功名が辻
 
仲間由紀恵 主演   06年1月8日〜10日   NHK 日曜夜8時から

各回のコメント・前半

第24回「蝶の夢」(6月18日)
 備中から大返しをした秀吉(柄本明)軍は、山崎で光秀(坂東三津五郎)軍と対峙、打ち破る。敗退する光秀を追いかけた一豊(上川隆也)は、森の中で百姓の竹槍で腹を貫かれた光秀を見つける。駆け寄り、どうして謀反を起こしたのかと聞く一豊に、光秀は「そなたは生き延びよ。生きてこの乱世の末を見届けられよ」と言い残し、息を引き取る。絶好の手柄だと首を取ろうとする部下たちに、一豊は手を触れるなときつく言いつけ、そのまま去る。
 伊吹山の寺に隠れている寧々(浅野ゆう子)たちと千代の元に、兵士たちが。敵兵かと身構える彼女たちだが、それは戦が終わり迎えに来た一豊だった。
 一豊は備中と山崎での功績で、三千石に加増。長浜城の城番も命じられ、城持ちの夢が叶ったと千代と大喜びする。
 信長亡き後の跡目を決める評定が、清洲で開かれることになった。その前に寧々に呼び出された千代。よねを連れて、その日清洲に行ってほしいと頼まれる。そして信長の亡くなった嫡男・信忠の子である
三法師を手なずけてほしいと。
 そして評定が開かれる。自分が養育係でもあった信長の三男・信孝を柴田勝家(勝野洋)は推すが、秀吉は筋を立てるなら三法師だと意見を述べる。皆の決を取ろうというところで、秀吉は腹痛を装い退席。その間、丹羽長秀(名高達男)が、光秀を討った秀吉の意見を立てるべきだと、皆に話す。
 一方、別室で千代は、寧々たちが見守る中、三歳の三法師をたぬきの真似で笑わせる。そこに現れた秀吉に、馬になって三法師をあやすように仕向ける。
 三法師を跡目にすることでまとまった評定の席に戻る秀吉。そこに三法師が追いかけてきて、抱き上げた秀吉に、皆が平伏することに。
 数日後、長浜城へ引越支度で大わらわの山内家に、秀吉が現れる。「許せ、一豊!」といきなり謝る秀吉。勝家に長浜をよこせと言われ、跡目相続のことで気を悪くさせたこともあり、断れなかったと言う。「そういうことだから…、そういうことです」と逃げるように帰る秀吉。

第23回「本能寺」(6月11日)
 光秀(坂東三津五郎)は自軍を前に「敵は西国にあせず。敵は天魔・信長である」と信長を討つ覚悟を説く。これは天に代わって戦う戦だと。
 小軍で本能寺にいた信長(舘ひろし)は光秀謀反を聞き、死を覚悟して笑い、「よかろう、しばし相手をしてつかわそう」と、鉄砲、サーベルで応戦。だが、光秀軍の凶弾の中に傷つき倒れ、自害する。
 一方、六平太(香川照之)の知らせでいち早く謀反を知った千代は、家の者を逃がし、自分は長浜の寧々(浅野ゆう子)の元へ知らせに走る。千代の機転と寧々の采配で、岐阜と清洲に知らせを送り、長浜の者たちをそちらに逃がし、寧々たち秀吉ゆかりの者たちは伊吹山中の寺に身を隠す。一晩中、城下の人たちを逃がすのに奔走した千代は、伊吹山に着くなり倒れこむ。そして、おかげで長浜は戦火から逃れられたと誉める寧々に、「おなかがすきました」。千代は握り飯をもらい、食べたとたん眠ってしまう。
 六平太は光秀が信長を討ったことを見届けると、毛利へ使者を出す。
 備中ではまだ天下の大事を知らない一豊(上川隆也)と吉兵衛(武田鉄矢)が月を眺め、千代への思いを馳せていた。そこで傷ついた兵を見つけた一豊。「毛利の陣か」と聞かれ、とっさにうなづく。兵は使者で、毛利軍へ渡して欲しいと託された文を見て、愕然とする一豊。
 一豊から文を見せられた秀吉(柄本明)はすぐに街道を封鎖して、和睦を結び、撤退する。その行軍中、だれもが手柄を立てる好機だとはやる中で一豊は一人、光秀のことを思い沈んでいた。そんな一豊を、吉兵衛は「手柄を立てよ、千代様もそれを望んでいる」と叱咤する。

