義経
 
滝沢秀明 主演   05年1月9日放送開始   NHK 日曜夜8時から

毎回のコメント

最終回 「新しき国へ」(12月11日放送)
 今回は60分の拡大版最終回でした。長くなりますが、お付き合いくださいませ。
 平泉に迫る頼朝軍に、新頭首となった藤原泰衡(渡辺いっけい)は生来の小心者で打って出る決心が付かない。そんな泰衡に、頼朝(中井貴一)は「義経を差し出せ」と再三の文を送る。とうとうプレッシャーに負けて混乱の極みと達した泰衡は、義経を討つため兵を差し向ける。
 吉次の名代として平泉にやってきたうつぼ(上戸彩)への喜三太(伊藤淳史)の告白騒動等で盛り上がる義経主従。そこへ兄・泰衡の手の者に殺された忠衡(ユキリョウイチ)の部下が知らせに来る。逃げずに戦の支度を意気揚揚とはじめる一行に、うつぼが「おまえらおかしいよ」と詰め寄る。だって味方はたったの六騎、死を覚悟の戦ですから。「新しき国」を目指すための戦、悔いはない、と説き伏せ、義経はうつぼに静への伝言を託し、逃げろと命じる。「我ら新しき国が叶うときには必ず呼び寄せる。それまで息災に」と。
 戦を前に刀を拝領し、武士としての名を与えたいと言われた喜三太。だが、「殿と出会ったときの名でいとうございます」と断る。
 折りしも時間は始まって30分。ここから15分が戦、ハイライトです。
 攻め寄せる軍勢の前に飛び込む六人。斬って斬って斬っての大奮戦を見せるが、義久(長谷川朝晴)の刀が折れ、皆が名を叫ぶ中、敵の刃に倒れる。
 義久と最も仲のよかった喜三太。駆け寄ろうとしたところを背に矢を受け、倒れる。駆けつけた弁慶(松平健)によって茂みに運ばれ、「殿の一番の家来」の座を譲り合い死亡。
 義経に向けられる一斉射撃に気づいた駿河次郎(うじきつよし)は、義経を庇って一身に矢を受けつつも、全身血まみれの奮戦。菊の花の中に倒れこむ。
 怪我を負いつつも戦い続けた伊勢三郎(南原清隆)も力尽きる。最期に義経と目が合った三郎、にっかりと笑い、カニの物真似をして、笑って散る。
 家来たちの名を叫ぶ義経を、弁慶は力づくで退却。持仏堂に連れ込み、「この中へはわしが一兵たりとも入れぬ」と外へ。義経も「防ぎは頼むぞ」と覚悟。「もはやおさらばでございますか」と答える弁慶。来世での再会を固く約束し、二人は別れる。
 死を決意した義経の前にたまたまあった、あの落書き屏風。平清盛に「二人とも夢なかばでござりました。が、新しき国はしかとこの胸に」と語りかけ、刀を首に当てる。瞬間、屋根を突き抜け光の柱が天空に向けてそそり立つ。その光の中から白馬が飛び立つ。
 一方、持仏堂の前に一人立ちはだかる弁慶。なぎなたの一振りで敵を退ける。腹に大量の矢を受けても、それをみずからなぎなたで一気にへし折る。しかし一人、最期はお決まりの仁王立ちの矢だるまで昇天。
 義経死後、落ち込んだ表情で京に戻ったうつぼに、お徳(白石加代子)は「義経様は、きっと鞍馬にいてはる」と告げる。
 鞍馬に出かけたうつぼの視界に、白い影がさっと横切る。ラストは白の稚児姿で鞍馬の山を駆ける義経のアップでした。

第48回 「北の王者の死」(12月4日放送)
 やっとのことで平泉に到着した義経主従を、藤原秀衡(高橋英樹)は暖かく迎え入れる。義経から新しき国造りの夢を聞き、成長を頼もしく思う秀衡。だがそんな平泉にも頼朝(中井貴一)の手が。窮地のはずの秀衡は以前と変わらず義経に「わしの子の一人と思っている。この奥州・藤原、すべてを掛けて戦う」と頼もしい言葉。だが、その頼みの秀衡も宴の席で突然倒れ、遺言を残し、戦については「九郎殿を将と仰ぎ、下知を受けよ」と言い残し死亡。北の大木・秀衡が死んだ今、頼朝の軍勢が平泉に迫る。
 平泉に来た吉次(市川左團次)から、静のことを聞いた義経と弁慶(松平健)。やはり妊娠には気づいていませんでしたか。しかし子供のことを殺されたとは言えずに、とっさに吉次が、女子だったとついた嘘には気づいた義経。超能力的勘はまだまだ衰えていません。

