過去の連続時代劇

 
赤ひげ
   船越英一郎 中村蒼 主演   18年9月1日〜10月20日   NHK 夜6時5分から
 婚約者を待たせて長崎で3年、オランダ医学を学んだ保本登(中村蒼)は、江戸に戻って来るなり、父から訳も告げられず小石川養生所へ行くように言われます。着いた先には、板の間にあふれんばかりの貧しい病人・怪我人と、赤茶けたひげ面でぶっきらぼうな医師・新出去定(船越英一郎)が。去定の横柄な態度に、保本は反発。去定のことを「赤ひげ」とあだ名し、追い出されるために酒を飲み、渡されたお仕着せにも袖を通しません。しかし、入所している奉公先のお嬢様の世話を懸命に焼くおすぎ(大後寿々花)と言葉を交わしたり、目の前で苦しむ患者に真摯に向き合い病と戦う去定の姿を見ているうちに、医師として働き始めます。
 口は悪いが医師としての高い志を持つ赤ひげと、医学の知識の自信はあるがまだまだ思い悩むことも多い青年・保本が、ぶつかり合いながらも共に江戸の病と貧困に向き合っていく医療人情話です。保本とともに働く森(古舘佑太郎)と津本(前田公輝)との三人の医者のやりとりや、お常(山野海)、お光(久保田磨希)、お雪(真凛)の女中三人のうわさ話もお楽しみの一つ。志の高い医師でありながら、人間臭い赤ひげ役の船越英一郎と、初めは拗ねているものの理不尽なことには怒り、次第に心が成長していく保本役の中村蒼が、とても似合っていました。
 昨年の11月にBSプレミアムで放送されたものを、地上波でも放送されたものです。
 原作は山本周五郎の『赤ひげ診療譚』。全八回。(18.11.26改稿)
 
 
 

あさが来た
   
波瑠 主演   15年9月28日〜16年4月2日   NHK 月〜土曜朝8時から

 NHK朝の連続テレビ小説初の時代劇です。 古川智映子の小説「土佐堀川」を原案に、実業家・広岡浅子をモデルとして、幕末から明治、大正を舞台にした物語です。
 幕末、京の豪商・今井家の次女として生まれたあさは、相撲で男の子に勝ち、振袖で木登りをするおてんば娘。疑問に思ったことはすぐに「なんでどす」と口にしてしまい、そろばんや学問にも興味津々のあさは、父の忠興(升毅)に怒られてばかり。生まれた時から決まっていた許婚の山王寺屋から、姉のはつ(宮アあおい)と交換してほしい言われる始末。だがはつの許婚だった大坂の老舗両替商・加野屋の次男・白岡新次郎(玉木宏)はあさを気に入り、そろばんを贈ってくれます。
 白岡家に嫁いだあさは、母・梨江(寺島しのぶ)の「家を守る」という言葉を守り、幕末の動乱の中で加野屋の商売の行く末を本気で考えます。女の身で商売に口を出すあさに、始めこそ渋い顔をしていた義父母(近藤正臣・風吹ジュン)や、大番頭の雁助(山内圭哉)、中番頭の亀助(三宅弘城)たちも、しだいにその情熱と才覚を認め、手ほどきをしてくれるように。そして、後に近代大阪経済の父と呼ばれた五代友厚(ディーン・フジオカ)との交流の中で、さらに多くのことを学び、一時は傾きかけた加野屋を、見事に新時代でも大きな会社へと発展させていきます。
 炭鉱事業、銀行、生命保険会社と次々と事業を起こして成功させ、日本初の女子大学校の創設に尽力した、まさに時代を切り開いた女実業家・白岡あさの生涯と
、彼女にずっと寄り添い、支え続けた新次郎との愛、そして二人を取り巻く人々を描いた物語でした。(16.05.06改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/asagakita/index.html

 

 

あさきゆめみし〜八百屋お七異聞

   前田敦子 主演   13年9月19日〜11月21日   NHK 木曜夜8時から

 江戸時代に実際にあった事件を元に、過去に何度も舞台化された『八百屋お七』を、ジェームス三木が「八百屋お七の放火事件は冤罪だっ
た!」という新解釈を加えて脚本化しました。
 大店の八百屋八百源は延宝九年の江戸駒込の火事で焼け、一人娘のお七は店と家の立て直しが済むまでの間、大乗寺に預けられる。そこで
みなしごたちに勉強を教えている美しい寺小姓・吉三(池松壮亮)と出会う。近くで生活するうちにお七は吉三に恋をする。しかし素性が明らかでな
い吉三のことを、お七の両親(中村雅俊・竹下景子)はよく思わず、お七の恋心を覚ますために店の手代・勘蔵(平岡祐太)と婚約させる。また吉三
も、住職・覚念(田山涼成)の勧めで、松尾芭蕉(平田満)の元に勉学の修業に行き、二人は二度と会えなくなる。…が、運命の悪戯で二人は思わ
ぬ再会を果たし、再び恋の炎が燃え上がってしまう。大晦日の夜、駆け落ち覚悟で逢引をしていた二人は、大円寺で起こった火事に巻き込まれ
る。
 幼い頃からお七だけを見続けていた勘蔵や、吉三を見そめた芭蕉、そしてなにがなんでも火付けの下手人を捕らえたい幕府の思惑が絡まり合
って、事態を悲劇へと進めてしまいます。濡れ衣を着せられながらもお七を守るために口をつぐんだ吉三に、お七は命懸けの決意をします。
 激しい恋心に身を焦がすお七役を、前田敦子が時代劇初主演、体当たりで演じます。初めは見続けるのが難しかったですが、しだいにセリフの
良さから惹きこまれるお七となりました。
 全十回。(13.12.21改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/asaki/
 
 
アシガール
   黒島結菜 主演   17年9月23日〜12月16日   NHK 夜6時5分から
 速川唯は、足が速いのだけが取り柄の女子高生。発明の天才の弟・尊(下田翔大)が作ったタイムマシンを知らずに動かし、戦国時代にタイムスリップしてしまいます。目覚めた先は敗走する足軽たちの集団の中。女であることを鎧で隠し、「唯之助」と名乗って、なんとかごまかし逃げたものの、お腹かすいて倒れてしまいます。そこで出会ったのが、若殿こと羽木九八郎忠清(健太郎)。その涼やかなたたずまいに、唯は一目惚れ。また若殿様に会いたい、会ってお守りすると、若君の足軽になろうと決意。
 この唯がまた、馬鹿が付くほどまっすぐで、アホっぽいのですが、ほほえましいというか、その一直線なところが応援したくなる娘で、見ながら一緒にハラハラドキドキ。唯が憧れる若君がこれまた、顔が涼やかできれいなのはもちろん、戦国武将の若者らしい男らしさと、一国の主の嫡男らしい品の良さと芯の強さを持った、文武両道に優れた貴公子で、まさに王子様。唯の行動に笑い、若君にきゅんきゅんさせられる、極上のラブコメディでした。
 こんなタイトルで、こんな内容ですが、時代考証は驚くほどしっかりしていて、足軽の雇用形態や戦場での実態も分かる良作でした。
 敷居が低いのに、唯の頑張りに元気がもらえて、若君とのラブロマンスにきゅんきゅんして、タイムトラベルのお約束も楽しめ、戦国ものとしても楽しめる、とても良い娯楽作品でした。
 原作は森本梢子の同名漫画。全12回。(18.1.15改稿)
 

 


篤姫
   宮アあおい 主演   08年1月6日〜12月14日   NHK 日曜夜8時から

 幕末の時代に薩摩に生まれ、13代将軍徳川家定の正室となり、江戸城明け渡しの際に大奥を束ねた天璋院篤姫の物語。原作は宮尾登美子の
『天璋院篤姫』。
 篤姫は薩摩藩主島津家の分家、今和泉島津家の長女として生まれ、領民を想い慕われた父・島津忠剛(長塚京三)と、「人の命の重さはみな同
じ。人は役割を持っている」と教えた母・お幸(樋口可南子)、頼りない三人の兄、そして「女の道は一歩道」と教えた優しい女中・菊本(佐々木すみ
江)に囲まれ、元気いっぱいに育つ。
 薩摩藩主・島津斉彬(高橋英樹)に見初められ、斉彬の養女となった篤姫は、公武合体を将軍に進めるという使命を持って、徳川家定に嫁ぐ。そ
こで生涯の伴侶を得た篤姫だったが、徳川家は幕末の荒波に飲み込まれようとしていた。時代に翻弄され、夫を、そして義理の息子を亡くした篤
姫は、家定が守ろうとした徳川家を守るために心血を注ぐ。
 聡明で破天荒な篤姫を演じるのは、大河史上、最年少の主演となる宮アあおい。
 同じ薩摩出身の西郷隆盛(小澤征悦)や大久保利通(原田泰造)など数多くの英雄を生んだ幕末の動乱の時代を描きつつも、女性視点でホーム
ドラマのようにほのぼのとした側面を忘れずに描いた、異色の大河ドラマでした。(08.12.28改稿)