第22回「光秀転落」(6月4日)
 高松城を攻める秀吉軍の一豊(上川隆也)たちに、毎日文を書いて送る筆まめな千代。遊びに来たいと(三原じゅん子)ととし(乙葉)に文を書く心得を話す。日々の事柄を記した千代の暖かい文は戦場でも感謝されていた。
 信長(舘ひろし)は光秀(坂東三津五郎)を呼び出し、「もはやこの国に朝廷もいらぬ。わしがこの国の王じゃ」と言い放ち、諌めようとした光秀の言葉をさえぎり、信長は安土に招く家康(西田敏行)の饗応役を命じる。
 そのころ千代の元に、光秀の妻・槇(烏丸せつこ)が来ていた。光秀は濃姫に会った日から不眠が続いており、それを心配した槙は良い薬草がないかと千代に相談に来たのだった。
 高松城を水攻めにしている秀吉(柄本明)は、信長へ援軍を請う文を一豊に届けさせる。信長が家康の接待の最中に到着した一豊は、饗応の膳に同席するこに。そしてその膳にあった魚が腐っていると、信長が光秀を怒り、秀吉の援軍に行き切り取った出雲と石見を領地とする代わりに、今の丹後と近江を召し上げられる場を見る。
 秀吉軍に帰る前に千代の元へ寄った一豊。「光秀様のことが分からぬ。わしならば、その場で不服を申し立て、腹を切る」とこぼす。千代は一豊を慰め、一豊は落ち着きを取り戻し戦場へ戻っていく。
 秀吉への援軍に向かった光秀。途中、戦勝祈願に登った愛宕山で、六平太(香川照之)と出会う。六平太は信長の本能寺での陣営を詳しく教え、「迷われますな」と決心をうながす。
 そして六平太は千代の元にも訪れ、「天下の変事が起きる。逃げろ」と告げる。

 次回、いよいよ『本能寺』!

第21回「開運の馬」(5月28日)
 安土城下に屋敷を賜った一豊(上川隆也)。千代と二人、夫婦水入らずで城下を散策し、千代は幸せな時間を過ごす。と、そこに、「馬市が立つぞ!」と走っていく堀尾(生瀬勝久)と中村(田村淳)が。そろそろ新しい馬が欲しいと思っていた一豊は、千代を残し走っていってしまう。
 馬市で一豊は、他の追随を許さないすばらしい馬を見て、一目ぼれ。黄金十両ならば売ると言われるが、多い家来を養っていくだけで精一杯の一豊には、手も足も出ない。
 竜のごときと評される馬に一目ぼれした一豊の噂は、一豊が語らなくても千代の耳にも入ってきた。その値を聞いて、千代は長浜の家に急ぎ向かう。千代が嫁入りの時に養父母からもらったのがちょうど十両。「けっして貧しくても暮らし向きのことに使ってはなりません。一豊殿の大事のときに使うのです」と言い含められて渡されたその金を取り出し、今がその時と震える手で持って帰る。
 帰り道、千代は足をくじいて途方に暮れる身なりのいい女性と出会う。彼女は信長(舘ひろし)の正妻・濃(和久井映見)だった。信長は自らを神、仏と称し、それをいさめる濃の言葉を受け入れない。思い余った濃は光秀(坂東三津五郎)を手紙で呼び出し、苦しい胸の内を伝えるが、光秀がその思いに応えられるはずがなかった。居場所がない感じる濃は、城を出てきたのだった。名前さえ名乗らない濃を、千代は家で手当てをする。
 帰ってきた一豊に、千代はさっそく黄金十両を渡す。あまりの驚きに怒り出す一豊。千代の話を聞いても、「黙っていたことが許せない。小賢しい女だ」と。「共にこの乱世を戦っていきたいのです」と泣きながら訴える千代の言葉で我に返った一豊は、さっそく馬を買いに行く。その場面を見ていた濃は、信長に嫁いだ頃の気持ちを思い出し、城に戻る。
 一豊に信長から「馬が見たい」との呼び出しが。一豊の妻のおかげで手に入れた馬の話は、信長の耳にも届いており、千代ともども誉められる。千代は十両で馬ではなく一豊の名誉を買ったのだと。城で助けた女性が濃だったことを知った千代。濃からお礼にと、砂金を与えられる。

第20回「迷うが人」(5月21日)
 黒田官兵衛(斎藤洋介)からの連絡が途絶えたことで、信長(舘ひろし)は裏切ったと見て、秀吉(柄本明)に人質として預かっていた官兵衛の子・松寿丸(高木優希)を殺せと命じる。それまで官兵衛を信じる態度を貫いていた秀吉だったが、一豊(上川隆也)に「松寿丸を消せ」と命じる。
 松寿丸は、千代が預かっていた。殺すために帰ってきた一豊に、千代は「病で亡くなった」と遺髪を渡す。千代は言わなかったが、実は
官兵衛が生きていることをつかんできた六平太(香川照之)が先に来て、松寿丸を隠すように入れ知恵をしたのだった。
 秀吉は一豊に子供の命を奪ったことを泣き叫んで悲しむ演技をしろと命令。初めは断るも、従う一豊。その後、荒木村重が一人逃亡したことにより、牢に閉じ込められて衰弱していた官兵衛が助け出される。
 信長は官兵衛をねぎらい、一豊は死罪覚悟で松寿丸をかくまっていたことを告げる。信長は怒らず、「早う会わせてやれ」と。
 秀吉軍が兵糧攻めをしていた三木城がついに落ちた。一豊は城主・別所長治と主だった家臣の切腹と引き換えに、城内の者を助ける約束をし、開城させる。城から出てきた者の中に、小りん(長澤まさみ)がいた。小りんは、一豊を手助けしようと三木城に潜入するも、秀吉軍の囲みが厳しく抜け出せず、栄養失調で失明していた。看病をしようとする一豊に「卑怯者!食べ物を取り上げて飢えるのを待つなんて、お天道様の元で生きる者がすることか」と吐き捨て、去っていく。
 一豊は開城の褒美を、堀尾(生瀬勝久)と中村(田村淳)のおかげだと辞退し、三人仲良く千三百石に加増される。