第47回 「安宅の関」(11月27日放送)
 北陸道を北に向かう山伏に扮した義経一行。途中思いがけず、きこりの妻となり女子を産んだ巴(小池栄子)に出会う。お互い名乗らなかったものの、木曽義仲(小澤征悦)のさらし首の前で仇を討とうとした巴に、「生きよ」と諭した義経。巴は生きていてよかったと言い、義経にも「あきらめぬことじゃ。さすれば道はありましょう」と告げる。
 外で義経と巴が言葉を交わしている間、家来一行は、新しき国で家族を持つ夢の話で大盛り上がり。恋話に花が咲く。
 そしていよいよ臨んだ安宅の関。山伏一行の先達を務める弁慶(松平健)が、関守の富樫泰家(石橋蓮司)と渡り合う!弁慶の堂々たる演技が見事なもの。何度も演じられてきたシーンですが、このときほど、弁慶を松平健が演じててよかったと思ったことはなかったです。
 富樫をだますためとは言え、主である義経を打ち据え、静の笛を踏み折った弁慶。涙を流し謝る弁慶に、義経は「そちの苦しみはわしの苦しみじゃ。そしてみなの苦しみじゃ。礼を言うぞ」。本当に良い主従です。涙。

 次回は久々に平泉の藤原一族登場!

第46回 「しずやしず」(11月20日放送)
 静の母、磯禅師(床嶋佳子)に、義経につながる人々を守ろうとする静の思いを無駄にしないでほしいと言われ、静奪還をあきらめる義経たち。せめて鎌倉に送られる静を一目見ようと、京の町に出かけていく。
 義経たちが見物する中、静が乗せられた輿(実は頼朝勢の罠で中は空)を奪還しようと行列に斬り込んできた一人の男。それは行方不明だった佐藤忠信(海東健)だった。一人では到底かなうはずもなく、切り伏せられる忠信。朱雀の翁(梅津栄)のはからいで助けられるも、義経主従が見守る中、息を引き取る。平泉に一番行きたかったのは、そこが故郷の忠信だったろうに。
 鎌倉に送られた静は、男児を出産。しかし頼朝(中井貴一)の命を受けた政子(財前直見)によって取り上げられる。鶴岡八幡宮の祝いの席で舞を奉納するように命じられた静は、鎌倉御家人が居並ぶ前で義経恋しの心を舞う。その度胸に感嘆した政子は、褒美を取らせて京に帰すことを頼朝に進言。子供の命と引き換えに。

 次回はいよいよ歌舞伎の超名場面・安宅の関の勧進帳! 巴(小池栄子)も出ますよ!

第45回 「夢の行く先」(11月13日放送)
 まだまだ不幸が降りかかり続ける義経主従。京に向かう静(石原さとみ)、佐藤忠信(海東健)、駿河次郎(うじきつよし)は途中、頼朝(中井貴一)の命を受けた者たちに襲われる。義経、弁慶(松平健)、伊勢三郎(南原清隆)も、身を寄せた寺にさらに厳しい頼朝の締め付けが加わり、安住できない。
 一度は頼朝になびいた後白河法皇(平幹二朗)だったが、完全な武家社会を目指す頼朝の横暴に危機感を覚え、やはり使うなら義経が一番と、ひそかに寺々に義経をかくまうように通達を出す。それを知った義経は、自分の追悼の院宣の取下げを頼む手紙を出すが、わが身かわいさの法皇は、頼朝が怖くて返事を出さない。義経、またもや手紙の返事待ち。
 西国行きの船が難破したときから行方不明だった喜三太(伊藤淳史)・義久(長谷川朝晴)も戻ってきて、京に潜伏先を変えた義経。次郎も戻ってきて、平泉に夢の都を求めて行くことに決める。頼朝の手の者に捕らえられた静はあきらめようとする義経に、喜三太が「一人も欠けてはならない」と熱弁。一行は静を取り戻す決意をする。
 同じく難破したときから行方不明の源行家(大杉漣)も、頼朝の兵に捕らえられる。相変わらずの日和見な言い訳で頼朝に会わせてほしいと嘆願する行家だったが、「最期ぐらいは源氏の武士らしく」との頼朝からの伝言を最後に、斬首。