 

 

 

番組公式サイト http://www9.nhk.or.jp/taiga/atsuhime/index.html
石川五右衛門
   市川海老蔵 主演  16年10月14日〜12月2日   大阪 金曜夜8時から
『絶景かな、絶景かな』の名台詞で有名な、天下一の大泥棒・石川五右衛門を、襲名後、連続ドラマ初主演となる市川海老蔵で映像化した作品です。
 豊臣秀吉(國村隼)が天下を治めた京の都で、評判の白波夜左衛門一座。しかしそれは表の顔で、実は座長の夜左衛門は、天下を騒がす大泥棒・石川五右衛門。一座の者たちも、三上の百助(山田純大)、堅田の小雀(高月彩良)、足柄の金蔵(前野朋哉)と、泥棒の一団でした。
 幼いときにひもじさの中で母を亡くした五右衛門は、庶民を苦しめる権力者となった秀吉と、敵対していきます。また、親の仇の側室となった美しい姫君・茶々(比嘉愛未)とも心を通わせていきます。そしてついには…。
 基本的には一話完結で、秀吉の統治で苦しむ庶民を助けて、「金銀財宝は盗んでも、外道悪党は許さねえ」の決め台詞で、悪人を懲らしめます。が、最終回ではすごい秘密が明らかに。
 悪人顔だけど意外と一途な秀吉に、美しい乙女のような茶々、悪だくみする石田三成(丸山智己)と、今までのイメージでない歴史上の人物たちに、五右衛門と秀吉を不思議な縁で結ぶ銀ギセルや、五右衛門と茶々の恋物語といった伏線、そしてもちろん、物語の肝となるド派手で爽快な盗み仕事のシーンもたっぷり描いた、ボリュームある娯楽作品でした。
 初回と最終回は二時間スペシャルでした。(17.1.9改稿)
 
 
出雲の阿国
 菊川怜 主演   06年1月13日〜2月17日   NHK 金曜夜9時15分から
 有吉佐和子の同名小説を原作に、NHK大阪放送局がドラマ化。語りは益岡徹。かぶき踊りの祖と言われる出雲の阿国の生涯を描く作品。
 全六回で生涯を描くため、話がやや詰め込みすぎな感じもしますが、逆に言えばエピソードが多く、テンポの良い作品でした。
 阿国は、踊ることと、惚れた男の側にいることが望みの、野心とは無縁の欲のない女性。だけれどもその踊りの発想と実力は見る者の心を虜に
する、神の才を持つ天下一の踊り子。そして惚れたら一途になる性格から、惚れた男にいいように扱われることもあり、名声を得たがその人生は
太く短く、他人の目からはあまり幸せとは言いづらい。だがそれでも情熱的に生きた天才踊り手・阿国を菊川怜が演じました。
 また、野心の男・三九郎を堺雅人が、控えめでいい人な傳介を鈴木一真が、と対極な雰囲気を持つ男優が共演。阿国の妹分のお菊を演じた原
田夏希も美人で、キャスティングは見ごたえがありました。
 全体的に、着物の柄などパステル調の独特な明るい雰囲気で、語りの益岡徹の丁寧で落ち着いた声と合わさって、話はドロドロした色恋沙汰が
多かったのですが、重くなりすぎずさわやかな印象を残す不思議な印象の作品でした。(06.3.3改稿)

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南町奉行事件帖・怒れ!求馬
 原田龍二   主演   97年11月3日〜98年2月2日   TBS
 主人公・根岸求馬は、南町奉行・根岸肥前守(田村高廣)の孫で、正義感あふれて、腕も立つ若者。ある日、祖父の詮議に納得いかなかった求
馬は、直談判。勘当を食らう。……のですが、求馬は困った人を見るとほっとけない性格で、がんがん事件に首を突っ込み、解決に大貢献! 実
は勘当は、自由になった求馬を使って表では調べられない事件を調べさせようという芝居だった。という、奉行所のアウトロー的存在・求馬の活躍
を描く作品です。
『水戸黄門』の時間枠で突然始まった上に、今でこそ助さんでおなじみだけど当時は時代劇に関しては素人の原田龍二を一人主役にするなど、か
なりの冒険に出た作品。でも、内容はからっとさわやかで、ストーリーも肥前守失脚を狙った陰謀から、暗号を使った謎解きなど、深すぎず面白い
ものが多くて、いわゆる子供から老人まで楽しめる作品。なにせタイトルどおり、原田龍二が元気よく暴れてくれるし。
 好評だったらしく、ほぼ二年後に、シリーズ二作目も放送されました。いつの間にか求馬は正式に隠密同心の地位を得、着物もちょっとかっこよ
く。最後の奉行所お白州でしらばっくれる悪人に「馬」の文字が入った黒い将棋の駒(桂馬と求馬を掛けている?おそらく鉄か石製)を投げつける、
というお決まりの見せ場も確立。
 一応、見所的に最後に殺陣もあるのですが、初めのころこそ殺陣に振り回されてる?という下手さ加減だったのですが、二シリーズ終わるころに
はメキメキ上達。その成長の過程も注目です。(06.1.29)
 

 
   永山絢斗 主演   16年5月7日〜7月9日   NHK 土曜夜6時10分から

 江戸で剣術と勉学の修業に励んでいた小野寺一路は、突如、国元の西美濃の蒔坂家へと呼び戻されます。参勤交代を差配するお役目である道中御供頭だった父が失火で急死したためでした。初めて足を踏み入れる国元では、頼れる者もおらず、殿様から預かった屋敷を燃やした者の子としてさげすまわれます。しかし、参勤交代の期日が迫っており、殿様からは父の役目を引き継ぐように命令が。父から道中御供頭のお役目について何も教わっていない一路。孤立無援の中、お役目を果たせないのならばと、父の墓前で腹を切ろうとしたその時、声をかけてきたのが、空澄和尚(上條恒彦)でした。空澄は、一路の父が炎の中で体を張って守った『行軍録』を差し出します。小野寺家に代々伝わる『行軍録』を読んだ一路は、そこに記されたとおりの古式ゆかしい参勤交代を実現しようと、奮起します。
 実は父が死んだことは、うつけの殿様・蒔坂左京太夫(渡辺大)に代わって、蒔坂家の家督を狙う左京太夫の叔父・蒔坂将監(佐野史郎)の陰謀でした。将監の罠が参勤交代の一行を襲います。果たして一路は無事に参勤交代を成し遂げられるのか。
 一途にお役目を全うしようと突き進む
一路に、しだいに協力者も集まり、いざ江戸へ向けて、「参勤交代とは行軍なり」を合言葉に、一路の戦が始まります。
 NHKの土曜時代劇一作目に当たる作品で、原作は浅田次郎の同名小説でした。昨年の7月31日からBSプレミアムで1回45分の放送されたものを、1回35分に再編集しなおした作品です。(16.8.9改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/ichiro/index.html

 

 
大奥〜第一章〜

 松下由樹 主演   04年10月7日〜12月16日   フジテレビ
 フジテレビの大奥シリーズの二作目。
 だ徳川政権が固まっていない頃から、ゆるぎないものになるまでの時代を、春日局の生涯を追いかける形で描いた物語。女性同士のドロドロ半
分、大河ドラマ的な歴史の追いかけ半分なので、トレンディードラマ好きも、歴史ドラマ好きも楽しめる描き方になっていると思います。
 序盤は、春日局になる前のおふくの方主役。後に三代将軍となる竹千代の乳母になるところから、竹千代の実母・お江与の方(高島礼子)との確
執の話。春日局といえば「やり手の実力者」というイメージがあるのですが、まだ人間として成長しきってない若々しい(といっても三人の子持ちです
が)彼女が、新鮮でした。
 中盤は、晴れて将軍になった家光が、はじめて好きになった女性・お万の方(瀬戸朝香)の話。尼であった彼女を、春日局が拉致して、監禁、還
俗させるという、荒業がメイン。
 終盤は、将軍の後継ぎを作る場としての大奥の基盤を整えあげる春日局と、女性たちの人間性をまったく無視したそのやり方に、反対を唱える
お万の方の対決がメイン。
 恋愛よりも、母性や慈愛といった広い意味での愛が描かれた作品です。
 ストーリーテラーの位置にある、お万の方を一途に慕うお玉(星野真里)の頑張り具合など、ギャグに走らない程度の笑いもあり、迫害されたキリ
シタンをストーリーに絡めるなどの暗い部分もあり、家光の「わしは男狂いじゃ」との問題発言ありと、エピソードふんだん。松下由樹を含め、きれい
で演技力のある女優さんが勢ぞろいなので、見ごたえあります。(06.2.19)

