大奥〜華の乱〜
 
内山理名 主演   05年10月13日〜12月22日   関西 木曜夜10時から

過去のコメント

「スペシャル〜悲恋の果てに(12月30日)
−今夜シリーズ完結!裏切られた純愛−貧乏からの脱出−鬼と化した母−女達には戦う理由があった」
 綱吉がまだ館林にいたころ、妻に京の公家出身の信子を娶ったあたりから、五代将軍に決まるまでの話。信子との確執、お伝との出会い、そして本編では詳しく語られなかった柳沢吉保(北村一輝)の過去に影を落とした里久(
内山理名・二役)という女性のことが描かれました。
 死の間際にある吉保の元を、尼寺で元気に暮らす安子と音羽
(余貴美子)が見舞う。すでに意識が混濁した吉保から「里久」と呼びかけられ、困惑する安子に音羽が以前に見舞ったときに聞いた話をするという形で語られました。
 若かりし吉保の純真一直線なところが好感持てました。結婚の約束を交わした里久を綱吉に求められ、吉保への操を貫くために自害を図ろうとする里久に「そなたは生きてくれ。私はこれからお二人にお仕えすると思ってくれ」というセリフはなかなか。でも
その里久を隆光(火野正平)の占いを盲信した桂昌院に殺されて性格が性格がゆがんだのはわかったけど、だったら生き写しの安子にはもうちょい親切にしてあげてもよかったんじゃないかと思ったり。
 一方、最下層から己の頑張りで側室の地位を射止めたお伝。血まみれになり、太もも見せたかと思いきや、オールヌードの後姿。すごい体当たり演技でした。初のお閨での「お体を楽に、私がいろいろと手ほどきを」と、胸の谷間ぷるるんに、ウブな綱吉はいちころです。
 全く味方のいない中に放り込まれ、ささいな思い違いから孤立していき心が歪んだ信子。全員、本編と同じキャスティングで演じているので、おそらく全員十代と思われる今回は元々無理があるのですが、一番、違和感があったのは彼女。待遇も変わってないし、難しいところですよね。

最終話「乱心」(12月22日放送)
 
時間拡大版だけあって、今回も騒動てんこもりでした。
 綱吉からも相手にされず、退屈でしょうがない大典侍(中山忍)。信子と右衛門佐(高岡早紀)が安子に、綱吉に薬を盛るように勧める現場を盗み聞き。いいところで現れて、子ができたと爆弾発言。
 それが大典侍の退屈しのぎの嘘とは知らない信子は、夜中、大典侍の部屋の前の廊下に蝋を塗り塗り、滑って転んで子もろとも死ねと、作業に夢中のところに、蝋燭の炎が内掛けに燃え移って大やけど。
 瀕死の信子を見舞った綱吉に、「お側を離れとうないのです」とすがる信子。ほいほい聞き入れるお人よし綱吉が、看病疲れでうつらうつらした間に、人払いをして信子の準備が完了。目が覚めた綱吉に、信子は薬を口移しで飲ませてほしいと頼むが、それはあの赤い包み。綱吉が口に含んだ瞬間、手で抑えて飲み込ませた信子。毒に苦しむ綱吉を前に信子のネチネチ嫌味、独白、そして最後には一緒に死んでくれと、自らも残った毒を飲み干す。ようは自分の夫である綱吉が他の女子に目を掛けるのが許せなかったのです。
 一方、染子の「吉里への疑いを晴らしたい」という遺言のおかげで、ますます安泰の柳沢吉保(北村一輝)。その彼に監禁されている成住(田辺誠一)の元へ、音羽(余貴美子)が忍び入り、吉保の悪行を伝え懐剣を渡す。自害した振りをして側に寄ってきた吉保に、成住が襲い掛かるが、吉保も応戦。力比べに…。
 廊下ですれ違った吉保の足袋に血が付いているのを見つけた安子。問い詰める安子に吉保は「上様のお下知にて命を頂戴いたしました」としれっと答える。
 自分が綱吉に吉保のことを告げ口し、成住を助けて欲しいと願ったのが悪かったのだと、悲しみにくれる安子。音羽から真実を聞き、新たに恨みと決意を固める。
 と、ここで長めのCM。アイキャッチで「このあと、衝撃のクライマックスへ」。ほんとに衝撃でした。
 飲んだ毒の量が少なかったため全快した綱吉、その祝いの会が催される。その最中、綱吉は安子を誘い出し、二人切りで茶室へ。そこへ綱吉を呼びに吉保が一人やってくる。綱吉の後を付いて、吉保が後ろを向いた瞬間、安子が懐剣を抜いて襲い掛かる。避けた吉保、止めに入る綱吉。気が付けば、吉保が握る刀を綱吉に刺そうとしてる形に。綱吉は吉保の握る刀を自ら突き立てる。
 それを見てた音羽に、「見たな」と念押す綱吉。でも駆けつけた家来の前で、安子が「自害」に変更。吉保には「生きて償ってもらいます」と。
 愛する安子の胸に抱かれて、心穏やかに逝った綱吉。その知らせを聞いた信子も死亡。吉里は廃嫡。時代は変わって、お伝と大典侍は尼に。吉保は蟄居。そして安子は尼になり野の寺に下って、めでたし?