第44回 「静よさらば」(11月6日放送)
 都を戦火にさらしたくないという思いから都を出ることを決意した義経に、西国行きを命じる後白河法皇(平幹二朗)。一見思いやりにあふれる法皇の行動だが、その実は旗色の悪い義経をさっさと追い出したかっただけ。その証拠に夜半に別れを告げにきた義経に、「連れさらわれるのではないか」と恐れる。まあ平家の時も木曽義仲の時も大変でしたからね。そして腹心・平知康(草刈正雄)を鎌倉に使わす。
 頼朝追討の院宣について問われた知康は、「それは天魔のなせるわざで」と言い訳。ちなみに天魔とは『仏法を妨げ、人の知恵をにぶらす悪魔』(新選国語辞典・小学館より)のこと。その答えに「魔が差した、と?」と、頼朝(中井貴一)も呆れ顔。反対に義経追討の院宣を下すこととなる。この変わり身の早さには義経でなくても「これは何かの間違いじゃ」とも言いたくなるもの。
 ひとまず身を潜めた吉野にも追っ手の兵が迫り、体調のすぐれない静(石原さとみ)と、義経は別れる決意をする。これは最後の別れではないという義経だが、おそらくそれは儚い希望。お守りにと笛を渡し、じっと見つめた静の顔がせつないです。

第43回 「堀川夜討」(10月30日放送)
「身内などなかったのだと思えば気が休まる」などと、静(石原さとみ)にこぼす、いまだ頼朝(中井貴一)への思いを断ち切れぬ義経。だがしかし、事態は刻々と進むのでありまして。
 義経一行の住まう屋敷に夜陰にまぎれての強襲。警備を固めていた郎党たちと、義経のスーパー武術によって、賊を捕らえてみれば鎌倉にゆかりのある土佐坊昌俊(六平直政)だった。
 はっきりとは明らかにならなかったものの、頼朝が自分を殺そうとしていることが分かった義経は、とうとう徹底抗争を決意。昌俊を自らの手で斬首。でも、そのときの装束って、法皇様のところへ行くときの正装じゃないの?白地だけに返り血とか大丈夫だったんでしょうか?
 そして後白河法皇(平幹二朗)に頼朝追討の院宣をいただく。源行家(大杉漣)も一緒にですが。
 だが、義経の軍勢は思うように集まらない。行家も偉そうに報告してる場合じゃないと思うのだが。法皇も院宣を出したものの、そのことが気にかかる……。

 予告で平知盛(阿部寛)の怨霊が義経に襲い掛かる!? 知盛ファン必見!?

第42回 「鎌倉の陰謀」(10月23日放送)
 京に戻ってきた義経一行。拝謁した義経に、後白河法皇(平幹二朗)は思いやりのある言葉を掛ける。しかも疫病と地震で苦しむ都のために奔走した褒美として、頼朝から召し上げられた所領の代わりに伊予の国を与える。この法皇の態度が心からのものなら、義経も浮かばれるのだが…。
 一方で義経と頼朝(中井貴一)の不仲を嗅ぎ取った源行家(大杉漣)も、義経の元を訪れ、打倒頼朝をささやきかけるが、もちろん義経は拒否。頼朝には従わないが、反旗を翻す気もないと言う義経に、その態度がもはや謀反だと行家は言い放つ。その語気と指摘に、言葉を詰まらす義経。
 鎌倉だけでなく都でも、暗闇でなにやらたくらむ一団が!? 珍しいサスペンス調の引きで、次回に続く。
 予告で兄を呼び捨てにしていた義経。兄弟戦争いよいよ勃発か!?