大奥〜華の乱〜
 内山理名 主演   05年10月13日〜12月22日   関西 木曜夜10時から
 フジデレビの大奥シリーズ三作目にして最終章。
 時は花の元禄時代。豪華絢爛な背景に花の園・大奥で繰り広げられる五代将軍・徳川綱吉を中心とした女の戦いと、政権争い。
 絶対権力者であり、わがままお坊ちゃまな綱吉(谷原章介)によって実母を陵辱された上に自殺に追い込まれた牧野安子(内山理名)。あろうこ
とか、既婚の安子までも大奥入りを命じられる。
 この安子、はじめこそ綱吉に恨みを持つが、真の悪は別にいることを知る。彼女を中心に、一見華やかに見える大奥で巻き起こる、正室・信子
(藤原紀香)と世継ぎを産んだ側室・お伝の方(小池栄子)の確執、それに権力を持つ綱吉生母・桂昌院(江波杏子)と、貪欲に上を求める柳沢吉
保(北村一輝)をはじめとする、入り乱れた愛と権力の争いを描く。
 毎回びっくりするような展開に、最後近くに起きる強烈な次回への引きに、思わず毎週目が離せなくなってしまう、時代劇というよりトレンディドラ
マのような作りの作品。配役が見事にはまっている上に、みんな体当たりの演技で見ごたえあります。(06.1.19改稿)

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大奥〜誕生[有功・家光篇]
   堺雅人 多部未華子 主演   12年10月12日〜12月14日   MBS 金曜夜10時から

 若い男子だけがかかり命を落とす謎の奇病・赤面疱瘡が流行し男子の人口が四分の一まで減った江戸時代。将軍の世継ぎを設けるための大
奥は、美男3000人を揃える男の園となっていた。奇抜な設定と入念に調べた歴史と心を打つストーリーで、様々な賞を取り、現在も人気連載中の
よしながふみ原作漫画の(男女逆転)『大奥』を大胆に実写化です。
 今回のストーリーは、男女逆転の世の中と大奥が作られた初めにあたる、徳川家光の時代。将軍・家光が赤面疱瘡で亡くなったことを知った春
日局(麻生祐未)は、世の混乱を避けるため、陰謀を企てる。彼女によって無理やり還俗させられた美貌の僧・万里小路有功。彼が対面させられ
た、将軍・徳川家光がいるべきところにいたのは、少女だった…。彼女もまた春日局の陰謀によって徳川家存続のための接ぎ木とするべく大奥に
連れて来られた、唯一家光の血を引く娘だった。すべてを失い、大奥に閉じ込められた二人の、美しく切ない恋の時代絵巻です。
 絶望の中から自分の役目を見出した少女と、それを支え続けた青年によって、男女逆転の徳川幕府が誕生するいきさつを描いた、(男女逆転)
『大奥』の世界誕生の物語です。
 ほぼ原作どおりの丁寧な作りで、原作ファンも満足できる出来になっていると思います。
 10年に映画化された吉宗が8代将軍に就いてすぐの話に続き、この作品の放送終了ごろの12月22日には『大奥〜永遠〜』と題した5代将軍・綱
吉と右衛門佐の話の映画も控えています。堺雅人は映画にも出演のW主役です。(13.1.20改稿)

番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/ohoku2012/

おしどり右京捕物車
 中村敦夫 主演   74年4月4日〜9月26日   TBS
 主役はなんと下半身不随でありながら、チャンバラもあるという前代未聞の時代劇。
 北の虎と怖れられた凄腕の与力・神谷右京は、宿敵である盗賊・野洲の万蔵との対決中、材木を落とされ腰を強打、以後、腰から下が動かせな
くなってしまう。職を失った彼は、一回一両で、自分の命を的に捕物を請け負う仕事を始めるが…。
 なにが凄いって、この右京が、一人では歩くこともできないのにむちゃくちゃ強いのなんの。押し車に乗って、鞭を自由に操り、敵の自由を奪いつ
つ引き寄せ、刀でぐさり。この鞭が万能で、遠くにある物を引きよせたり、襲いかかる刀を払ったりと、変幻自在。しかし本当に凄いのは、彼の乗る
車を押す、妻のはな。時は江戸時代、木製で車輪も木という見るからに重そうな押し車に、がっしり体格の中村敦夫を乗せて、押す、押す、押す。
もちろん舗装された道なんてあるはずもなく、砂利道も山道も、果ては川の中まで押していく。しかも彼女の衣装は機能的なもんぺなどではなく、つ
つましい武家の奥方。その裾をほとんど乱さず、普段の移動はもちろん、刀入り乱れる乱闘シーンでさえ、右京の指示通り、思い通りに、縦横無
尽。いくら前にいるのが最強の夫とはいえ、ものすごい力と、根性と、肝っ玉です。この二人の息の合った、でもハラハラする、迫力あるチャンバラ
シーンだけでも一見の価値ありです。
 こんなに妻が頑張っているというのに、中村敦夫演じる右京は亭主関白(まあ、一般的な侍の夫とはそういうものだけど)。でもそんな右京のこと
が、はなは本当に大好きで、その一途で可憐な思いには、なんだかうらやましいものを感じます。だのに、そんな二人には次々に困難が襲いかか
ります。万蔵の元子分に命を狙われたり、過労がたたってはなが倒れたり。毎回、目を離せない展開です。
 ちなみにエンディングの背景は、仲睦まじい夫婦の代名詞、おしどりの映像です。(08.4.17)

オトコマエ!
   福士誠治 主演   08年4月12日〜7月26日   NHK 土曜夜7時30分から
 NHK初の30分時代劇。冒頭のナレーションはテンポよく現代調で、新しい視聴層(特に若者)を取り入れることを意識した作りですが、中身はどう
してなかなか、しっかり熱血痛快時代劇でした。
 時は北町奉行・遠山金四郎景元(柴田恭兵)と、南町奉行の鳥居耀蔵(片岡鶴太郎)が対立していた時代、遠山に憧れる、一人の熱血漢がい
た。曲がったことが大嫌いなその青年は、藤堂逸馬(福士誠治)。駆け出しの北町奉行所の吟味方与力。25才。元は町人の出で、8年前に武家の
養子になったという過去を持つ。そしてその幼馴染みの、武田信三郎(斎藤工)。評定所で吟味物調役をしている彼は、熱血一直線な逸馬と違い
遊び人。
 主役の若者二人を中心に、いなせな遊び人金さんこと遠山奉行と、圧政を敷く鳥居耀蔵が背景となれば、事件に家族に恋にと、いろんな問題が
起こらないはずがない。金さんが桜吹雪を出しそうで出さなかったり、逸馬と信三郎が取っ組み合いをしたりという、お決まりシーンも抑えつつ、勢
いよくまとまった30分間の作品でした。
 逸馬たちも学んだ寺子屋の師匠・宮宅又兵衛(藤村俊二)、通称・仙人も、ボケてるんだかボケてないんだか、いい味出してました。
 ちなみに「オトコマエ」は主役の二人(金さんも含む?)の顔の話ではなく、かっこいい男の生き様を指すようです。
 原作は、井川香四郎の『梟(ふくろう)与力吟味帳』シリーズです。設定は変わっているようですが。(08.8.14改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/otokomae/index.html

オトコマエ!2
   福士誠治 主演   09年9月5日〜12月12日  NHK 土曜夜7時30分から

 一年ぶりに、あの熱い若者が帰ってきた! 曲ったことが大嫌いな熱血漢で、北町奉行所の吟味方与力の藤堂逸馬。今日も弱い者、困っている
者の味方となって町を駆ける! 目指すは遠山の金さんのような、オトコマエ!(ここでの「オトコマエ」とは、顔のことではなく、生き様、心意気等の
こと)
 御存じ庶民の味方・北町奉行・遠山金四郎(柴田恭兵)と、「天保の改革」に沿って圧政を敷く南町奉行・鳥居耀蔵(片岡鶴太郎)の対決も引き続
き、鳥居は刺客を放ったり、逸馬の家には藤堂家後継人を名乗るいね(松金よね子)が乗り込んできて、なにかと言えば「藤堂家家訓百二十カ
条。その○○!」と怒鳴りつけ、逸馬たちの通っていた寺子屋「一風堂」の師匠・仙人(石橋蓮司)の元には、彼の娘を名乗る派手な娘かわら版売
りのなつめ(佐藤江梨子)がやってきて、逸馬の幼なじみで評定所の吟味物調役・武田信三郎(斎藤工)は、遊び人を卒業して愛妻・静江(黒川芽
以)をめとると、今回も大波乱。
 今回は逸馬の成長が見物でした。遠山様から事件を丸々任されたり、そしてからっきしだった女性問題も、なつめからの猛烈なアタックを受けて
…。金さんの桜吹雪あり、ラブコメあり、殺陣あり、なんでもありの一話30分のアップテンポ青春ドラマ。ノリはそのままに内容パワーアップでした。
 原作は井川香四郎の「梟与力吟味帳」。全14回です。(10.1.1改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/otokomae2/
 