第19回「天魔信長」(5月14日)
 秀吉(柄本明)の中国攻めで、遠征中の一豊(上川隆也)。千代からの手紙を見て、「長浜に帰りたいのう」とつぶやき、吉兵衛(武田鉄矢)に家来たちの士気が下がると叱責される。一豊は人を殺して功名を得ることに、悩んでいた。
 そこに毛利の間者となった六平太(香川照之)が現れ、一豊に信長の自滅を説き、毛利に付けと言葉巧みに誘う。だが一豊は、侍は主家と他家とを比べることはしない、千代もそう言ったと聞き入れない。
 安土では信長(舘ひろし)が、自らが神であるような言動を放っていた。
 一豊を六平太が再度襲う。そして摂津の荒木村重(ベンガル)が裏切ったから、早く千代のところへ帰り、逃げて生き延びろと忠告する。そこへ秀吉からの呼び出し。西と東からの挟み撃ちの窮地に立たされた秀吉は、一豊を連れて村重の説得に向かう。
 だが村重は、信長はいずれ自分を殺すつもり、同じ殺されるなら戦う方を選ぶと、聞き入れない。続いて秀吉の軍師・黒田官兵衛(斎藤洋介)が説得に向かうも、連絡が途絶える。
 秀吉の陣の中で、竹中半兵衛(筒井道隆)は病で寝込んでいた。新一郎(浜田学)からそのことを聞いた千代は、励ます手紙を書く。だが半兵衛は、官兵衛を見殺しにしないことを秀吉に言い残し、千代の手紙に微笑を浮かべ、「私が生涯愛した女子は千代殿でござった」と息を引き取る。

第18回「秀吉謀反」 (5月7日)
 北国から勝手に兵を引き上げたことで、信長(舘ひろし)に激怒され、閉門蟄居になった秀吉(柄本明)。だが当の秀吉は、家臣とその妻すべてを呼んで、盛大な猿楽舞を開く。
 心配する一豊(上川隆也)たち家臣団。だが秀吉は、自分の今までの行動はすべて信長のため、今回の閉門は殿からの労いだと、盛り上げようとする。体調不良で退席する竹中半兵衛(筒井道隆)に千代は、呼ばれた猿楽師たちが信長の側近く仕える者で、秀吉の気持ちは信長に届くだろうと説明を受ける。そうと知った千代は、秀吉からの盃を受け、自ら踊り、場を盛り上げる。
 その夜、一豊は千代に「男に生まれていたら半兵衛を超えたかもしれぬ」と言い、千代は「女子でなければ旦那様の妻にはなれませぬ」と語り合う。そこに犬の鳴き声が。犬の正体は
六平太(香川照之)で、松永弾正(品川徹)が信長相手に挙兵したことを教え、急いで秀吉と安土へ行けと告げる。
 安土で知らせを受け取った信長は「秀吉を呼べ」と命じたところに、秀吉登場。信長の勘気も解け、秀吉は戦に出る。
 秀吉は一豊に、弾正の説得を命じ、一時兵を引いてくれたら腹を切るいう約束を取り付けてくるが、秀吉は「順序が逆だ」と立腹。弾正を激しく攻め、一豊は幼子の命を自ら奪うことになる。
 秀吉は信長から中国攻めを一任される。一方で、落ち込む一豊に、千代は「殿の信じる道を」と慰める。

 次回、半兵衛死す!?

第17回「新しきいのち」 (4月30日)
 身重の千代。法秀尼(佐久間良子)ときぬ(多岐川裕美)がやってきて、初孫誕生に世話を焼いていく。一豊(上川隆也)は男子を望み、秀吉から一字もらい「秀豊丸」と名づけると。ならばと千代は、女子ならば「よね」と名づけると言う。平凡な名だと感想をもらす一豊に、「この戦国の世で平凡に生きられる以上の幸せはない」と諭す。そんな一豊は信長(舘ひろし)の安土城築城に駆り出され、それから一年は戻ってこられなかった。
 秀吉
(柄本明)と竹中半兵衛(筒井道隆)を見舞った一豊。半兵衛は激しく咳き込み、そう長くは持たないと告げ、上杉氏の台頭を懸念する。
 一方、
六平太(香川照之)は上杉と毛利の調査から戻り、千代に秀吉、柴田勝家、明智光秀の勢力争いを予言する。そして千代の子が女であると良いな、と。男なら戦に行かなくてはいけない、その時に千代が悲しむ顔を見たくないからと。その時、千代が産気づく。
 生まれた子は娘だった。知らせに走った六平太から聞いた一豊は、一瞬残念な顔をするが、すぐに「よねと名づけよ」と喜ぶ。
 安土城ができ、長浜に戻り、よねに会え喜んだ一豊だが、また出陣となる。北国の上杉と戦う勝家(勝野洋)が信長に援軍を乞い、秀吉軍が行くことになったのだ。しかし勝家は秀吉軍を迎え入れようとせず、暴挙に怒った秀吉は軍を引き上げる。