第41回 「兄弟絶縁」(10月16日放送)
 今回の主役は平宗盛(鶴見辰吾)。京都に着くまでに殺されると思っていた宗盛は心中落ち着かず。京まであと一日の所までやって来て、生きて京に帰れるとは、とやっと落ち着く。そして今までの人生の心のうちを吐露する。
 その内容は、これまでの期待を裏切らない、非凡な才能を持つ兄弟たち、義経に向けた羨望とねたみにまみれた、なんとも人間味あふれたもの。そして、平家の中でももっとも悲劇的な維盛(賀集利樹)の薄幸が、彼をねたんだ宗盛の仕打ちだったことが判明。
 そんな中、鎌倉よりの使者が来て、ここで首をはねられることに。さすがの宗盛も最後の最期は潔くお亡くなりに。こんな時代に生まれなかったら、きっと平平凡凡とした人生を送ることができただろうと思う人ナンバー1でした。
 平重衡(細川茂樹)も、妻に会うことを許され、壮絶な最期を遂げる。

 兄とは決別し、自分の道を歩くことを決意した義経。はたして彼らは安住の地を見つけることができるのか。京では義経大好きな法皇様もてぐすね引いて待ってるぞ。

第40回 「血の涙」(10月9日放送)
 相変わらず頼朝(中井貴一)からの沙汰を、鎌倉の手前、腰越で待ち続ける義経一行。鎌倉の様子を探りに行こうとする弁慶(松平健)を止め、「待とう」と微笑む義経。郎党たちの戯言にも笑顔を見せるが、その笑みが余計に痛々しい。
 一方の鎌倉では、義経のことについて懸念する者たちに対して、頼朝が「この際、兄弟のことは関わりなきよう」と宣言する。
 しかし大江広元(松尾貴史)から、義経の手紙を受け取ってしまった頼朝。悩んだ末に読み始める。武家による政治体制を作るため、理を取るために情を捨てた頼朝。兄弟の情に訴えかける内容に、「九郎、なぜ分からぬ。なぜこのわしに情を求める」と涙を流す。しかしそのことを頼朝本人からも、また他の者からも、伝えられていない義経には分かるはずもなかった。
 数日後、頼朝よりの使者、北条時政(小林稔侍)から腰越を立つように命じられる義経。頼朝から心のかよった返事はなかった。
 ここまでくると、私には鎌倉全体からの義経への悪意さえ感じられる。だれかたった一言、頼朝が義経を許せぬ理由と、頼朝の心情を伝えてくれれば、義経の心は救われるのに。
「もはや立ち去るのみ」。義経は悲痛な決意をし、京へと旅立つ。

 次回、平家最後の当主・平宗盛と、勇猛な武将・知盛の兄弟の最期。

第39回 「涙の腰越状」(10月2日放送)
 義経に対して、何の便りもよこさない頼朝(中井貴一)。弁慶(松平健)を初めとする郎党たちは、義経を思うがゆえに、じりじりとした日々を過ごしている。特に弁慶の苛立ちは強く、とうとう義経に「兄と慕う気持ちが強すぎて、目が曇っておられる。時には情を捨てて、現実をごらんください」と進言してしまう。売り言葉に買い言葉で弁慶に暇を言い渡した義経。二人の仲たがいに気をもむ、他の郎党たちと千鳥(中嶋知子)の親子。結果、千鳥の機転で二人の仲は元通りになるのだが……、話が進むにつれて、殺伐な展開が主となる大河ドラマが多い中で、ここに来ても心温まるエピソードを入れる『義経』は、珍しいドラマだと思います。私は好きですね。
 頼朝への思いをめぐらしながら、文(腰越状)を書く義経。その間に約十分の回想シーン。牛若も遮那王のころも、何度見てもかわいいんだけど、最近、回想多すぎですよね。

 腰越状を鎌倉の大江広元(松尾貴史)に託した義経。頼朝はどう出るのか。残りあと10回!

第38回 「遠き鎌倉」(9月25日放送)
 前回に引き続いて、兄・頼朝(中井貴一)の考えが分からない義経。「もどかしいのだ。文だけでは思いのたけを言い尽くせられぬ」とこれまた引き続いて、苦難の表情。
 兄に直接会って話したい一心で、平宗盛(鶴見辰吾)親子を鎌倉に護送する任務を勝手出た義経。後白河法皇(平幹二朗)は、頼朝が義経を試そうとしているのを感づいている上で、頼朝がどう出るか見るために義経を送り出す。法皇までもに見捨てられた義経。この先、味方は現われるのか。
 一方、護送中の宗盛は、偶然、南都(奈良)に護送中だった弟・平重衡(細川茂樹)とすれ違い、話をする機会を得られる。「すべては私のせいよな」と謝る宗盛に対し、重衡は「いえ、時の趨勢でございます」といたわり、同席していた義経に「くれぐれも頼む」と、頭を下げる。清盛(渡哲也)の末っ子でありながら、人間のできた重衡。これまた惜しい人物が消えていったものです。(公式サイトに細川茂樹へのインタビュー出てます)

 次回、鎌倉の一歩手前、腰越で足止めを言い渡された義経の想い、兄に届くことはないのか?

