ちいさこべ〜若棟梁と九人の子
  小沢征悦 主演   06年9月7日放送開始   NHK 木曜夜8時から

各回ごとのあらすじ

最終回「明日への夢」(10月5日)
 りつが茂次に、米が底をついたと言う。なんとかする、と見栄を切った茂次だったが、その会話を子供たちが聞いていた。
 自分たちの食費をなんとかしようと、子供たちは人通りの多い橋の上で物乞いをはじめる。三日前から何も食べていないやら、一人の顔に包帯を巻きつけ、五両あれば元通りに治療できると言ったり、詐欺まがいの物乞いをしているところを町役の勘助(西田健)に見つかり、自身番に連れて行かれる。
 迎えに行った茂次は、子供たちに金をくれた人が見つかるまで橋の上に立たせ、金を返させると約束し、その場を収める。が、戻ってきた茂次に、ゆうは行儀見習を教えている自分の責任だと話す。子供たちの悪さは、育ての親の自分たちの責任だと気づく茂次。
 一方、りつは、母と慕ってなついてくる年長の菊次(鈴木達也)の思いを取り違え、自分では本当の母親にはなれないと悩み、書置きを残して出て行ってしまう。
 窮状を見かねて食事作りなどをするゆうだが、子供たちと思いっきりぶつかっていけない自分に悩む。そして茂次への思いを捨て、自分は質屋を継ぐ決意をする。そのことを告げられた茂次は、悪いのは自分だと謝り、久兵衛(平泉成)の元へ、「おゆうさんを九人の子持ちにさせて苦労させることはできない、縁談はなかったことにしてほしい」と頭を下げる。
 そして茂次はりつを迎えに行き、「子供たちが困っている。俺だって困る。帰って来い」と。戻ってきたりつに、茂次は「俺はおまえにこの家をやっていってほしいんだ」と告白。ゆうのことが気にかかり、今まで気持ちを抑えていたりつだったが、そっと仏壇を開け、よろしくお願いしますと手を合わせる。
 普請場に、伊吉(本田博太郎)と兼六(小林尚臣)が角樽を持って現れる。茂次の姿勢を見習えと役人から言われたと、謝りに来たのだった。
 そして茂次を「若棟梁」、りつを「おりつ姉ちゃん」と呼んでいた子供たちも、「おとっちゃん」「おっかさん」と呼ぶように。すべては良い方向へと向かっていく。

第4回「絆」(9月28日)
 茂次は「大留」の看板を担保に、福田屋の久兵衛(平泉成)に頭を下げ借金をする。その金で、再普請の算段をつけ、火事で亡くなった弟子たちの供養をする。だが同じ火事で亡くなった両親の供養はせず、骨壷を仏壇に置いたまま戸を閉め、絶対に触るなとりつに言いつけていた。
 りつに父母の供養もと非難された茂次は、「どうしても自分には二人が死んだとは思えねぇ。俺が大留を立て直すまでは、このままの二人でいてほしい、仏扱いをしたくない」と、素直な心情を語る。
 沖石主殿(火野正平)が仕官を決め、江戸に戻って来た。茂次と話をしたいと言っていると、「澤茂」の女将・のぶ(江波杏子)が知らせに来る。りつに、鶴之助(塩野魁土)は絶対に返さないと約束させられ、自分もそのつもりだと出て行った茂次。
 子供は物じゃない、親の勝手で捨てたり拾ったりしていいものじゃない、大方、世間体のために引き取りに来たのだろうがそんなあんたには渡せないと、突っぱねる茂次。だが沖石はそれを全部認めた上で茂次に土下座をし、鶴之助を迎えに行くにあたって心にあったのは、「鶴之助が自分を許してくれるかどうか」だったと吐露。そして許してくれなかったときには、自害するつもりだったと、仕官辞退願いと鶴之助にあてた遺書を見せる。これには茂次も言葉を失う。のぶは、どちらにしろ決めるのは鶴之助であり、鶴之助が茂次を選んでも自害はいけない、死ねば鶴之助は一生悔いることになると諭す。
 このやりとりをひそかに聞いていた鶴之助は、茂次に連れられてきた沖石に、「父上、ご仕官おめでとうございます」と笑顔を見せる。
 出立の日、鶴之助は茂次とりつに「本当にありがとうございます。おとっちゃん、おっかさん」と頭を下げる。

第3回「願い事」(9月21日)
 子供たちの養育費を稼ぐため、横槍を入れてきた先代の兄弟弟子の伊吉(本田博太郎)と兼六(小林尚臣)のところへ大店の仕事を返してもらうよう、頭を下げに行った、茂次。だがこの大火事の後の大変なときに、大金を払ってくれるお得意先から普請するという二人の態度に腹を立てて、茂次は啖呵を切って出てきてしまう。
 行きつけの居酒屋「澤茂」で仲間に謝り、行く末を思案する茂次。その彼らの卓に並ぶ料理を見つめる子供がいる。その親で浪人の沖石主殿(火野正平)は、息子の鶴之助(塩野魁土)に何も与えず、自分だけ酒を飲んでいた。おせっかいから沖石に詰め寄る茂次だが、女将ののぶ(江波杏子)になだめられる。
 ある朝、その鶴之助が、茂次の家の前に立っていた。鶴之助の持っていた手紙には、仕官が叶う日まで鶴之助を預かってほしいと、沖石の言葉が。のぶから茂次が九人もの子を育てていると聞いての、沖石の頼みだった。
 仕官ためとは言え、子捨て同然の沖石の所業に憤る茂次。番所に届けるか迷う茂次だが、りつの鶴之助を思う言葉に売り言葉に買い言葉で、預かることを決める。
 大留で普請中の建物から、火が。子供たちも駆けつけ総出で水を掛け、延焼は免れたが、普請中の建物は焼け、さらに大留は財政難に陥る。そんな中、菊二(鈴木達也)がその場から逃げ出す。後を追った茂次は、菊二が川に身投げをしようとするのを止める。菊二は火を見て、火事のことを思い出したのだった。だが茂次の言葉で、立ち直る。茂次と子供たちは、小さな事件を積み重ね、徐々に絆を深めていく。