 
おんな城主 直虎
   柴咲コウ 主演   17年1月8日〜12月17日   NHK 日曜夜8時から
 井伊直弼の先祖であり、徳川家の重臣・井伊直政の養母。女の身でありながら、井伊谷と井伊の一族を守り存続させた井伊直虎の波乱に満ちた生涯を描く、大河ドラマでした。女性主人公であることと、女性ながら戦国の世で生きる武将の家督を継いだことで、大河ドラマというより朝の連続テレビ小説のような印象の作品でした。
 遠江の井伊谷を治める井伊家の一人娘として産まれたおとわ。将来は分家の井伊直親(三浦春馬)と結婚し、直親が井伊家を継ぐことになっていましたが、井伊家は強大な今川家の支配下にあり、今川家の命令で出陣した戦で井伊家の多くの男達が死亡。その後、今川家の陰謀で直親も帰らぬ人となります。当主と跡取りを失った井伊家の当主に立ったのが直虎と改名したおとわでした。その後も井伊家には戦国の世ならではの災難が、これでもかと降り注ぎます。その中を直虎は、裏切り者の名を背負って井伊家を守る小野政次(高橋一生)や他の家臣たちの手を借り、時に逃げ、井伊をつなげていきます。そしてその魂を、直親の遺児である直政(菅田将暉)へと継いでいきます。
 戦国時代にありえた苦難がこれでもかとこれでもかと襲い掛かる厳しい回と、井伊谷をいかに豊かにするかとか、恋愛などの朝ドラのような回との、見る者を試すかのような回ごとの激しい色の違いが目立つ作品でした。しかし細かに張り巡らされた伏線を、最終回近くで丁寧に拾っていくなど、最後まで見れば分かる、よくできた作品でもありました。(18.1.15改稿)
 
 番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/naotora/
 

隠密八百八町
   舘ひろし 主演   11年1月8日〜3月26日   NHK 土曜夜7時30分から

 時は水野忠成(前田吟)の時代。馬庭念流の師範代である神谷又十郎(44)は、独身だが訳あって引き取った養女の千代(足立梨花)や、菓子屋
『栄華堂』の内儀となった姉の千景(仁科亜季子)らと平和に暮らしていた。そんなある日、彼の腕前と人柄を知った楽翁(平幹二朗)と名乗る老人
から、世直しのために働いてくれないかと頼まれる。
 又十郎からその話を聞いた、元神谷家の用人で、今は手先の器用さを活かしていろんな道具の修理を請け負っている喜八郎(津川雅彦)は、猛
反対。35年前に押し込みに殺されたと思われていた又十郎の父母と兄は、実は御小人目付であった父・神谷庄左衛門(舘ひろし・二役)が調べて
いたある事件の真相を隠すために、抹殺されたのだった。楽翁はその事件に関わっていた元老中・松平定信だった。庄左衛門が残した備忘録に
よって、喜八郎だけはそのことを知っていたのだ。
 初めは面倒だと断った又十郎だが、水野忠成の悪政に泣く町の人を放っておけず、大道芸人のおとき(釈由美子)、春之丞(宝海大空)姉弟と、
又十郎に負けてから付きまとうようになった木村源兵衛(池田努)、そして喜八郎とともに「隠密組」を結成。世直しを人知れず行っていく。
 バックストーリーは暗いですが、毎回の内容は明るく楽しいドラマでした。又十郎の七変化(しかもかなりおちゃらけた)あり、喜八郎の作る秘密兵
器あり、微妙な恋模様あり。大奥に忍び込んだり、埋蔵金を掘り当てたりと、奇想天外。
 又十郎は父の死の真相に近づくのか、その時楽翁はどうするのか、そして又十郎の育ての親である喜八郎の対応は…。
 又十郎の父が主役の35年前を舞台とした、正月時代劇『隠密秘帖』からの続きとなる作品です。(11.4.28改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/onmitsu/
 
御宿かわせみ
 高島礼子 ・ 中村橋之助 主演   05年5月13日〜8月5日   NHK 金曜夜9時15分から
 NHK金曜時代劇です。平岩弓枝原作のこの作品は何度もあちこちでドラマ化されているんですが、このシリーズでは三回目です。
 元・同心の娘で、旅籠かわせみを営む、るいと、与力の家の次男・神林東吾との恋物語を中心とする、江戸の市井の人々の悲喜こもごもの人情
話。
 この三章では、身分違いの偲ぶ恋だった二人が、祝言をあげるまでを描いています。
 脇役陣には、NHK好み(?)のサッパリスッキリ男前が多いです。(05.8.28改稿)

六回目以降の毎週の感想はこちら

快刀!夢一座七変化
 三田村邦彦 主演   96年10月17日〜97年3月13日   テレビ朝日
 タイトルどおり、旅回りの芝居一座、夢之丞一座が毎回悪人を見つけては退治するという、お約束ものの勧善懲悪時代劇なのですが、その懲ら
しめ方がなにせ普通じゃない。彼らは芝居一座、だから退治の仕方も芝居仕立てなのです!
 まず悪の全貌が明らかになると、座頭の宇津井健が筋書きを書く。そして必要な小道具をそろえて、各人(一座の役者たち)自分の役割を覚え
る。そして準備完了でカメラに向かって、時には全員集合、時には綺麗どころと子役のアップの見得を切り、「支度は上々、あとは仕上げをごろうじ
ろ」で、CM入り。(セリフは間違ってるかも)
 あとはみんな本職役者なのでお手の物。変装して芝居して、悪人たちをだましていく。
 そして最後には、現場にリンドウの花を置いて去っていくのですが、放送当時の私はキキョウとの違いもよく分かっていなかったため、まさか「倫
道」と掛けているなんてことは気づきもしませんでした。というか、分かりにくいよ!
 全体的に芝居仕立ての上、へんてこりんアイテムも平気で登場の、遊び心満載の作品でした。
 三田村邦彦は看板役者役だし今度こそ正真正銘の主役かと思いきや、一番えらいのは宇津井健だし、アクションはアクロバットのできる若手二
人に持っていかれるし、マスコット的存在の女の子役はしっかりしてるし、三枚目はしっかり地井武男が抑えるしで、登場人物多すぎて、主役として
せいぜい最後のおいしいところを持っていけるぐらいで、本当に目立たなかった。その後時代劇から遠のいてしまった彼だが、作品には本当に私
好みのものが多かったので、ぜひまた似たような作品で戻ってきてほしいと切に思います。(05.12.21)

陽炎の辻2
   山本耕史 主演   08年9月6日〜11月22日  NHK 土曜夜7時半から

 約1年前に放送されたシリーズの第2弾。サブタイトルは「〜居眠り磐音江戸草子〜」。
 豊後関前藩の家老の跡取り息子だった坂崎磐音は、江戸での修行を終えて国元に帰ってくる。関前には将来を誓った奈緒(笛木優子)が待って
おり、すぐにでも祝言を挙げるはずだった。しかし関前では、大変な事件が待ち構えていた。磐音とともに江戸から帰ってきた幼馴染・琴平(塩谷
瞬)、慎之輔(柏原収史)。慎之輔の妻であり、琴平の妹・舞(菊池麻衣子)が浮気をしていると噂になっており、逆上した慎之輔は舞を斬ってしま
う。だがその噂は、酒毒に侵された慎之輔のおじが流したものだった。妹を殺され激怒した琴平は、慎之輔とそのおじを斬り、立てこもる。その事
態の収拾を任されたのは、磐音だった。己の命運尽きたことを悟り、磐音と立ち合うことを望んだ琴平を、磐音は死闘の末、斬る。そしてその時の
怪我が元で寝込んでいた磐音が回復した時には、琴平の家はとりつぶされ、その妹であった奈緒は行方知れずになっていた。磐音は3人分の位
牌を持って、江戸へと出奔する。…というのが、第一シリーズの始まりでした。
 そんな過酷な過去を背負い江戸に着いた磐音は、大店の両替商今津屋で働いているおこん(中越典子)と出会い、彼女の父・どてらの金兵衛
(小松政夫)の長屋を世話される。そして毎朝のうなぎ裂きの仕事を得る。今津屋の元締め・由蔵(近藤正臣)に認められたり、用心棒をした時の
仲間で、剣はいまいちだが、意外と弓が得意な品川柳次郎(川村陽介)に慕われたり、さらに用心棒仲間に武村武左衛門(宇梶剛士)が加わった
りと、江戸での生活は充実。磐音は新しい生活になじんでいく。
 一方、奈緒は、吉原一の花魁・白鶴(はっかく)大夫となっていた。
 また、藩を離れたはずの磐音だったが、困窮ぶりを見かねて手助けに走ることになる。藩の物産品を今津屋に一手に任せることで救ったり、お
家騒動で揺れるところを蔭ながら救ったり。
 この第2シリーズでは、奈緒との関係に終止符を打ち、藩の御用で江戸に出てきた父・坂崎正睦(平泉成)とも再会。おこんと結婚する許可を得
る。
 陽だまりの猫のようなと称される、誰に対してもおごらず穏やかな磐音。それゆえ、誰からも慕われる。だが剣の腕は一流、どんな相手の攻撃も
やわらかに受け流し、半目を閉じて見切ったところで打ち負かす。さわやかな中にも憂いがのぞく、山本耕史の演じる磐音がとにかく秀逸です。
 原作は佐伯泰英の『居眠り磐音江戸双紙』(ちなみに「陽炎の辻」は一巻のタイトル)。前シリーズから15分短縮になって、一回30分、全12回と短
いですが、そこに詰め込まれた内容の濃さはNHK時代劇歴代一といっても過言ではない、濃密な出来です。(08.12.14改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/kagerou2/