第37回 「平家最後の秘密」(9月18日放送)
「言わなくても分かるだろう」と皆まで言わない頼朝。ひたすら兄のためにと働き、言葉がないことを反対の意味に取る義経。直接に言葉を交わさない二人の想いは憶測と誤解を生んで、わずかなほころびが決定的な亀裂へと発展していく。
 言葉を交わすって、想いを伝えるのにとても大切なことです。
 鞍馬山の仏の前で物思いに沈む義経。その憂いを含んだ表情が、これからも増えていくのでしょう。
 熊こと、鷲尾三郎は義経から新しい名前をもらい鷲尾三郎義久と名乗ることに。

 次回は「遠き鎌倉」。鎌倉へ凱旋する義経一行は、鎌倉に入れてもらえない…?

第36回 「源平無常」(9月11日放送)
 今回は年に一度の中間のまとめの回想編でした。45分の内、30分ぐらい過去の映像。牛若のころの義経、何度見てもかわいかった〜。
 前回、海に飛び込んだ方々も、けっこうな人数(特に女性たち)助けられており、それぞれの方と対面する義経。しかし三種の神器の一つ、草薙の剣だけ、どうしても見つからず。また帝の行方も分からないままだったが、話の中から義経は違和感に気づく…。
 次回、その秘密が明らかに…?

第35回 「決戦・ 壇ノ浦」(9月4日放送)
 海上戦となったこの戦。弓の射掛け合いから、船が接近してからは肉弾戦へと。潮の流れに乗って始めこそ平家方が優位に立ったが、潮の流れが止まり、反対向きに変わった後は源氏方の有利に。熊野水軍が源氏に味方したこともあり、平家は負けを覚悟する。
 平家の大将・平知盛(阿部寛)の活躍が見事でした。義経に対した時の哄笑、ほんとに武人らしく、かっこよかったです。そして義経との一騎打ち。砂金が舞い散るという演出も美しく、その中で繰り広げられる、知盛の力と技の冴えた殺陣、それに対抗する義経の天狗のような身の軽さ、ほんとにすばらしかったです。
 平清盛の妻・時子(松坂慶子)を筆頭に、平家の女人たちの覚悟を決めたところから入水までのシーンも、もののあわれを感じさせる作りでした。知盛最期のセリフ「見るべきほどのものはすべて見た。今はこれまで」、も本当によかったです。
 あれだけ気合を入れて予告しただけあって、大河ドラマ史上に残る名戦シーンとなったのではないでしょうか。

第34回 「妹への密書」(8月28日放送)
 静(石原さとみ)のところへやってきた、うつぼ(上戸彩)。二人で話し始めたところに、義経の正妻・萌(尾野真知子)登場! 同じ屋根の下で遠慮しながら暮らしていた静は、萌の「話をしたい」という申し出を受け入れるが、うつぼの心中はもっと複雑。身分違いで諦めていたとは言え、一番はじめに義経に思いを寄せたのはうつぼなのだから。
 戦を見に行くというお徳(白石加代子)の誘いも断って、一人傷心のうつぼ。
 そのうつぼに思いを寄せる人がいると、義経軍に会いに来たお徳から聞いて、慌てる喜三太(伊藤淳史)。それを微笑ましく思い笑みを浮かべる義経。何も知らないとは言え、もてる男は余裕です。
 
 知恵も度胸も文句なしの平家の武神・知盛(阿部寛)と、奇跡の神童・義経。お互い、死力を尽くして準備万端調えて、次回はいよいよ壇ノ浦にて、全面対決!(と、制作サイドの力み具合に乗っかって、書いてみたり)