第九話「遺言」(12月15日放送)
 
祝いの席で、吉里が柳沢吉保(北村一輝)と同じ左利きということが衆目の前で発覚。
 吉保に呼ばれて安子が連れられた先には、死罪になったはずの夫・成住(田辺誠一)が幽閉されていた。吉保は自分の一存で留め置いたと説明し、彼の命が惜しいと思うなら不必要なことは言うなと、安子を脅す。
 吉里が綱吉の子でないことが分かって、ショックで倒れた桂昌院。病の床で信子にじわじわ〜と嫌味を言われたりしてさらに寿命を縮めつつも、しっかり徳川の血筋を守る遺言を残し、最期は春日局が迎えに来た幻を見て永眠。
 母死んで後、吉保に綱吉は「吉里もそなたのおかげで授かった」ともらす。実は自分の子でないことに気づいていた綱吉。その吉保も成住に、昔好きだった女が綱吉に寝取られた挙句、自害したことを話す。そんな彼の真の野望はどこにあるのか。
 罪の重圧に絶えかねた吉里の母・染子(貫地谷しほり)は、見舞いに来た吉保に、口を滑らす前に愛するあなたの手で殺してほしいと頼む。完全に自害の準備を整えて待っていた染子に、吉保はその願いを聞き入れる。最後に「お方様」ではなく名を呼んでほしいと頼み、「今一度、こうして殿に抱かれとうございました」と吉保の胸の中で死んでいった染子が切ない。
 一方で、いいとこなしの割に自信だけはある大典侍(中山忍)に嫌味を言われた信子は、胸を抑える。毎週のように死人の出る呪われた大奥、次の犠牲は彼女なのか?

第八話「お犬様」(12月8日放送)
 
病床の水戸光圀(大杉漣)が悪法”生類憐みの令”を正すために綱吉(谷原章介)に送りつけた黒犬の毛皮。これによって大奥は大騒ぎに。
 贈り物を整理する役人が、びっくりしてしまいこんだ犬の毛皮。これを逃げ出した綱吉の愛犬(黒犬のタケ丸)が見つけて持ち出した先がお伝の方の部屋。犬が逃げたことを知っていたお伝は、その犬が殺されたとびっくり勘違い。罪をなすりつけるために、大典侍(中山忍)の部屋へ。桂昌院と一緒に犬探しをしていた大典侍、休憩に部屋に戻って来てびっくり。あわてて隠しに行く途中、安子とばったり。言い訳最中に、桂昌院に見つかってしまう。とっさに大典侍を庇って、自分が犬を殺したと答えた安子。綱吉の前で桂昌院に詰め寄られる。そんな三人の前にひょっこり犬が現れて、事なきを得るものの、安子を庇う綱吉に、桂昌院は「このような女子に心奪われて…」と嫉妬。
 病の床で、安子に「ただそなたが側にいてくれれば誰もいらぬ」などと弱気発言をするぐらい弱っていた綱吉は、柳沢吉保(北村一輝)の愛妾・染子(貫地谷しほり)が自分の子を産んだと知って、みるみる元気に。染子は子・吉里と共に大奥入り。
 誕生月からの逆算で吉里が吉保の子ではないかと疑いだす右衛門佐(高岡早紀)。実は光圀の手の物だった音羽(余貴美子)の協力も得るが、吉保の方が一枚上手で、真実究明ならず。安子の父・牧野成貞(平泉成)の引退により、江戸城は吉保の覇権となる。

第七話「真の敵」(12月1日放送)
 