第16回「長篠の悲劇」 4月23日)
 武田の軍に囲まれた徳川軍への援軍を出すことになった織田軍。武田の誇る騎馬隊を防ぐため、素早い馬防柵作りを秀吉(柄本明)に命じる。秀吉は作事の得意な妹婿・源助(小林正寛)を呼び寄せるため、一豊(上川隆也)を使者に出す。
 戦場に行かない約束で長浜に来たのに、と猛反対する旭(松本明子)。一豊は、戦に出るわけではない、自分が命に代えて源助を守ると約束する。旭とともに反対した千代は、
寧々(浅野ゆう子)に呼び出され、上司である秀吉を悪く言うことは許さない、誰の気持ちを慮るべきか考えなさいと叱られる。
 源助の見事な指図で、柵は期日どおり仕上がった。戦の始まる半日前に、源助は一豊の郎党に連れられて、戦場となる長篠を去る。梅雨明けを待って鉄砲を使った信長(舘ひろし)によって、戦は勝利に終わる。
 長浜に一足先に戻ってきた六平太(香川照之)から、千代は源助が死んだことを聞かされる。源助は、自分の作った柵がどう使われたかを知りたくて、戦場に戻り、流れ矢に当たって死んだのだった。自分を責める千代。だが千代のそれまでの様子から、六平太は子ができたことを気づき、強く生きよと励ます。六平太に諭され、千代は落ち着きを取り戻す。
 旭に切腹をして詫びるという一豊を、子ができたと言って止める千代。だが、一豊の決心は変わらない。二人して旭の前でのどを突こうとするが、旭と秀吉に止められる。
 気落ちする旭のことを心配した秀吉は、新しい婿探しを始め、旭は千代を呼び、笑わしてほしいと頼む。
 そんな折、千代の叔父の不破市之丞(津川雅彦)の危篤の知らせが入る。駆けつけた千代と一豊に、市之丞は「主君を選ぶは武将の知恵。二人仲良く長生きせよ」と伝え、息を引き取る。

第15回「妻対女」 (4月16日)
 新右衛門(前田吟)が嫡男の新一郎(浜田学)に家督を譲り、隠居したいと申し出る。千代は相談役として、新右衛門が山内家に残れるように進言。吉兵衛(武田鉄矢)は相方をなくしたようでその寂しさを文句として新右衛門にぶつけ、一豊(上川隆也)への親にも似た熱き思いを切々と語る。
 一豊の家へ、浅井の浪人で
鉄砲の名手を名乗る望月六平太(香川照之)が現れる。六平太は自分を売り込み、幼馴染で恩人でもある千代の口添えもあって、六平太は表向き、山内家の食客に収まる。
 甲賀の忍びである六平太が山内家に来るなど、何を考えているのかと問う千代に、六平太は信長の破滅を予言し、「おまえを守ってやる。俺は天下統一の夢とおまえのために生きているのだ」と、二人で分けた千代の父の形見の鉄砲の弾を手に、真剣に答える。
 千代は嫁いでから八年も過ぎたのに子ができないことを気にしていた。心の臓の悪い叔父の不破市之丞(津川雅彦)の見舞いの席でも、武家に嫁いだ女子の定めとして側女を取るように諭される。一豊は「千代の子以外はいらない」ときっぱり。
 六平太の妻・さととして、小りん(長澤まさみ)が山内家に現れる。六平太は小りんに、千代に正体を明かさないことを約束させ、一豊も新右衛門と吉兵衛に相談して「うそは苦手」と言いながらも、黙っていることにする。一豊に惚れている小りんは、子のない千代を牽制し、一豊が厠に立った隙に迫るが、一豊は落ちず。「殿の子を産む」という小りんに、一豊は「わしにとって女子は千代だけじゃ」と言い切る。

第14回「一番出世」(4月9日)
 秀吉(柄本明)は今浜を長浜と改め、新しい街作りにいそしんでいた。一豊(上川隆也)もその城下に屋敷をもらい、千代と家臣たちは四百石の侍らしい生活を始める。千代は堀尾(生瀬勝久)と中村(田村淳)の妻、いと(三原じゅん子)と、とし(乙葉)を呼び、新しい立派な湯殿にて湯浴みを振舞う。初めは嫌味を言っていた二人だが、感謝して帰っていく。
 一方、一豊は、禄高に差がついてしまった堀尾と中村から敬語を使われ、特に中村からは嫌味を言われ、参ってしまう。
 
城の寧々(浅野ゆう子)から千代に輿でお迎えが。何の話かと思いきや、秀吉に何人も何人も側女がいるという愚痴をヒステリックに聞かせられる。その帰り道、千代は畑仕事をする老婆に出会い、手伝う。その老婆は実は秀吉の母・なか(菅井きん)だった。なかは、寧々も千代のように優しければ、とこぼす。千代は寧々が怖いのは、秀吉が側女ばかり作るからだと説明。なかが秀吉に怒り、寧々の気も晴れた。
 その一件の裏に千代の働きがあったと知った秀吉。今度は一豊に、妹の旭(松本明子)を説得して連れてきて欲しいと命令する。
 説得役に千代を連れて、一豊は秀吉の故郷・中村に行く。危ないことはしたくない、百姓がいいという旭と、百姓は嫌だけど虫も殺せない気の優しい夫の源助(小林正寛)。千代は二人の話に共感してしまう。源助は侍はどうしても無理だが、作事仕事はしたいと言う。ならばと、一豊は絶対に戦には出なくてもいいように取り計らうと約束し、二人の説得に成功する。
 源助のおかげで秀吉の街作りは進み、また千代の機転で堀尾夫婦が湯殿を借りに来る。

 次回、六平太(香川照之)と小りん(長澤まさみ)が山内家に乗り込んでくる!?