陽炎の辻3
   山本耕史 主演   09年4月18日〜8月8日   NHK 土曜夜7時30分から

 凄惨な過去を持ちながらそれを見せず、普段は陽だまりの猫のような笑みを絶やさない穏やかな人柄でありながら、一度剣を抜けば、その気迫
だけで肝の座らぬ者は逃げ出してしまうほどの剣技の持ち主。誰にも愛されるさわやか青年・坂崎磐音(山本耕史)の物語、三作目です。原作は
佐伯泰英の『居眠り磐音江戸双紙』(ちなみに「陽炎の辻」は一巻のタイトル)。
 話は、気鬱になったおこん(中越典子)を連れての湯治の旅から、2人が帰ってきたところから始まります。まだ約束を交わしただけとはいえ、幸
せそうな2人。だがそんな中、磐音は襲われる。襲ってきたのは、以前、磐音が将軍御側御用取次速水左近(辰巳琢郎)の手助けをしたことで不
況を買った田沼意次の命を受けた忍の集団・雑賀衆。仲間を蹴散らされた雑賀衆の頭領・雑賀泰造(竹内力)は、刺客を雇い、執拗に磐音を狙
う。
 一方、磐音に、彼の通う江戸一の直心影流佐々木道場の主・佐々木玲圓(榎木孝明)から、養子になって道場を継いでほしいという話が出る。今
は脱藩の身の上とはいえ、磐音は豊後関前藩国家老・坂崎正睦(平泉成)の嫡子。父に相談せずに決めることはできない。そしてそんな磐音との
結婚に、おこんは身分の差がありすぎると悩む。
 磐音は長屋での生活を引き払い、勤め先の今津屋を辞めたおこんを伴って、関前藩の父母の元へ許しを得に一時帰国の旅へ。途中、襲ってき
た雑賀泰造とも決着を付け、関前藩でおこんとの仮祝言を挙げる。
 毎回、メインの話に、人間ドラマに、刺客との戦いと、とにかく30分とは思えないボリュームの作品。その分、一つ一つがゆっくり見せられないの
が、ちょっち残念な気もしましたが、今回も絶好調でした。
 ワンセグで、裏話的ドラマ「ぷちかげ」も配信されました。(09.9.1改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/kagerou3/index.html

風の峠〜銀漢の賦
 
   中村雅俊 柴田恭兵 主演   15年1月15日〜2月19日   NHK 木曜夜8時から
 
 月ヶ瀬藩・郡方見廻役の日下部源五(中村雅俊)は、出世からはほど遠い生活を送っていた。そこに彼の娘婿である津田伊織(池田鉄洋)が、藩の実権を握る家老の松浦将監(柴田恭兵)を斬ってほしいという依頼を持ってくる。源五と将監、そして農民の十蔵(高橋和也)は、子供のころ、三人で空の銀漢(天の川)を眺め、夢を語り合った友人であった。しかし雲の上の人となった将監と会う機会もなくなり、十蔵の死をきっかけに、源五は将監と絶交する。源五は将監を殺すことを引き受ける。だが将監暗殺の裏には、藩の行く末を左右する大きな陰謀が隠されていた。
 源五と将監の過去を織り込みながら、かつて親友だった男二人の藩への思いと、暗殺計画の裏側を描いていきます。
 原作は葉室麟の『銀漢の賦』。全六回でしたが、描かれた期間が長く、内容の濃い作品でした。(15.3.23改稿)
 
 
桂ちづる診療日録
  市川由衣 主演   10年9月4日放送開始   NHK 土曜夜7時30分から

 大坂で華岡青洲に、そして長崎でシーボルトに医術を学んだ、若き娘蘭方医・桂千鶴(市川由衣)の物語です。医術はもちろん、護身用の柔術も
達人の天才肌な千鶴。だが急逝した大好きな父・東湖(遠藤健一)の診療所を継いで開業してからは、まだ半年。夢中で切り盛りしてきたところ
で、女牢の囚人を診る牢医師にならないかと声がかかります。
 医学の知識は一人前の千鶴ですが、惚れっぽかったりと若い娘らしい一面も。そんな彼女を支えるのは、父の友人だった酔楽先生(三宅裕司)
や、母親代わりで、今は診療所の右腕である、元は女中のお竹(キムラ緑子)。そして大好きだった父との思い出と教え。幼少のころから父と父の
仕事に憧れ医者になることに決めていた千鶴とは対照的に、血を見ると気絶する性質で医者を諦め、今は大好きな芝居の世界にどっぷりと浸か
っているお調子者の兄・陽太郎(高嶋政伸)との関わりもまた、注目でした。
 一筋縄ではいかない女囚たちとの交流や、千鶴を女で若いことを理由に認めようとしない本道(内科)の医者との対立、父の仇らしい人物の登場
など、翻弄されつつも、悩み、確実に成長していく千鶴。いつも根っこには医者として一人でも多くの人を救いたいという強い想いを持ち続け、元気
に活躍する千鶴に、見ていて好感が持てます。
 原作は、藤原緋沙子さんの「藍染袴お匙帖」シリーズ。全14回。(11.2.1改稿)


かぶき者慶次
   藤竜也 主演   15年4月9日〜6月18日   NHK 木曜夜8時から
 
 かつて戦国時代に「天下一のかぶき者」と呼ばれていた前田慶次。戦国の世が終わった慶長13年(1608)、上杉家の領地・米沢の地で、彼は他の家族とは離れ、息子の新九郎(中村蒼)と、女中や下男と共に悠々と、しかし慎ましく暮らしていた。
 新九郎(中村蒼)は、早くお家の役に立ちたいと、友達が城勤めを始めているのに、なかなか一人前と認めてくれない父に、反発を覚えていた。だが新九郎には、本人の知らない重大な秘密があった。慶次の実の息子ではなく、石田三成の遺児だったのだ。
 上杉家をつぶそうとする徳川の密偵が、石田三成の遺児がいたことを突き止め、新九郎の身にも危険が迫り、上杉家も内乱が起きそうに。恩のある三成から託された新九郎を守り、一人前に育て、上杉家を守る、晩年の前田慶次の活躍を描いた作品です。
 飄々として、かつてのかぶき者の心を忘れていない慶次に、慶次以上に肝の座った慶次の妻・美津(江波杏子)や、文武に優れたしっかり者の慶次の次女・佐乃(西内まりや)、新九郎の優秀な親友・安田勝之進(工藤阿須加)も見どころでした。
 全11回。(15.7.24改稿)
 
 
 
山田風太郎 からくり事件帖
〜「警視庁草子より」〜
   小林桂樹 佐野朝夫 主演   01年9月28日〜11月23日   NHK
 時は文明開化を迎えた明治の初期。元同心の千羽兵四郎(田辺誠一)は、新たな生きがいも見つけられないまま、旧知のご隠居の庵を訪れる
日々。このご隠居、実は最後の江戸南町奉行・駒井相模守信興(小林桂樹、第五話より佐野浅夫)。権力には未練はないものの、人の情けの分
かるご隠居は、力ずくで治安を行う大警視・川路利良(近藤正臣)のやり方が気に食わない。川路にひと泡吹かせようと、警官たちが難儀している
事件に首を突っ込み、力を持て余している兵四郎を使って、先に解決してしまう。
 基本は推理物で、ご隠居の知恵と兵四郎の殺陣だけでも痛快で十分面白いのですが、さらに興味深いのは脇役として登場するゲストや小道具。
坂本竜馬の妻・おりょうや、元江戸城御庭番、清水の次郎長の子分・大政といった幕末に活躍した人々や、若いころの森鴎外や幼子の樋口一葉
といった次の時代に活躍する人々が、けっして本筋を壊さない程度に慎ましく、うまく絡んできます。このあたり、さすがは虚実織り交ぜた作品が得
意の山田風太郎原作。それまで日本になかった写真や印刷機、油絵、オルゴールといった物たちも大活躍です。
 痛快な話の一方で、維新前後の戦いで敗者となって以来虐げられている元会津藩の人々も登場させるなど、元号が変わっても幕末期からの混
乱がいまだ収まっていないことも描いており、明治初期というのは本当に新旧入り混じった混沌の時代だったのだなあということがよく分る作品で
す。でもだからこそ、描ける話もたくさんあるだろうし、ぜひこの時代の作品(映像に限らず)が増えてほしいと思います。(08.8.17)