唯一のお世継ぎ、お伝の方の子・徳松は、祈りもむなしく死亡。一方で安子と右衛門佐(高岡早紀)は長丸暗殺の真犯人探しに頭を悩ます。信子に動機がないことから、柳沢吉保(北村一輝)に目をつける右衛門佐。さすがは才女、いい勘してます。
 世継ぎ立て続けに死亡で、どうすればよいのじゃ、と桂昌院に迫られる隆光(火野正平)。困った隆光は、大奥スリーアミーゴスのおしゃべりから綱吉の犬好きを知り、はたとひらめき、進言。”生類憐みの令”の誕生!
 安子が徳松を殺そうとしたのを見たとの大典侍(中山忍)の告げ口に、「安子はそのような女子ではない」と安子を守り信じる綱吉。でも、心労と病弱なこともあって、やる気なしなし、お仕事放りっぱなし。そんなんで「人はなぜ死ぬのであろう」などと弱音を吐いて、癒しの安子に説教されてしまう。逆ギレした綱吉。興奮しすぎてひきつけを起こし、倒れてしまう。(過呼吸の発作?)
 こっそり水戸光圀(!)(大杉漣)に会いに行って告げ口したりと、暗躍中の右衛門佐。世を正すには上様がいなくなるのが一番と、綱吉の暗殺を安子に耳打ち。渡した薬はどこかで見たと思ったら、吉保が信子に渡したもの。右衛門佐の後ろで信子がほくそえむ。

第六話「殺意」(11月17日放送)
「頂いた薬のおかげでよう眠れるようになりました」と柳沢吉保(北村一輝)に礼を言う信子。お伝の方には青梅でそそのかし、桂昌院のご機嫌もとる吉保。その真意はいったいどこに?愛妾・染子(貫地谷しほり)には男児も生まれて、いよいよ悪巧みも大詰めか!?
 桂昌院の肝入りで、またも京から新しい側室が。清閑寺大納言の娘・大典侍(中山忍)。自信過剰な激しい性格で、またまた大奥で新たな戦いが勃発しそう。
 長丸死亡で生気をなくし、ひたすらお伝の方への恨みのみで生きている安子。その元へ、大典侍の閨へ行く約束をすっぽかした綱吉のお成り。少しやつれたように見える綱吉は、「母の機嫌をとって生きるのに疲れた」ともらし、「今宵は長丸の供養じゃ」と安子とともに一晩起きていることに。長丸を亡くした悲しみに、綱吉も深く沈んでいるのだった。
 一人で普請場をうろついているお伝の子・徳松を見つけた安子。母の形見のかんざしを握り締め、決意の表情を見せるが、材木が倒れてくるのを見て、体を張って徳松を守る。安子、側室のわりにお付きもなく一人でうろうろしすぎなのでは。そのせいで怪我が多いのでは。しかしこの活躍もむなしく、その夜から徳松は病に。
 看病疲れのお伝の方にばったり出会ってしまった安子。極限状態のお伝にケンカを吹っかけられ、取っ組み合い!かんざしで刺し殺そうとするも、お伝の腕力に負けて自分が刺されそうに。
 お伝が思わずもらした言葉と、女の勘で真犯人に気づいた安子。一人乗り込んで行くが…。

第五話「逆襲」(11月10日放送)
 
湯殿に閉じ込められた安子は、母の形見のかんざしを扉の隙間に差込み、かんぬきを開け脱出。無事に男子・長丸を出産!
 お世継ぎ問題で一部が揺れる大奥。けれど当の安子は人を蹴落としてまでの野心なし。その考えを右衛門佐(高岡早紀)も高く評価。この人、実はいい人? だけど面白くないのは、右衛門佐の上司の信子。しかしこれが伏線で、あんなことをするとは…。
 綱吉は長丸もかわいくて、ますます安子のところへ入り浸り。すっかりマイホームパパですが、その穏やかな時間に安子が想うのは夫・成住(田辺誠一)のこと。そのことに気づいたのか、「女子の心が分からない」ともらす綱吉。というのも、入り浸りすぎて母・桂昌院にとがめられた綱吉が、暇つぶしにスイカの種飛ばしていたところ、柳沢吉保(北村一輝)に自宅に誘われる。そこで吉保の愛妾・染子(貫地谷しほり)を抱くが、なんと染子は吉保愛しさのあまり自害を図る。一人の男性を想う女の一途さを知った綱吉。ちょっと成長した?
 一方、なんとしても自分の子を後継ぎにしたいお伝の方。しつこくしすぎて、綱吉に決定的に嫌われてしまう。そこで吉保にそそのかされて、長丸毒殺を実行するも、苦しむ赤子の姿に良心を取り戻す。ところがところが、手当ても間に合わず長丸死亡!? その裏で狂ったように笑う信子。実はお伝の方が咥えさせた青梅を吐き出させた後、信子が毒を盛ったのだった……。
 昨日の友は今日の敵、話す言葉の裏には罠があり。まさしく伏魔伝の大奥。安子の明日は?