第13回「小谷落城」 (4月2日)
 信長(舘ひろし)は、浅井長政(榎木孝明)の小谷城を攻めようとしていた。千代は、市(大地真央)が心配で仕方なく、寧々(浅野ゆう子)に「(千代のお市様贔屓は)うちの人といい勝負です」と嫌味を言われてしまう。
 市に城から出るようにと、説得に行った秀吉(柄本明)に供をした一豊(上川隆也)。「千代が待っています」と伝え、秀吉が長政の嫡男・万福丸の命を助けると約束したことで、市は城を出る。
 しかし信長は万福丸を殺せと秀吉に命じ、秀吉は一豊に命じる。いたいけな子供を殺すことはできないと言う一豊に、秀吉は「功名のために敵の兵は殺してきたでないか」と言いくるめる。一豊は万福丸を磔にし、処刑の号令を下す。
 久々に家に戻ってきた一豊。そこに信長が現れ、千代に市の打ち掛けを持って一緒に来るように命じる。慌てる二人。一豊に「早くしろ、お館様は短気な方だから、待たせると殺されるかもしれん」と急かされながらも、千代は打ち掛けを用意しながら、「せっかく殿が帰ってきたのに、城仕えなんてつまりませぬ」と愚痴る。
 戻ってきた千代に、顔色が悪いと心配された一豊は、万福丸のことを話し、「侍奉公とは辛いのう…」と、弱音を漏らす。
 市に万福丸の行方を尋ねられた千代。「存じません」と一豊並みの愚直さで答えるが、市に本当のことを教えてほしいと言われ、千代は自分の夫が殺したことを告げ、必死に謝る。
 この戦の褒美として、秀吉は小谷城を手に入れ、名も「羽柴」と改める。一豊も信長直々に「そちの働きけなげであった」と言葉をもらい、北近江の唐国四百石を与えられる。千代は一豊に、自分の故郷近くの、秀吉の城のある今浜に住みたいとおねだりし、山内家は引越すことに。

第12回「信玄の影」 (3月26日)
 浅井攻めに苦労している信長(舘ひろし)軍。秀吉(柄本明)は有力豪族の調略に、治兵衛(柴井伶太)を使い人質交換をする。だが、甲斐の武田信玄が動いたことで、信長は敵に囲まれる形となる。その機に乗じて、将軍義昭(三谷幸喜)が信長に挙兵。
 一方、一豊(上川隆也)に再び、浅井の間者・小りん(長澤まさみ)が近づいてきてた。一豊に会いたくてきたという小りんは、一豊を誘惑するが、一豊は突っぱねる。一豊に惚れた小りんは、野武士になって気ままに暮らそうと言うも、一豊は千代の名前を出し、小りんを怒らせる。また、六平太(香川照之)も一豊に襲い掛かり、手柄を立てさせてやるから手を組もうと誘い掛けるが、一豊は手柄は自分で立てると断る。
 光秀(坂東三津五郎)にたしなめられた義昭だが、子供のように駄々をこねて、信長に対立し、信長から討伐の命を受けた光秀に捕らえられる。
 半生を掛けて復興した義昭を自分の手で捕らえた光秀は人生の虚しさに落ち込む。だが信玄の憂いもなくなり、勢いに乗る信長の目は、もう次に向いていた。小谷城にいる「市を生きたまま連れ出せ」と秀吉に命を下す。
 今回は、千代の出番はほとんどなし。義昭と光秀、一豊と小りん・六平太が主軸。

第11回「仏法の敵」(3月19日)
 帰ってきた一豊(上川隆也)は、足を怪我し、小りん(長澤まさみ)に助けられたことを千代に話す。命の恩人だが、「やましいことは何もない!」と繰り返す一豊に、千代も自分が幼かったのだとしおらしく答える。そして、側女が欲しくなったら自分に言ってほしいと。それに一豊は座布団を踏んでひっくり返る程の力説で、「わしは千代だけがおればよい」と告げる。
 弔いをせよと命じた
秀吉(柄本明)だが、一豊が帰ってくると態度を一変。「わしだけは生きて帰ると信じておった」と抱きつく秀吉に、与力仲間は呆れ顔。だが一豊は好意的に受け取る。
 一豊が合戦に出ている間に千代は、寧々(浅野ゆう子)から秀吉の姉の子・治兵衛(柴井伶太)を教育して欲しいと預けられる。尾張の百姓言葉丸出しの治兵衛だが、秀吉は人質にすべく、侍の子として育てようとしていた。
 信長は延暦寺を攻める。僧も女子供も皆殺しにしろという命で、心を痛めて帰ってきた一豊に、千代は法秀尼(佐久間良子)から共に業を背負って欲しいと諭されたとおり、「殿が地獄に参るのなら、千代も共に参ります」と寄り添う。
 もの覚えよくすっかり武士の子らしくなった治兵衛を一豊は、人質に出される時には自分が供に参りましょうと、抱きしめる。治兵衛は後に豊臣秀次となる子だった。

