前回までのあらすじ
第5話 「信長への反抗〜信長狂乱〜半兵衛の死〜高松城攻め」(12月5日)
柴田勝家(西岡徳馬)の援軍から勝手に帰国した秀吉は、信長から謹慎を言い渡される。秀吉は毎夜、宴を開き遊び、それを見たねね(星野真里)は心配し、竹中半兵衛(天宮良)に相談、秀吉殿には秀吉殿のお考えがあるのだろうと、慰められる。
光秀(風間トオル)は信長に、秀吉のとりなしをしようとして、信長から増長するなと叱咤される。その後、信長に呼び出された秀吉は、信長に許され、備前を平定せよと申し渡される。そして信長は、長年仕えてきた佐久間信盛(螢雪次朗)を手柄を立てなかった咎で、林秀貞(中条きよし)を昔、弟を盛り立てようとした咎で追放する。
三木城を取り囲む秀吉軍の陣中で、竹中半兵衛は秀吉に、「信長様は人を信じられなくなっています。毛ほども疑念を抱きませぬよう」と遺言を残し、病死する。
播州を平定した秀吉は、自分に子がないことを気に病み、思い切って信長に、四男・於次丸をもらいたいと願い出、許される。
進撃を続ける信長は、武田を倒し甲斐を平定。信長に「御政道には慈悲が必要」と口をすべらせてしまった光秀は、信長を激怒させてしまう。秀吉は以前に光秀が信長にとりなしてくれたことを知り、信長に光秀のとりなしをするが、信長は穏やかにただ「もうよい」と。信長は光秀の価値を認めていた。
高松城をどう攻めるか悩んでいた秀吉は、於次丸が庭で遊んでいたのを見て、水攻めを思いつく。お膳立てをすべて整えて、他の家臣の妬みを避けるために信長に援軍を請う。
一方、信長は光秀に、家康の接待役を申し付ける。光秀は信長の意向を汲み、贅を尽くした支度をするが、秀吉の援軍願いを聞いた信長は光秀の任を解き、光秀を秀吉の援軍に先行させる。
光秀は、中国へ向かう途中、戦勝祈願に寄った神社で、足利義昭(京本政樹)と出会う。義昭は光秀に、「信長は魔物じゃ。信長が天下を取ればこの国はおしまいじゃ」と吹き込む。数々の出来事から信長に嫌われていると思い悩んでいた光秀は、謀反を決意。兵の進路を、信長が宿泊している本能寺へと変える。第4話 「金ヶ崎の退き口〜浅井攻め・お市の救出〜羽柴秀吉へ…」(11月28日)
敗退の殿(しんがり)を命じられた秀吉軍は、金ヶ崎城に立てこもる。蜂須賀小六(的場浩司)をはじめとする秀吉の家臣たちは、もう死んだも同然と沈む。一人元気に振舞う秀吉は、篝火を盛大に燃やし大軍がいるように見せかけ、夜の闇に紛れて逃げ出そうと命じる。
無事に京の信長の元に戻ってきた秀吉。だが信長は負け戦に悔しがる。信長の次の相手は、比叡山の僧たちだった。皆殺しにしろという信長の命に、光秀(風間トオル)は僧を殺すことを、秀吉は叡山には女子供もいると、反対するが、信長は聞き入れない。叡山に攻め入った小六は、目に入った女たちをこっそりと逃がすが、多くの者が殺され、苦い戦となった。
次に信長が刃を向けたのは足利義昭(京本政樹)だった。信長に隠れて浅井・朝倉や武田と通じ、比叡山をそそのかしたと、信長は義昭を罰する。
いよいよ信長は浅井攻めを再開する。秀吉は、信長の妹・お市(相田翔子)を浅井長政(西村和彦)から救い出す作戦を進言し、実行。長政と添い遂げたいというお市に当身を食らわせ、長政に「命に代えてもお市様をお救いせねばならぬのです」と説得。長政は「一人の武士としてお頼み申す」と、秀吉にお市と三人の娘を託す。
秀吉は、信長から褒美に十二万石を賜り、大名らしい苗字をつけよと言われる。悩む秀吉にねね(星野真里)は、その出世を妬んでいる人もいるかもしれないと忠告。秀吉は信長の古参の家臣の名を借りて、「羽柴」と姓を改める。また、賜った小谷城は山城だからと、琵琶湖畔の今浜を長浜と名を変え、城を建てる。だがそのことで、柴田勝家(西岡徳馬)に嫌味を言われてしまう。
