襲われているのを助ける。彼女たちの名主の妻・お茂(赤木春恵)が足に怪我をし、黄門様たちはお茂を家まで送っていく。お茂は絹の生産方法を工夫して、彼女たちの信頼を集め、家老の白沼甚兵衛(近藤洋介)からお褒めの言葉をもらったほどのしっかり者だった。
 一方、一人一行から離れていた新助は、先回りしようとして寝過ごしてしまう。そこで出会った喜作(左とん平)という老人に、無理やり連れられて行ったところが、お茂の家。実は喜作はお茂の夫で名主なのだが、三年前に皆で出し合った大切なお金十両を騙し取られてしまい、お茂に家を追い出されてしまったのだった。家が恋しくなった喜作は、事前に、お茂にもし新しい亭主ができたら赤い布を、帰ってきてもいいなら白い布を、家の前の木に結んでおいてくれと手紙を出して、その結果を新助に見てくれと頼む。問題の木には、赤い布が大量に。驚いて家に飛び込んだ喜作を、お茂は怒鳴りつけ、喜作は隣にいた黄門様をお茂の新しい夫と勘違い。お茂も勘違いを正そうとせず、喜作はまた追い出されてしまう。
 生糸問屋の大垣屋(中村方隆)は前橋の絹を一手に買占め、お茂たちから安く買い叩こうとしていた。それに反抗したお茂たちに嫌がらせを繰り返していた。そのことを黄門様たちから教えられた喜作は、大垣屋に直談判に行き、捕まってしまう。一方、大垣屋は白沼と結託していて、邪魔なお茂は黄門様と牢に入れられてしまう。
 そのころ、国元に帰ってきた藩主・酒井忠拳(朝倉一)は、八木節の歌比べの会を開く。そこに助さんと格さんに助け出された喜作は、歌比べの会に出て、忠拳の前で白沼や大垣屋の悪事と、お茂への愛を八木節の替え歌にのせて歌う。それを聞いて白沼は激怒。止めさせようとするところにお娟に助け出された黄門様が現れ、彼らを懲らしめる。喜作の愛の深さを知ったお茂は、喜作を許す。

第1話『将軍御落胤の野望・館林』(4月9日)
 山菜を摘みに出ていた助さんの母・静枝(池内淳子)と美加(瀬戸早妃)は、手傷を負った侍を見つけ、助ける。が、そこに刺客が襲い掛かる。すんでのところでお娟に助けられ、侍は西山荘に運び込まれる。しかし手当ての甲斐なく、侍は「館林に将軍様の御落胤が…」と言い残し、息を引き取ってしまう。
 綱吉(堤大二郎)に会った黄門様は、綱吉が20年前、館林で、確かにおつぎという名の女と情を交わしたと聞く。だがおつぎは自ら身を引き、綱吉は短刀と手鏡を与えたという。館林で何かが起きていると感じた黄門様は、さっそくお供を引き連れ、館林へと旅立つ。
 道中でも襲われ、やっとのことで辿り着いた館林では、御落胤を名乗る吉之助(市瀬秀和)と、それにつき従う大浦弾正(栗塚旭)が浪人を集めて砦を築き、好き勝手な振る舞いをしていた。館林を預かる代官・浅井新兵衛(風間トオル)は、吉之助の持つ葵の紋の入った短刀を本物と認めながらも、吉之助の出生には疑問を抱いており、弾正たちの所業に手を焼いていた。
 実はおつぎはすでに亡くなっており、彼女の侍女がおつぎの死後もその住んでいた庵を守っていたが、それが襲われる事件が起こっていた。そのことを知った黄門様たちだが、新兵衛の幼い娘が弾正たちにさらわれてしまい、新兵衛は多勢に無勢のまま、弾正たちの砦に向かってしまう。不正を認めるわけにはいかないと言い切った新兵衛に、娘が殺されそうになったところで助けに入った黄門様たち。弾正たちを懲らしめる。
 吉之助たちは、かつて綱吉によって取り潰された越後高田藩の浪人だった。綱吉への恨みを晴らすために幕府転覆を企てたが、それが叶わないと知って自害しようとするのを、黄門様は「残された者のために生きよ」と諭す。そして黄門様たちは越後を目指すことになった。

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