第10回「戦場に消えた夫」 3月12日)
 浮気を告白した一豊(上川隆也)に千代は、どこのどういう女子か、吉兵衛(武田鉄矢)たちは何をしていたのかと、根掘り葉掘り聞き出す。平謝りする一豊だが、とうとう千代は大声で泣き出してしまう。
 翌日、千代は寧々(浅野ゆう子)に相談に行くが、反対にそっけなく諭されてしまう。それでも納得いかない千代は、「ならば不破家へお帰りなさい」と言われてしまう。一方、吉兵衛たちは、一豊に普段どおり笑顔で接しろとアドバイスし、なんとか仲を取り持とうとするが、二人の間はギクシャクしたまま、気まずい空気が流れる。
 朝、千代は「おいとま賜りたく候」、と書付を残し、不破家に戻る。千代を一喝した養父の市之丞(津川雅彦)と養母のきぬ(多岐川裕美)だが、久々に会った娘を暖かく迎え、明日にでも戻りなさいと優しく諭す。翌朝、陣ぶれが鳴り、きぬは「出陣に憂いを残してはいけません。気分よく送り出してあげなさい」と千代を急がせる。馬で駆け戻った千代だが、一豊たちは出陣した後だった。
 浅井氏・朝倉氏との姉川での戦。一豊は、功名を立てて千代を迎えに行こうと、吉兵衛たちを置いて馬で駆け出す。だが、鉄砲の音に驚いた馬から川に落とされ、そのまま姿が見えなくなる。
 吉兵衛たちは必死になって探すが、合戦が終わっても死体さえ見つけられず、ただ手首に巻いた布だけが見つかる。
 次の戦が迫っている秀吉(柄本明)は、一豊の弔いをするように命じる。お守りの布を巻いてあげられなかったからだと、自分を責める千代。尼になることを決意し、物思いにふける千代に、自分を呼ぶ声が聞こえてくる。夜の雨の中、呼んでいたのは、満身創痍で戻ってきた一豊だった。その間、一豊がどうしていたかは次回、あきらかに!?

第9回「初めての浮気」 (3月5日)
 敵の兵を足止めしては引き付けて、味方の兵を逃がすというしんがりを努める一豊(上川隆也)たち、秀吉軍。しかし、途中敵に囲まれ、もはやこれまでと一豊が自害しようとしたとき、家康(西田敏行)の軍勢が助けに現れ、無事に京に戻ることができた。
 六平太(香川照之)から、一豊が怪我をして、秀吉軍がしんがりだと聞いた千代は、お百度参りに加え、水ごりで無事を祈る。そこに新一郎(浜田学)が戻ってくる。一豊が戦での働きが認められ、二百石に加増されたことを一刻も早く知らせたいと、来たのだ。
 そのころ一豊は、京の寺で頬の傷を癒していた。そこにおじを探しに来たという小りん(長澤まさみ)という娘が、雨の中やってくる。成り行き上、泊めることになったが、新右衛門(前田吟)と吉兵衛(武田鉄矢)はやたらと一豊と小りんを二人きりにさせたがる。夜、眠っている一豊に腕を伸ばす小りん。一豊は「寝相の悪い娘だ」と腕を元に戻す。
 翌朝、よく眠れたかと問う一豊に、笑顔で「殿様と添いました夢を」と答えられ、ご飯を噴出す一豊。出かけたと思った小りんは、また現れ、もう一晩泊めてほしいとお願いする。背を向けて寝る一豊に、小りんは足を絡ませ胸元に手を差し入れる。翌朝、陣ぶれのほら貝が鳴る。問われるままに、信長軍の行き先を話した一豊。だが小りんは実は間者だった。
 幸い無事に岐阜に戻れた信長軍。信長(舘ひろし)は千代に、市に贈る打ち掛けができたら自分のところに持ってくるように言う。
 戻ってから様子がおかしい一豊に、千代は傷が痛むのかと心配する。だが痛いのはここだと胸を指し、一豊は千代に「わしは京で女子を抱いた。すまん」と土下座する。

第8回「命懸けの功名」(2月26日)
 信長(舘ひろし)は越前の朝倉氏を攻めることを決意。三河の徳川家康(西田敏行)に援軍を願う文を届けるように一豊(上川隆也)に命じる。途中、岐阜に寄った一豊は千代と会う。一豊から朝倉攻めの話を聞いた千代は、お守りとして、一豊と自分の手首に同じ手ぬぐいを結ぶ。
 朝倉の城の一つ、金ヶ崎城は降伏し、朝倉軍は城を出て行く。その中で突如上がった銃声。動揺した朝倉軍を、新右衛門(前田吟)の長男・新一郎(浜田学)は一豊に功名を上げさせるため挑発し、戦を起こす。
 弓の名手・三段崎勘右衛門(岡田正典)に名乗りを上げ、逃げた勘右衛門を追いかけた一豊は、反対に矢を頬に打ち込まれながらも、果敢に襲い掛かり、もつれ合って斜面を転落。勘右衛門は岩に頭をぶつけて昏倒したところで、家来たちが見つけて、首を取った。吉兵衛(武田鉄矢)に一豊は顔を踏ませて、矢を抜いてもらう。
 朝倉氏と同盟関係の浅井氏に嫁いだ市(大地真央)から届いた陣中見舞いのあずきを見た信長は、挟み撃ちにされることを知り、撤退。しんがりに、功名を上げたい秀吉(柄本明)が志願する。深手の一豊は、自分も秀吉の家来の一員と、足手まといを承知で戸板に乗せられ参戦。
 一方、一豊の身に悪い予感がした千代は、無事を祈り、お百度参りをする。