銀二貫
   林遣都 主演   14年4月10日〜6月5日   NHK 木曜夜8時から

 武士の子・鶴之輔は10歳の時に、逆恨みの仇討ちに父を狙われ、自分もともに殺されそうになったところを、偶然居合わせた大坂天満の寒天問
屋・井川屋の主、和助(津川雅彦)の「この仇討ちをこの銀二貫で買う」という言葉に救われる。その銀二貫は、火事で燃えた天神様の社再建のた
めに寄進する大事なお金だった。
 身寄りをなくした鶴之輔は、井川屋で丁稚として奉公するように勧められるが、銀二貫で役立たずの武士の子を買ったと番頭(塩見三省)から嫌
味を言われ、また松吉と名前を改めさせられたり、武士を捨てるように言われて刀を取り上げられたことに納得がいかず、反発ばかり。寒天の仕
入れ先である美濃志摩屋の伏見の寒天場に預けられる。そこでの辛い作業と寒天の臭いに耐えきれず、父といっしょに死にたかったと漏らすが、
職人の半兵衛(板尾創路)から、生きてみたらどうだと言われる。生きろというのは、父の遺言でもあった。
 辛い三年の奉公の後、井川屋に戻り、丁稚として働き始めた松吉。武士の居ずまいが抜けずに小言を受け、生きる意味を見いだせない辛い
日々の中、少女・真帆(芦田愛菜)に慰められる。ところがまた火事があり、真帆の家は焼け、真帆は行方不明に。再会した真帆(松岡茉優)は、
松吉を避ける。松吉は、寒天場で働いて以来、苦手だった寒天の素晴らしさを教えてくれた真帆の父・嘉平(ほっしゃん。)の供養と、真帆のため
に、嘉平の欲しがっていた腰の強い寒天作りの研究を始める。
 武士から商人へ、生きる道を変えさせられた松吉が、さらに振りかかる困難の中、死にそうになりながら、自分の生きる意味を見つけ出していく
物語です。運命に翻弄される彼らを、ナレーションも担当する天神様の狛犬の化身・テンちゃん(声・山口智充)が見守ります。
 原作は高田郁の同名小説。全九回で描く、大坂の風情たっぷりの人情時代劇です。(14.8.10)


「殺さず、犯さず、貧しき者からは奪わず」の掟を守り、まるで雲か霧のように、盗まれた方も気づかないほど鮮やかな手口で大金を盗む、雲霧仁左衛門(中井貴一)率いる盗賊集団『雲霧一党』。
 火付盗賊改方に就任した安倍式部(國村隼)は、雲霧一味を根絶やしにすることに執念を燃やし、その的確な指示は部下たちからの信頼も厚い。しかし彼の上を行く巧妙な作戦を立て、実行していく仁左衛門もまた、凄腕の手下たちから強く慕われています。
 仁左衛門は式部の実力を認め、火付盗賊改の動きを探るため、同心・岡田甚之助(甲本雅裕)を金と脅しで内通者に引き込みます。そして尾張の豪商松屋に狙いを付け、二万両を盗むことを目標とし、手下たちに分配して一味を解散すると話します。
 しかし仁左衛門の狙いが江戸ではないと気づいた式部は、仮病を装い岡田を遠ざけ、一方で同心たちに一味のあとを追わせます。そして部下からの知らせを受け、自らも尾張へと向かいます。
 仁左衛門は、手下の七化けのお千代(内山理名)を公家の後家に化けさせ、松屋の後妻にし、引き込み役にします。そして三重に鍵のかかった松屋の金蔵に苦労して忍び込むも、一万両を盗み出したところで式部が尾張に来たと知り、引き揚げることを決断します。
 盗賊の頭でありながら気品を漂わす雲霧仁左衛門と、様々な芸に秀でた手下たち、熱い正義心と冷静な頭脳を持つ安倍式部の、壮絶な頭脳戦の真剣勝負。魅力的な雲霧の手下たちも丁寧に描かれ、一瞬たりとも目が離せない、手に汗握る対決物語です。
 13年10月からBSプレミアムで放送された連続時代劇の地上波放送です。原作は池波正太郎の同名小説。全6回の放送でした。(2019.7.7改稿)
 
 
 誰一人傷つけることなく、大金を盗み取る盗賊一味。盗まれた方も気づかぬほどに、雲か霧かのように鮮やかに盗む手口から、付いた二つ名が雲霧一党。お頭の仁左衛門以下、小頭の木鼠の吉五郎(伊武雅刀)、州走りの熊五郎(手塚とおる)、七化けのお千代(内山理名)、因果小僧六之助(柄本佑)など、凄腕ぞろい。
 一方、雲霧一味を捕えることに執念を燃やす火付盗賊改方長官・安倍式部。配下からの信頼も厚い人格者で、時に雲霧一味を出し抜くほどの切れ者で、剣の腕も仁左衛門と互角の腕を持つ。
  第一シリーズで名古屋の豪商から金を奪い損ねた雲霧一党は、江戸で新たな狙いを付けます。しかし他の盗賊や盗賊改めたちの邪魔が入り、そう簡単に事は進みません。そして最後の大仕事では、雲霧一味最大の危機が…。
 今シリーズでは仁左衛門の兄・辻蔵之助(田村亮)も登場し、仁左衛門の過去が明らかになります。彼はなぜ盗賊の一味を作り、そして解散するのか。そして彼の悲願は達成できるのか。そして再び対峙する、雲霧仁左衛門と安倍式部との、だまし合いとも言うべき頭脳戦の行方は。急展開を見せる第二シリーズです。
 2015年2月からBSプレミアムで放送された作品の、地上波初放送です。
 原作は、池波正太郎の『雲霧仁左衛門』。全8回の放送です。(19.8.24改稿)
 
 

鞍馬天狗
   野村萬斎 主演   08年1月17日〜3月6日   NHK 木曜夜8時から

 白馬にまたがり颯爽と現れる、宗十郎頭巾の正義の剣士、鞍馬天狗! 大佛次郎の懐かしのヒーローの復活です。演ずるは狂言師の野村萬
斎。
 京の町に突然現れた謎のヒーローの正体は、公家の嫡男でありながら叔父・小野宗行(村井国夫)に父を殺され、忠臣・浦部甚太夫(苅谷俊介)
によって鞍馬の山奥に逃げ伸び、仇を取るようにと天狗並の武芸を身につけた小野宗房。浦部が死んだことで、幕末の京の町に下りてきた彼は、
佐幕派と倒幕派の血なまぐさい抗争におびえる庶民の姿を目の当たりにし、また仇の宗行も殺されたことで、すべてのしがらみを捨て、倉田典膳と
名を変え、鞍馬天狗として正義のために闘うことを決意。
 そんな彼の協力者は、ひょんなことから知り合った桂小五郎(石原良純)。勤皇派志士の筆頭でありながら、お天気豆知識を披露したり(石原良
純だけに)と、なかなか気さくな兄ちゃん。恋人の幾松(羽田美智子)は京一番の芸妓で、肝の据わり方は彼以上。それから倉田の従兄弟の白菊
(京野ことみ)。姫様でありながら、弓の名手で、父の宗行亡き後は、芸妓になるという、これまた肝っ玉の据わった女性。危機を救ってくれた鞍馬
天狗に熱い思いを寄せるが、彼の正体が倉田だと知ったのは最終回。そして忘れちゃいけない杉作(森永悠希)。子供ながらも、命の恩人である
鞍馬天狗を命を張って助けた、勇気ある賢い少年。登場は残念ながら7回目から。
 もう一方の幕末のヒーロー、新選組とは、初対面の印象の悪さと、桂たちを助けたことで、敵対関係の鞍馬天狗。しかしその局長である近藤勇
(緒形直人)とは、敵どおしながらも互いの力量を認め合い、同じ敵に対した時には背中を預けて戦った仲。いつかは決着をつけなければならない
間柄ながらも、二人の間には、一種の友情に近い感情も。鞍馬天狗は勤皇派ではあるけども、あくまで正義の味方。勤皇派といえども庶民を苦し
める志士には鉄槌を下すし、新選組隊士の女であっても誠を貫く女性には肩入れする。そんな真のヒロニズムが満載。
 素顔の時は、子供のように純真で、ちょっと惚れっぽい、とてもスゴ腕とは見えない華奢な体躯の倉田典膳。しかし一度、無為に命を奪われよう
としている人あれば、白馬にまたがり鞍馬天狗に変身! その強さときたら、残像が見えるほどの剣捌きも見事ながら、天狗を名乗るだけあって、
鞍馬の山で鍛えた身の軽さは、屋根の上まででもひとっ飛び。あちらかと思えばこちらに現れる、奇術としか思えないワープ技に、隠し技の短筒の
早抜きもお手の物。味方のピンチに絶妙のタイミングで現れ、さわやかに去っていく、まさしく正義の変身ヒーロー。いまどき珍しい勧善懲悪、愉快
痛快、昔懐かしいお年寄りから子供までワクワク楽しめる、爽快活劇時代劇でした。が、残念ながら、全八回で終了。続編が作られることを期待し
ます。(08.4.4改稿)