第2回「大吉」(9月14日)
 逃げた子供は菊二(鈴木達也)と富(高橋征也)、たね(佐藤香奈)の三人。悪態を付きながらも茂次たちは手分けして探しに行く。火事の前にいた家を訪ね、そこで彼らがひどい境遇にいたことを知る。
 12の菊二は親がなく、怪しげな虚言で生計を立てていた偽坊主に飼われていたような生活だったという。彼が泥酔して寝入っているところを火事に巻き込まれ、家から出てきたのは菊二一人。近所の人は、菊二が見殺しにしたのではないかと噂していた。が、りつは、きっと起こそうとしたが起きなかったのだと、菊二を信じる。
 10才の富と9才のたねは、血は繋がっていないが、親の連れ子どうしで本当の兄弟のように仲がよい。なさぬ仲の二親からいじめられ、行き場を失い、りつが出会ったときには、二人で身投げをしようとしていたという。
 そんな子供たちを拾い集めてきたりつは偉いと言う茂次に、りつは自分が一人ぼっちだと感じて、勝手についてきたのだと説明。茂次も同じ親を亡くした身、きっと仲良くなれると。
 一方、大口の普請を請け負っていた大留に、客から、大留の先代の兄弟弟子から横槍が入ったと、断りの話をされる。ちゃんと筋を通すところには頭を下げ、金を積み、筋を通したほうがいいという客の忠告を、茂次は大工は客のために仕事をするものと、突っぱねる。
 八百屋の徳次郎(木下ほうか)が、子供たちの度重なるかっぱらいに腹を据えかねて、勘助(西田健)とともに役人に突き出すとやってくる。茂次はなだめて、とりなし、子供たちをかばい、事なきを得る。それを知り、子供たちも茂次に、ちゃんと謝る。
 大留の食料が盗まれているのに気づいた茂次たちは、菊二たちの仕業と見て、罠を張る。そして菊二たちをやっと捕まえ、怒るのではなく迎え入れた茂次。菊二たちも謝る。

第1回「大工魂」(9月7日)
 武州の川越で、普請をしている茂次たちの元へ、江戸の店に残った大工から知らせが入る。江戸で大火事があり、店が焼け、茂次の両親も店の下敷きになって死んだという。現場は茂次しか差配できず、放り出すことができない茂次は、すぐにでも駆けつけたい気持ちを抑え、代わりに大六(益岡徹)に店は任せると託し、帰す。
 一ヵ月後、仕事を終えて戻ってきた茂次たちが見たのは、焼け野原となった江戸の町だった。店は仮小屋を建て、焼け残った「大留」の看板を掛けただけ。茂次は両親の遺骨を前に、川越に行く前に、父の留蔵(蟹江敬三)から跡目を譲り受け、墨壷をもらったこと、母のしげ(平淑恵)からは、弟子を家族だと思いなさいと教えられたことを思い出す。
 三部屋しかない小屋で茂次の、職人たちと、そしてこの家事で身寄りをなくし大六が下女にと雇った、茂次の幼馴染のりつとの生活が始まった。ところが、朝から子供たちの石投げの音で目を覚まされた茂次。叱りに出た茂次が、どこの子だと聞くと、そこに現れたりつが、自分の子だと言う。火事で身寄りを亡くし、行くところのない子供を自分が預かっていると言うのだ。うちには面倒をみる余裕がなく、九人もの子供を預かるのは無理だと反対する茂次。
 町内で唯一焼け残った、両親と旧知の間柄の質屋・福田屋を訪れた茂次。主の久兵衛(平泉成)に、甘えを捨て、誰にも頼らないで大留を立て直したいので、関係を絶ってくれと頼む。また、力を貸そうと言ってきた親戚筋にも、自分の力で立て直すと突っぱねる。
 預かっている子供たちが悪さをすると、町内の取りまとめ役の勘助(西田健)と同心の中島市蔵(赤羽秀之)が、茂次に文句を言いに来る。だがりつは、他の子たちがからかうからケンカをするのだ、あの子達に必要なのは愛情だと、子供たちをかばう。情が移り始めていた茂次も、権力に笠に着た物言いに内心むっときて、りつの味方をしてしまう。二人で何ができると言われ、そこに自分も手伝うと、許婚の福田屋の娘・ゆうも現れる。三人の決意に折れて帰っていった勘助と市島。だが、りつが子供がいなくなったと駆け込んでくる。話を聞いて捕まると思い、逃げ出したのだった。

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