第7回「妻の覚悟」 (2月19日)
 南近江を進軍中の信長軍。その最中、突然、信長(舘ひろし)は、秀吉(柄本明)や一豊(上川隆也)らの少人数の供を連れただけで、妹・市(大地真央)の嫁ぎ先、浅井長政(榎木孝明)の小谷城を訪ねる。そこで一豊は、市から「内掛けを作って欲しいと、生きて戻れたら必ず千代に伝えよ」と伝言され、また、忍び込んでいた六平太(香川照之)から、「信長暗殺の動きあり」と知らされる。だが長政の、義兄を裏切る気はないという強い意志に、信長一行は無事に一晩過ごす。
 破竹の勢いで六角氏を破り、上洛を果たした信長。だが、一豊は握り飯を見ては千代を思い出し、心配するありさま。
 その留守宅で、八人目の子供を身ごもっていた新右衛門(前田吟)の妻・ふね(熊谷真実)が倒れる。ふねは流産し、「戦場での心の乱れは命にかかわります」、だから自分の死を新右衛門には知らせないで欲しいと言い残し、亡くなってしまう。
 
戻ってきた一豊たちを出迎えたのは、母を亡くして荒れる、新右衛門の次男・徳次郎(ささの堅太)だった。千代は、ふねが死んだのは気遣いの足りなかった自分のせいだと責め、徳次郎は母が死んだのは、千代と新右衛門のせいだと当り散らして家出。雨の中、夜通し探し回って、千代は徳次郎を見つけ、抱きしめる。
 家族の絆を取り戻した、山内家。だが、秀吉が京都奉行の一人に任命され、一豊も京に赴任することになる。

第6回「山内家旗揚げ」 2月12日
 千代の言葉で、一豊(上川隆也)の家来・新右衛門(前田吟)の妻と七人の子供たちがやってくる。食べ盛りの子供たちの前に、あっという間に山内家の米は尽きる。千代は食事を一日おきに減らし、着物を売って、小物を作って売る(今で言う手作りの品を売るフリマ?)が、大したお金にはならない。
 一方、美濃を手中に収め、岐阜城に移り住んだ信長(舘ひろし)の元に、足利義昭(三谷幸喜)から明智光秀(坂東三津五郎)が送られる。信長の光秀の重用に、信長の家臣団は色めき立つ。秀吉(柄本明)も、これからは光秀の時代かも、と一豊に愚痴をこぼす。だがそれは「弱みを見せれば見せるほど、わしに惚れる。そうすれば戦でわしの盾となってくれる」という秀吉の作戦だった。
 そしてとうとう、義昭が岐阜城にやってきた。信長は「二ヵ月後には上洛を果たす」と宣言。上洛を目指す出陣に一豊は先陣を承る。

第5回「新妻の誓い」 (2月5日)
 婚礼の後、やっと二人きりになれた千代と一豊(上川隆也)。一豊のことを何でも知りたいと、千代は初めて自分を愛しいと思ったのはいつかなど、根堀り葉堀り聞き、一豊はたじたじ。また「一国一城の主」が夢だと語る一豊に、千代の夢は「二人で長生きする」ことだと語る。自分は武士だからいつ死ぬか分からないと言う一豊に、「二人で長生きして一国一城の主になりましょう」と千代。「注文が多いな」とぼやく一豊。
 そんなやりとりをしていたせいか、翌朝、新婚初日から千代は寝坊。また稲葉山城の戦火で家が焼けたため、千代が焼け残った布を縫い合わせて作った小袖と共に、信長家臣の女たちの噂に上る。
 美濃を落とした信長
(舘ひろし)は、次の矛先を近江に。浅井氏の調略のため、妹の市(大地真央)を嫁に出すことに。その市が、近江出身の千代を訪ねてくる。千代の小袖を気に入った市は、千代が秀吉の妻・寧々に頼まれて縫った小袖を持って帰る。そしてまた、お忍びで現れて千代を遠乗りに誘い、嫁に行ったらこういうこともできなくなるだろう、と心中を明かす。千代はその身で戦を止められる市に比べれば、自分はまだまだだと思うのだった。