軍師官兵衛
   岡田准一 主演   14年1月5日〜12月21日   NHK 日曜夜8時から

 この男がいなければ、豊臣秀吉の天下統一はなかった…、と、言われる、黒田官兵衛の生涯を描いた物語です。

 播磨の姫路城主だった黒田家の嫡男として生まれた黒田官兵衛。血気盛んな青年時代、友人でもあった荒木村重(田中哲司)に裏切られ、土牢に入れられ命を削り、助けられたのちは凄みを増した壮年時代、天下を獲った秀吉との間に生じ始めた確執、そして出家し「如水」と名を改め、豊前で暮らした晩年を、 ジャニーズきってのアクション俳優の地位を獲得しつつある岡田准一が演じ分けました。

 脇には、深い絆で結ばれた黒田家家臣団の栗山善助(濱田岳)、母里太兵衛(速水もこみち)、井上九郎右衛門(高橋一生)、生涯愛し続けた妻・光(中谷美紀)、まっすぐな気性の嫡男・長政(松阪桃李)など、演技派の俳優が占めました。中でも、1996年の『秀吉』でも豊臣秀吉を演じた竹中直人が同じ秀吉役を演じて話題になりました。

 歴史上、それほど有名ではない黒田官兵衛の生涯を描いたことで、戦国時代の播磨の情勢や、織田信長の中国攻め時の毛利家、キリシタン大名の悲劇、朝鮮半島への侵攻、九州の戦国武将など、今まであまり描かれることのなかった部分が詳しく描かれた作品でもありました。(15.01.26改稿)

番組公式サイト http://www9.nhk.or.jp/kanbe/

 

 


慶次郎縁側日記2
  高橋英樹 主演   05年10月7日〜12月9日   NHK 金曜夜9時15分から
 昨年放送された『慶次郎縁側日記』の続き。原作は北原亞以子の「慶次郎縁側日記」です。
 森口慶次郎(高橋英樹)は元・南町奉行所定町廻り同心。同心時代の彼の哲学、『同心は下手人を捕まえるのが役目じゃない、下手人を作らな
いのが役目だ』から、ついたあだ名が『仏の慶次郎』。現在は隠居して、寮番(管理人)をしている。
 一人娘・三千代が、祝言の直前に乱暴されたことが原因で自害したという過去を持つ慶次郎。その彼と、その事件に関わった人たちの心情と流
れていく時間を描いて、「生きる」とは、そして「罪を許す」の意味を考える作品。
 今回は、慶次郎の養子夫婦、晃之助(比留間由哲)と皐月(安達祐実)に子が生まれ、八千代と名づけるところから、三千代に乱暴した犯人・常
蔵の娘・おぶん(邑野みあ)が幸せになるまでが、描かれました。またそれぞれの登場人物の過去にスポットを当てた回が多かったのも、ファンに
はうれしい作りでした。(05.12.24改稿)

各回ごとの感想はこちら

慶次郎縁側日記3
  高橋英樹 主演   06年10月12日〜12月21日   NHK 木曜夜8時から
 同名シリーズ三作目。今作のテーマは、『人は人を、本当に救えるのだろうか?』でした。
 養子夫婦の家を訪れた慶次郎は、その帰り道に襲われ怪我を負います。襲ってきたのは、慶次郎が11年前、隠居する前に手がけた事件で、自
暴自棄になっていた下手人を、慶次郎自身が「生きて償え」と島送りにした男だった。その彼と因縁深い「仏の喜兵衛」と呼ばれるもう一人の「仏」
も登場したこのシリーズでした。
 また、慶次郎の養子・晃之助(比留間由哲)の嫁・皐月(安達祐実)の母が気鬱の病になり、皐月が実家に帰ることが多く、二人の仲がぎくしゃくし
たりといった話もありました。
 慶次郎と、同居の佐七(石橋蓮司)との仲も、お互いがお互いを必要とする間柄に進展。二人の掛け合いの息もぴったりです。(07.1.11改稿)

各回ごとのあらすじはこちら

幻十郎必殺剣
   北大路欣也 主演   08年1月18日〜3月14日   大阪 金曜夜7時から

 一度は死んだはずの男が、死神となって悪を斬る!……原作は、黒崎裕一郎の「冥府の刺客」シリーズ。余談ながら、黒崎裕一郎は、脚本家中
村勝行のペンネームで、中村敦夫の弟でもあります。
 南町定町廻り同心の神山源十郎は、愛妻・織江(奥貫薫)を凌辱した同僚・隠密同心の吉見を切り殺し、5年の投獄の末、斬首刑となる。ところ
が実際に斬首されたのは、身代わり。彼の命を助けたのは、楽翁(中村敦夫)と名乗る隠居。実は彼の正体は松平定信で、自分を追い落とした一
橋治斉と田沼意正に恨みを抱き、今の世の腐敗ぶりに一矢報いようと日ごろから画策、その手駒として、源十郎を助けたのだった。
 死んだ身となった源十郎は、幻十郎と名を変え、同じく被害者である騙されて妻を襲った吉見の妻・志乃(戸田菜穂)の手助けもあって、5年前の
事件の裏にあったアヘンの密売を突き止め、真の仇を討つ。その後も楽翁は、幻十郎に金をエサに政治の悪の暴露を命じるが、幻十郎は己の正
義感でのみ動き、悪人を殺す死神としてその剣をふるう。(08.4.6改稿)

スペシャルの紹介はこちら
番組公式サイト http://www.tv-tokyo.co.jp/genjyuro/



   上野樹里 主演   11年1月9日〜11月27日   NHK 日曜夜8時から

「姫たちの戦国」とサブタイトルのついた今作は、大河ドラマ50作品目でした。
 織田信長(豊川悦司)の妹・お市(鈴木保奈美)の三女として、籠城中に生まれた江。信長から「自分の信じる道を思うままに生きよ」という言葉を
もらい、城の中を自由に動き奔放な幼少期を送るも、その信長も滅ぼされ、母と二番目の父とも死に別れ、実の父を攻めた秀吉(岸谷五朗)の養
女とさせられ、自らの意思を無視された三度の結婚に、ただ流されて生きるしかできないだと諦めを持つ。だが三度目の結婚相手である徳川秀忠
(向井理)も、偉大すぎる父・家康(北大路欣也)を前に同じような思いを持っていることを知り、戦国の世をともに終わらせたいと考えるようになる。
 サブタイトルのように、江の姉である茶々(後の淀・宮沢りえ)と、初(水川あさみ)との三姉妹を中心に、戦国三傑の時代を翻弄されながらも、多く
の子を産み、最後には将軍の妻となり、将軍の母となった江の半生を描いた作品でした。
 『篤姫』と同じ田渕久美子の、オリジナル脚本でした。(11.12.13改稿)