信長は新たに近隣諸国の制圧に動き出す。秀吉は攝津・播磨・因幡攻めを、勝家は越前の上杉攻めを命じられる。勝家が信長に援軍を請うたのを、甘えだと見た秀吉は、信長に命じられ応援に出向くが、勝家の態度に腹を立て、暴言を吐いて勝手に引き上げてしまう。第3話 「お市の輿入れ〜信長、上洛の野望〜浅井長政の裏切り」(11月14日)
信長の妹・お市(相田翔子)の野遊びの供をして以来、お市の美しさにすっかり参ってしまった秀吉。だがお市が近江の浅井長政(西村和彦)の元に嫁ぐと知って、すっかり傷心になる。
ため息ばかりついている秀吉を心配するねね(星野真里)は、前田又左衛門(甲本雅裕)から、秀吉がお市に懸想していると聞き出して憤慨。そんなねねに、濃姫(吉本多香美)を通じて信長が文を下さる。その中で信長は秀吉を禿げねずみとこき下ろし、ねねにもいちいち気にせず笑って暮らせと諌めていた。
信長のいる岐阜に、明智光秀(風間トオル)が先の将軍の弟・足利義昭(京本政樹)の文を持って現れた。義昭の文を読んだ信長は、義昭を岐阜に迎え入れる。
お市の輿入れの警護を仰せつかった秀吉。信長の、めでたい輿入れを血で汚してはならないという言葉に、空の輿の行列をおとりにして、お市の輿入れに反対する浅井家家臣の刺客をやり過ごし、その隙に秀吉は自らお市の手を取って徒歩で近江に入る。道中、秀吉とお市は近い距離で言葉を交わして楽しい時を過ごし、秀吉は手作りのお手玉をお市に贈る。
信長は義昭とともに、とうとう京上洛を果たす。そして光秀と秀吉に京奉行に命じる。この破格の抜擢に、秀吉は驚き辞退しようと口篭もるが、信長は「人は器に合わせて己を変えるのじゃ」と一括。義昭にも「いなか武士」と言われ、悩んだ秀吉は、堺の茶人・千宗易(藤田まこと)に相談。「人の上に立つ者の心得」を問う秀吉に、宗易は人生を能楽にたとえ、見せ場の時に命を掛けた舞を見せればよいとわかりやすく説く。
信長はかねてから懸念の種だった朝倉家攻めを決意。だが朝倉とは古くから盟友の関係である浅井家では、信長を裏切り、朝倉に呼応しようとする動きが起こっていた。お市は、秀吉に小豆の入ったお手玉を送る。
浅井と朝倉に挟み撃ちにされた信長軍。敗退の殿(しんがり)を勤めることを、秀吉は決死の覚悟で信長に願い出る。第2話 「墨俣築城に流した藤吉郎の涙」(11月7日)
信長が次に狙うのは美濃。そのための要所である墨俣に城を欲していた。しかし墨俣は川に囲まれた敵地。城を築こうとする度に攻められ、失敗が続く。なぜ信長が勝てないのかと素朴な疑問を持つ藤吉郎に、前田又左衛門(甲本雅裕)は美濃には当代一の軍師・竹中半兵衛(天宮良)がいるからだと答える。それほどの人物なら一度会ってみたいと思い立った藤吉郎は、百姓に化けて美濃に潜入する。
今は弟に家督を譲り隠居生活の半兵衛だったが、信長に仕える気はないと藤吉郎は追い返されてしまう。
失敗続きに墨俣に城を築くのは無理だと軍議で家臣たちが言い出す中、信長に意見を求められ、城が必要だと答えた藤吉郎。「サルに任せる」と言われてしまう。他の家臣たちからは「失敗した時は生きて帰ってくるでないぞ」と脅される。
悩みに悩んだ藤吉郎は、小六(的場浩司)に頼んで付近の野伏せりを集めてもらう。信長に反感を持つ彼らに藤吉郎は、墨俣城完成の時には家来にする、野伏せりで一生を終えるより侍になるんだ、今がそのチャンスだと説得。協力を得る。彼らと木こりたちに上流で城の材料となる木を切らせ、自領で岡部又右衛門(村井国夫)の率いる大工たちに加工させた上で、川に流して、現地で組み立てる。
川を渡って攻めてきた美濃の兵に、藤吉郎たちは川に油を流し火をつけて撃退。この戦いで死んだ野伏せりに、藤吉郎は涙する。見事、墨俣城を築いた藤吉郎は、信長から約束どおり墨俣城をもらう。一城の主となった藤吉郎は、「秀吉」の名乗りを許される。
信長は本格的に美濃の稲葉山城を攻め始めるが、堅固な守りに苦戦。「三日で落とせ」と言われた秀吉は、半兵衛に再度会いに行く。だが半兵衛の心は動かない。秀吉は半兵衛を諦め、騒がしたお詫びにと、病弱な半兵衛に滋養のつくキノコと絹の着物を贈る。その誠意に打たれた半兵衛は、信長ではなく秀吉に仕えようと言ってくれる。半兵衛は秀吉に稲葉山城への抜け道を教える。