第4回「炎の中の抱擁」 1月29日)
 二人きりで話す場を与えられた千代と一豊(上川隆也)。始めこそ意地を張っていた一豊だが、素直に気持ちを告げる千代に、次第に素直になり、「ともに尾張に参ろう」と誘う。だが、千代も世話になった養父であり美濃の武将でもある不破市之丞(津川雅彦)を裏切れない。それならばいっそ誰もいない遠いところで二人で暮らしたいと願うが、一豊の答えは「わしは武士じゃ」。二人はそのまま別れてしまう。
 突然、織田方へ下ると言い出し、秀吉(柄本明)の家来になった竹中半兵衛(筒井道隆)。美濃の調略も進み、織田軍は一気に稲葉山城を攻める。だが、難攻不落の山城、篭城されて戦は硬直化。そこで案を求められた半兵衛は、一豊と千代の仲を取り持つことを条件に、城への抜け道を秀吉に教える。そしてその先頭には一豊を立たせ、千代を助け出せと。
 稲葉山城では、市之丞が自決を決意。千代と養母もともに逝く覚悟を決めたところに、一豊ぎりぎり到着。燃え盛る城の中で、千代に求婚。生きる望みを持った二人は、市之丞に結婚の許しを得る。
 焼け跡の家から金子を掘り出し、千代に持って行けと託した養父母。そしていよいよ一豊の元に千代は嫁入りを果たす。その裏で、半兵衛が咳き込み、血を吐いたのが気になるところ…。

第3回「運命の再会」 (1月22日)
 成長した千代の元に、笠を目深に被った男が現れる。それはなんと千代の家族が住んでいた土地が襲われたときに生き別れになっていた六平太(香川照之)だった。彼は甲賀の衆に助けられ、忍びになったと告白する。千代は一豊(上川隆也)が生きているかを調べてほしいと頼む。
 男勝りのおてんばな千代は、美濃の若き軍師・竹中半兵衛(筒井道隆)のすすめで行儀見習いに出される。そんなある日、千代に六平太は一豊は生きており、今日あたり訪ねてくると告げる。
 墨俣城築城の手柄で、『秀吉』の名を信長からもらった藤吉郎(柄本明)。一豊も秀吉の家来として認められる。次は
調略で美濃を攻めようとする秀吉のお供で半兵衛の屋敷に現れた一豊。お茶を出しに来た千代は一豊と再会。半兵衛に「秀吉殿と二人だけで話がしたい」と部屋を追い出された一豊は、廊下で千代と言葉を交わす。去り際、「川をなにはばかれることなく渡れる世が来ますように」と千代は漏らす。
 千代は元より、一豊も恋に落ちるが、二人は敵どおし。養父に美濃国内での縁談を薦められて迷う千代のために、六平太と半兵衛は一豊と対面する場を作る。
 主に忠義立てして戦で死ぬ武士と、命を守るためには忠義を捨てる忍び。国を守るために戦は必要と信じる者と、それでも戦は駄目だと言う者。この対比が今後のテーマとなりそうです。
 途中で京の話を入れるのに、ナレーションではなくテロップで『話は少しとぶ』と入ったのには笑いました。そういうノリなんですね、今回。

第2回「決別の河」(1月15日)
 一豊(上川隆也)の母・法秀尼(佐久間良子)の寺で、お互いを心の支えに生きている千代(
永井杏)。そこへ信長(舘ひろし)に仕えることを決めた一豊が訪ねてくる。
 一豊に「おまえ、まだいたのか」と言われ、傷つく千代。「明日、美濃に立ちます」と気丈に返す。母に叱られ、謝りに来た一豊を「戦は嫌い。戦をする人も嫌い」と突っぱねる。「強情な子だ」と言われ、「子供ではありませぬ」と言い返す。一豊が来るまでは恩人と思い、思慕の念もあったようなのだが、どっちもどっちの意地っぱり。
 信長の次の矛先は今川義元のいた三河だとばっかり思っていた一豊だが、美濃だと藤吉郎(柄本明)から聞いて、千代を呼び戻しに行くが、千代は意地を通して美濃に行ってしまう。
 千代を暖かく迎え入れた不破市之丞(津川雅彦)は、千代から信長が美濃に攻め入ると聞いて、美濃城主に進言。信長軍を打ち破る。…って、そんなことでいいのでしょうか?

第1回「桶狭間」  (1月8日)
 60分拡大版でした。初回だし顔見せ・あらすじ程度かと思いきや、重要な出会いが数件に、話もさっくり進んでしまいました。
 近江で半農半士の父と病弱な母の間で育った千代(
永井杏)。が、父は戦で帰らぬ人となり、母は攻めて来た敵兵から体を張って千代を守り、死亡。一人ぼろぼろになりながら母の親戚のいる美濃へ向かう途中、大内一豊(上川隆也)に出会い、彼の母・法秀尼(佐久間良子)の寺へ行くように勧められ、そこで千代は休息を得る。
 一方、織田信長(舘ひろし)は今川義元(江守徹)をどう迎え撃つか思案中。
 父の仇の信長にだけは仕えないと決めていた浪人・一豊は、藤吉郎(柄本明)と出会う。桶狭間の戦いで信長の首を取ろうと対峙した一豊は、信長の気迫に負け、家臣になろうと考えをあらためる。
 この先何年間分を描くのかは分からないが、出演者の平均年齢の高さに驚いた初回。千代が子役ながら素直で良い子という役を見事に演じていたのがよかったです。廊下を拭いていて、勢い余って端から落ちるシーンが一品。

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