第33回 「弁慶走る」(8月21日放送)
 単身、熊野に向かう弁慶(松平健)に向けた義経の言葉「私はもう郎党を失いたくないぞ」、がすごく泣けました。
 湛増(原田芳雄)の屋敷で思いがけず妻・千鳥(中島知子)と再開した弁慶。この夫婦はラブラブじゃないのに、長年連れ添った夫婦みたいな雰囲気(というより男同士の幼馴染みたい?)でいいですね〜。
 唐突に弁慶のそっくりさん登場。でも弁慶が少しびっくりしただけで、何事もなかったかのように。スタッフの思いつきの遊び?
 義経くんの奇跡、四回目。どうやら鳥の言葉が分かるようですね、彼は。

 次回は種違いの妹・能子に注目。
 せっかく平家で一番強そうな知盛(阿部寛)が大将命じられたのに、活躍はまだ先のよう…

第32回 「屋島の合戦」(8月14日放送)
 那須与一(今井翼)登場! 練習したという乗馬も弓も見事に決まってました。セリフも思ってたよりもかったし。ファンのみなさまも、満足されたんじゃないでしょうか?
 妹・能子(後藤真希)と海を隔てて、見詰め合った義経。能子が「兄上」と心の中での呼びかけに、あの義経の奇跡っぽい力で気づくかと思ったんですが、ちょっと無理だったみたい。残念。
 悲劇の後半。志度に乗り込んだ義経、平資盛(小泉孝太郎)軍に矢を射掛けられ、絶対絶命のピンチ。そこにドラマのようなタイミング(ドラマなんですが)で田口教能(新井康弘)の説得に成功した伊勢三郎(南原清隆)が大軍を引き連れて到着! 体制は逆転! …でもあともう少し早く来てくれたら、継信兄さん(宮内敦士)は死ななかったんですよね…。

 次回は、最近活躍のなかった弁慶が走る!

第31回 「飛べ屋島へ」(8月7日放送)
 義経、戦目付け・梶原景時(中尾彬)と屋島攻めの方法について真っ向対立。守るべきもののある年配者と、すべてを投げ打つ覚悟の若者。現代にも通じる話で、考えさせられました。たぶん、景時は心中、「これだから今時の若いもんは」とか思っているに違いない(笑)。しかしどちらが将として魅力的に映るかというと、義経なわけで。景時の息子・景季(小栗旬)なんて目をキラキラさせて彼のことを語った挙句、死ぬかもしれない強行軍に自ら従うことを宣言。義経のカリスマはすごいです。
 そして、追い風にあおられ、飛ぶが如く嵐の海に乗り出した義経軍。実在の武将というよりは、伝説の勇者な演出が続きます。

第30回 「忍び寄る魔の手」(7月31日放送)
 朱雀の翁(梅津栄)の力を借りて、夜盗たちの頭領と面会する義経。OPのテロップから「!?」と気になってたんですが、やっぱり五足(北村有起哉)たちとつるんでいたころの面々。懐かしくて嬉しかったです。
 心有る人々から忠告を受けて、用心していた義経。しかし後白河法皇(平幹二朗)の体当たりの演技にとうとう陥落。こっそりほくそえむ法皇に、隣の部屋で聞き耳(笑)の丹後局(夏木マリ)もにんまり。手足れのコンビに純真義経、敢無く完敗です。
 コンビといえば頼朝(中井貴一)・政子(財前直美)の鎌倉コンビ。かわいそうな大姫のことで夫婦喧嘩、政子は政(まつりごと)に口出しを禁じられ、怒るかと思いきや…、一枚も二枚も上手でした。さすがは北条政子です。
 気苦労多く、やつれ気味の義経ですが、次回は屋島の戦い。義経、奇跡の戦歴第二章です。周りの画策に負けずに頑張れ!

第29回 「母の遺言」(7月24日)
 法皇様(平幹二朗)から判官の任命を受けた義経。判官贔屓の語源ですよ! この時の法皇組(笑)の三人の言葉巧みなこと。純真一直線の義経んでは太刀打ちできませんよね。
 母・常盤(稲盛いずみ)の言葉の説得力のあること。ほんとに運命の荒波を自力で乗り越えて、酸いも甘いも噛み締めてきた、とんでもない人生を歩んできた人ですからね。
 維盛くん、入水! かわいそうな一生でした。この先もどんどん人が死んでいくかと思うと…。
 しかし先の展開分かっていて、これだけ興味深く見れるというのは、大河ドラマって、すごい魅力を持っているということですよね。この『義経』はキャスティングも今までにないほど合っていると思います。今年の大河は当たりですよ!