第四話「魔界の炎」(11月3日放送)
 
信子のたっての願いで大奥にやってきた右衛門佐(高岡早紀)。さっそくその頭の良さっぷりを駆使して、存在をアピール。綱吉も美人で知性あふれると評判の彼女が見たくて、昼間から大奥にやってくる。
 右衛門佐が狙っているのは、現在は桂昌院が就いている大奥総取締。だが、将軍の側室はなれないという決まりあり。案の定、女好きの綱吉が口説いてくるも、はらりはらりと巧みにかわし、「世を馬鹿にしているのであろう!」と得意のかんしゃくにもひるまず、右衛門佐は言葉巧みに大奥総取締の地位を手に入れる。その手腕や、美人エリートやナンバーワンホステスも真っ青の凄腕、恐るべし。
 信子と安子ペアに完敗のお伝の方。それでも男子を一番に産んだのは彼女なので、とりあえず地位は安泰だと思うのだが、自分の感情に素直な彼女は気が気でない。考えなしに安子をいじめるために呼び出したものの、勢いあまって産月間近の安子を水風呂に落としてしまう。赤ん坊と安子の身が大ピンチの状態で次回に続く。でも予告で赤ん坊抱いてたから無事だったっぽい?

第三話「仇の子」(10月27日放送)
 
ずっとおとなしかった柳沢吉保(北村一輝)が、安子の父・牧野成貞(平泉成)の異例の重用に嫉妬、ここにきて牙を剥いた!
 お伝の方も安子に懐妊と聞いては気が気でない。自分の子を時期将軍にとのお墨付きが欲しいと綱吉に迫り、反対に、はしたない、と怒られる。そんなお伝に柳沢が接近。悪魔のささやき。
 一方の日蔭の身の信子は、安子に再接近。過去を引きずって煮え切らない安子だったが、殺されかけたところを父に体を張って助けられ、母の遺言を読み、お腹の子の母の自覚も芽生え、戦うことを決意。
 勢力分布が固まった今回。このままの分布が続くのか、それとも…
 予告で京より信子が呼び寄せた野心たっぷりの識女・常盤井の局(高岡早紀)改め右衛門佐(「えもんのすけ」と読む)をさっそく側室にする綱吉!? 好き嫌いなさすぎです。

第二話「伏魔殿」(10月20日放送)
 
二回目にして、確信犯的悪人かと思っていた綱吉が、いい人かもしれないと思わせる展開。
 雷におびえ、安子のひざで泣きながら綱吉は、「なぜ阿久里(萬田久子)は死んだのであろうのう」とこぼす。幼少のころ、唯一優しく接してくれた阿久里に、綱吉は喜んでもらいたかった、と。母の仇と思った男は、どうやら愛し方を知らない純粋無垢な少年の心の持ち主だった? なかなかいいキャラクターしてます、綱吉。無邪気に安子と元夫・牧野成住(田辺誠一)との面会の場も作ってあげるし。
 一方でどこまでも一途な愛を貫く成住(田辺誠一)と安子は心中を試みるが、露見。牢の中から成住は、安子に「そなたは強くなれ。そして勝て」と言い残す。早くも綱吉の子を懐妊した安子の戦いの日が、新たに始まる。
 綱吉の覚えがめでたいというだけで、嫉妬に燃えてめちゃくちゃ怖い形相のお伝の方。今後の出方が怖いです。

第一話「修羅場」(10月13日放送)
 
女癖が悪い上に、ちょっと趣味が変わっている綱吉公。そしてその綱吉と微妙に距離をとっている柳沢吉保(北村一輝)と桂昌院(江波杏子)の悪巧み。胡散臭すぎる祈祷僧・隆光(火野正平)。
 一方で死ぬほどいい人そうな牧野成住(田辺誠一)に、幸せホームドラマを文字通り絵に描いたような牧野家。この対比と、完璧なキャスティングと演技がすばらしいです。
 素人目ですが、時代考証もしっかりして小道具が利いてます。
 しかし一番度肝を抜かれたのは、初回の今回、綱吉公の寵愛を一心に受け、唯一閨のシーンがあったヒロインが、並み居る若手女優を抑えて、主役・安子の母、阿久里(萬田久子) だったこと。綱吉が幼少のころ見知った顔だったとはいえ、この展開にビックリとかガッカリしたのは私だけではないはず!
 そして綱吉の目当てが母だったからって、不用意に平伏した顔を上げて目が合ってしまった安子とその家族は、妙齢の娘としての用心が足りなさすぎです。

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