信長は稲葉山城を落とし、岐阜城と名を改め、天下布武の印を使い始める。第1話 「藤吉郎…信長が愛でた最高の“道具”」(10月31日)
継父が居座る家が嫌で、侍に憧れて家を飛び出した藤吉郎。幼馴染のガンマク(デビット伊東)と一若(伊東孝明)の上司、織田家の賄方・渥美侘助(柄本明)に仕官の口利きを頼むが、織田家は近いうちに斎藤か今川に滅ぼされるから止めとけと、断られる。
仕官させてくれるところを探しながら放浪する藤吉郎は、美濃で後の明智光秀(風間トオル)に、三河で松平元康(内藤剛志)に出会うが、仕官は叶わず。尾張に戻ってきた藤吉郎が飢えのあまり道の地蔵の供え物を食べていると、その地蔵に小便をかける者がいた。慌ててバチが当たると止めに入った藤吉郎の目の前で、男は「石はただの石」と地蔵を斬り捨てる。荒くれた格好をしたその男こそ、織田信長(村上弘明)だった。そうと知った藤吉郎は、自分が仕えるのは彼しかいないと、信長を追いかける。
仕官したいと現れた藤吉郎は、城の門番や足軽たちにからかわれ、暴れ馬の雷電を手なずけたらお館様に紹介してやると言われ、四苦八苦。馬に落とされ続けるも、次の日には根性で乗りこなす。その現場を見ていた信長に、取り立てられる。
馬回り役から草履取りに異例の出世をした藤吉郎。寒い日の朝に、信長の草履を懐で温め、信長に道具しての可能性を試させようという気を起こさせる。
藤吉郎を剣術では才がないと見極めた信長。前田又左衛門(甲本雅裕)と共に遠乗りの供にする。信長がいない間に、「斉藤が攻めてくるのに城壁の修理もゆっくりしたものだ」と高説ぶった藤吉郎。それを聞きとがめた信長は、藤吉郎を普請奉行にし、城壁を三日で直すように命じる。
藤吉郎は岡部又右衛門(村井国夫)に協力を仰ぎ、職人たちを三班に分け、早い者順に褒美をたっぶり取らせると焚きつける。約束どおり三日で修理を終わらせた藤吉郎に、信長は「次は何をする?」。「薪や炭の無駄遣いが目に付きます」と答えた藤吉郎は、薪奉行に取り立てられる。
お館様のためと家臣一同に倹約を強いる藤吉郎に、溜まりかねた者が、やっかみもこめて藤吉郎を闇討ちにしようとする。向かいの家の浅野長勝(渡辺哲)、浅野長政(草野康太)親子に助けられ、藤吉郎は命拾いする。また、長勝の養女のねね(星野真里)とも親しくなる。
ある日、藤吉郎が帰ってくると、家に強面の男たちが居座っていた。彼らの首領・蜂須賀小六(的場浩司)は藤吉郎に、自分たちを買えと迫る。
とうとう今川義元(六平直政)が織田を攻めてくる。義元の大群を前に、何をどうやっても勝ち目のない織田。信長は藤吉郎を呼び、昔、寺に預けられていた藤吉郎が山の上から盗み見たという義元の物真似をやれと命じる。足の短い義元が馬から転がり落ち、輿に乗る物真似を見た信長は、義元の弱点が見えたと、藤吉郎に後を任せて出て行ってしまう。
いきなり織田家の行く末を任せられた藤吉郎は、訳が分からない。知り合いを全員集めて、相談する。藤吉郎の義元の物真似を見たねねは、輿は動きが遅いので隊列が長く伸びること、長く乗っていると疲れること、義元が戦場の粗食に耐えられないことなどを指摘。
藤吉郎は、義元に取れたての鯛を差し入れ、道を悪くさせ、義元を休憩に仕向ける。一方で、神仏を信じない信長に、家来の士気を高めるためと戦勝祈願を頼み、賽銭に裏を糊で張り合わせた銭を渡す。熱田神宮で信長は「天に問う!勝運われにあらば、銭の表を出せ!」と銭を投げ、すべての銭が表を向いたのを見た家臣の士気は上がる。
長く伸びた隊列で休憩する義元だけを狙った強襲で、信長は勝利。生きて帰った藤吉郎は、ねねに結婚を申し込む。第一話は二時間スペシャルでした。
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