 次回予告で、義経に法皇様(平幹二朗)の魔の手が(いろんな意味で・笑)忍び寄る! 

第28回 「頼朝非情なり」(7月17日)
 頼朝(中井貴一)に対面する重衡(細川茂樹)、かっこよかったですねえ。知盛(阿部寛)といい、やはり武門の者はこうでないと。
 幼少時、一番仲良しで牛若丸君に優しかったのは、この重衡くんだったんですね。ほんと、運命って皮肉です。
  必至に頼朝(中井貴一)への目通りを請う義経と、弁慶(松平健)の報告の場面、二回ほど目頭が熱くなりました。
「これが兄・頼朝との最後の対面となる…」のナレーションに、この先の展開が悲劇に傾くことを予感。辛い話が続きそうです。とりあえず、次回のタイトル、母・常盤(稲森いずみ)の死を暗示させてるし。

第27回 「一の谷の奇跡」(7月10日)
 義経がヒーローたる所以の鵯越えの坂落とし、いよいよ登場です!
 先が分かっていても決意をする瞬間には、やっぱりわくわくします。
 大河ドラマにしては珍しく、殺陣シーンがたくさんあったのですが、さすがはジャニーズ、動きも軽やか! 弁慶(松平健)も本業(笑)ですからお手の物ですw。他の郎党のがほとんど出てこなかったのは、やっぱり見劣するから?
 重衡(細川茂樹)、とうとう出会いましたね。というのも、彼と義経は幼少の時、父・清盛(渡哲也)の家の庭で兄弟のように遊んだ幼馴染なのです。敵味方に分かれてしまった今、この瞬間を恐れながらも待っていた私。幼少の場面ではもう一人、おそらく知盛(阿部寛)も一緒だった(手元に資料なくて確認できず。すいません)。きっと近いうちに彼とも再会するはず…。 

第26回 「修羅の道へ」(7月3日)
 巴いっきり出てたから驚き(小池栄子)が出てきたのが、何気にうれしかったこの回。先週の予告で思はしませんでしたが。義高くんには強く生きてほしいです。

 静(石原さとみ)とうつぼ(上戸彩)、初対面!
 逃げるように帰るうつぼを、喜三太(伊藤淳史)が追いかけてくれてよかったです。
 恋争いでは静圧勝ですが、実は今回のオープニングのテロップ順では、義経、弁慶(松平健)の次にうつぼでした。静は義経郎党一同の後。うつぼの方がストーリー上では重要?
 ひそかに「喜三太、うつぼLOVE」説があるのですが、実際、どうなんでしょ?私は友情だと思っているのですが。

第25回「義仲最期」 6月26日放送分
 タイトルどおり木曽義仲(小澤征悦)様がお亡くなりになりました。
 その場面での演出(モノクロ)にちょっとびっくり。それだけ作品中の重要人物だったということでしょう。巴(小池栄子)の意外とあっさりとした最後の一戦は残念でしたが、今井四郎兼平(古本新之輔)の最期はかっこよかったです。
 一方の後白河法皇様(平幹二朗)とご対面の義経以下郎党。それぞれの名乗りが個性的でよかったです。この後白河法皇、子供みたいに無邪気なところがあって、やってることはけっこう腹黒いんですが、妙に憎めないんですね。

第24回 「動乱の都」 6月19日放送分
 先週から続いてた木曽義仲(小澤征悦)との対談。どこまでも一直線な義仲と、その後の巴(小池栄子)の忠義っぷりが堪りません!
 実は私、高校生の時、古典の授業で習った『平家物語』の一節、『木曾の最期』以来、義仲びいきなんです。義仲というより、巴御前と今井四郎兼平びいきかな。特にこの『義経』の義仲。猪武者的な馬鹿っぷりが、かわいくって堪りません!最近、タッキー義経よりも、こっちに集中してるかもです。
 予告タイトル、『義仲最期』というところを見ると次回でお亡くなりになるもよう。ということはいよいよ巴と兼平の大活躍が見れる!最後になるのは悲しいけど、楽しみです!

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