番組公式サイト http://www9.nhk.or.jp/go/top.html


功名が辻
 仲間由紀恵 主演   06年1月8日〜12月10日   NHK 日曜夜8時から
 NHK大河ドラマ初とも言える、戦国ホームドラマ。原作は司馬遼太郎の同名小説。
 戦国時代、一介の浪人から最後には土佐の領主にまでになった山内一豊の出世を、影に日向に支えて助けた、「内助の功」の代名詞も言うべき
その妻・千代の話。とはいうものの、戦国ものを女性視点だけでは描くことは困難だったのか、主役の千代より、夫の一豊や、他のヒーロー的戦国
武将、信長、秀吉、家康の出番が多い回も多数。
 女性の脚本(大石静)だったせいか、全体に恋愛の話が多く、秘めた恋仲の明智光秀とお濃や、相思相愛の信長とお市の兄妹、愛に飢えた悪
女な淀君、そして臨終の言葉が愛の告白だった竹中半兵衛や、千代の幼馴染の六平太など、際立った役が目立つ作品でした。また、主軸が夫婦
愛だったこともあり、主役が等身大の人物だったことと重なって、女性や若い社会人といった新たなの視聴者を集めたのか、昨今のテレビ低迷化
の中、高視聴率をキープしました。
 本能寺で銃撃戦をやった舘ひろしの織田信長や、千代をずっと好きだったのに千代が一豊に恋したため、一生を千代を守るために捧げた忍・
六平太(香川照之)など、NHKの大河ドラマとは思えないような、民放に負けない突飛な面白さが走った作品でした。
  反面、歴史の重大シーンに一豊をもぐりこませるため、やや強引な展開があったり、合戦シーンなのに個人戦しか描かれなかったりと、歴史ド
ラマとして見ると、やや見劣りする点もありましたが、楽に楽しく見れる大河ドラマという、新たなジャンルを切り開いたある意味革命的な作品だと思
います。(07.1.2改稿)

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25〜最終回までのコメントはこちら

   沢口靖子 古田新太 主演   19年7月27日〜9月21日   NHK 土曜夜6時5分から
 江戸、本所に暮らす勝家。戦国の世から徳川家に仕える由緒正しき家柄ではありますが、婿養子の小吉がいるのは小普請組。泰平の今の世では無役で、家禄はあれど役料はありません。それゆえ勝家はいつも貧乏で、おばば様こと登勢(江波杏子)と朝食の時に嫌味を言い合うのが日課になっています。その勝敗の判定をひそかに下すのが、利発な嫡男・麟太郎(鈴木福・福冨慶士郎)。のちの勝海舟です。そしてそれをにこにこと眺めているのは、妻のお信。何があってもほんわかとした笑顔で受け止めてしまいます。
 曲がったことが大嫌いなまっすぐな性格で、無鉄砲だけど憎めない小吉と、そんな彼にめっぽう惚れている天真爛漫なお信。幼きころの勝海舟の逸話もたっぷり見れる、小吉とお信の波乱万丈だけど、仲睦まじい夫婦の朗らかな作品です。
 同年1月からBSプレミアムで放送されていた作品の地上波初放送でした。(19.10.26改稿)
 
 

坂の上の雲
  本木雅弘 阿部寛 香川照之 主演   09年11月29日〜11年12月25日   NHK 日曜夜8時から

 司馬遼太郎が十年の歳月をかけて執筆した同名小説を初映像化。09年11月から第1部放送、全5回、10年12月には第2部放送、全4回、11年
12月には第3部放送、全4回という、3年に渡りこの3部作を放送するというNHK渾身のスペシャルドラマ。スペシャルというだけあって、明治の街
並みや海戦の様子をCGをふんだんに使って再現したり、海外ロケも大規模に行うなど、贅沢な作りでした。
 開国、維新と日本が大きく生まれ変わったばかりの明治という時代を、たとえば坂の上に見える一朶の雲のみを見つめて登るように、ただ前に
前にとひたむきに生きた、三人の男たちを軸に据えて描く壮大な物語。一人は、連合艦隊参謀を務め、バルチック艦隊を沈めて日清戦争を勝利
に導いた秋山真之(本木雅弘)。そしてその兄であり、「日本騎兵の父」と言われた秋山好古(阿部寛)。そして真之の幼なじみであり、俳人の正岡
子規(香川照之)。
 気まじめで、子供のころは誰よりもケンカが強かったのに、実は繊細な心も持つ真之、秀才で努力の人ながら、なにかにつけ豪快な好古、お調
子者で食い意地が張っているが憎めない、病との壮絶な戦いをしながらも近代日本文学に多大な影響を与えた子規、そして彼を献身に看病した
妹・律(菅野美穂)、それぞれそのほかの登場人物たちも非常に似合っており、また誰も良い演技でした。また映像も美しく、特に戦争の映像は迫
力があり、痛々しかったです。(12.1.31改稿)
 
番組公式サイト http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/


咲くやこの花
   成海璃子 主演   10年1月9日〜3月27日   NHK 夜7時30分から

「どうかこの一年、目立ちませんように…!」初詣の願い事でこんなことを祈る、小さなころからなにかにつけて(いい意味で)人目を惹いてしまうの
が悩みの漬物屋の娘、こい・17歳。だが江戸一の大店・百敷屋が「大江戸かるた腕競べ」を開催することになり、百人一首が得意なこいは、出場さ
せられることに…。
 はじめは嫌々腕比べに出たこいだったが、父親の敵討ちを目指す浪人・由良(平岡祐太)と出会い、だんだんと心惹かれ、そして彼女が勝ち進
むことが由良を助け救うことになると気付き、真剣に取り組むようになる。そんな彼女を見守り、時に適切な助言を与えてきた、寺子屋の師匠・は
な先生(松坂慶子)の助けもあって、こいはどんどんと勝ち進んでいくが…。
 百人一首をテーマにしたオリジナルの脚本だけあって、細部にまでちりばめられた百人一首にまつわる小ネタ、伏線が、まるで推理小説のように
すばらしいドラマでした。また、恋の歌が多数ある百人一首がテーマということで、見ていてかゆくなったり、泣きたくなったり、温かくなったりする恋
のエピソードももりだくさん。恋愛に年齢は関係ありません。それでいて、何度も用意されているどんでん返しに、予定調和なラストなど、ストーリー
は秀逸でした。
 ヒロインの成海璃子と、ヒーロー役の平岡祐太は、時代劇初出演。でも二人ともそうとは思えないほどよく似合っていました。そして土曜時代劇に
なって初の女性主人公。百人一首がテーマとなるのはNHK時代劇初。と、初物尽くしのこの作品。こいの成長と初恋とを描く、さわやか大江戸青
春グラフィティーです。(10.5.13)

 
真田丸
   堺雅人 主演   16年1月10日〜12月18日   NHK 日曜夜8時から
 生涯二度に渡り徳川家康の軍を退かした智将・真田昌幸(草刈正雄)、徳川家康に仕え、幕末まで続く大名真田家の基礎を作った真田信之(大泉洋)、そして、大坂の陣で徳川家康を自害直前まで追い詰め、敵ながら「日の本一の兵(つわもの)」と言わしめたという真田信繁(幸村)。その親子を中心に真田一族を、戦国時代の荒波にもまれながら進む、一艘の船に見立てた作品です。現代でもゲームなどで大人気の真田幸村ですが、大河ドラマの主役になるのは、意外にもこの作品が初めてでした。
 信繁(幸村)が若き頃に仕えた豊臣秀吉(小日向文世)の人間臭さと天下人としての恐ろしさや、真田家と敵対する徳川家康(内野聖陽)の小心者が次第に天下人としてのふてぶてしさをまとっていく感じなど、脇を固める大物武将たちの演技が光る作品でした。
 脚本は、堺雅人を一躍有名にした『新選組!』の脚本も書いていた三谷幸喜でした。(17.2.6改稿)
 
 
猿飛三世
   伊藤淳史 主演   13年4月11日〜6月6日   NHK 夜8時から

 猿飛佐助の孫が主役の痛快忍者活劇です。昨年の10月からNHKのBSプレミアムで放送された作品が、地上波に登場です。
 佐助は、忍びの里で仲間たちと修業に励みながらも、鬱屈した日々を過ごしていた。偉大な祖父を持ち、その祖父と同じ名を与えられた佐助だっ
たが、幼少期の忍びの手ほどきを受ける前に父が家を出て行っており、家に伝わる「忍、天、風、人、同、殺、活」の七字からなる秘伝の意味も分
からない。また生き物を殺すことができない佐助は、自分の存在価値を見失っていた。
 そんなある日、里に高波藩・京留守居役の娘・お市(水川あさみ)が里にやってくる。高波藩はお家騒動の渦中にあり、お市の父親・梅宮主膳(堺
正章)は命を狙われていた。お市を京まで送って行くことになった佐助は、その道中、お市から、小さくても石垣を築くのに重要な役目を果たしてい
るごろた石の話を聞き、自分の目指す道をおぼろげながらに見つけた佐助は、お市を守りたいと決意を固めて自分も京に残ることにする。
 生計を立てることから、人の心の見破り方、主膳・お市親子を真に助けるにはどうしたらいいかなど、仲間や、母・お辰(浅野ゆう子)、長屋の人
たち、そして主膳が信頼する商人・徳三郎(柳葉敏郎)(実は父)の手を借りながら、佐助は成長し、秘伝の極意も一つ一つ体得していきます。
 忍術の監修が付いたり、千葉真一がオープニングのナレーションをしていたり、かなり本気な心意気を感じる作品です。が、一番の見どころは、
大物悪役な梅沢登美男でもなく、佐助の強敵となる服部半蔵の孫・服部伴蔵(浪岡一喜)とのアクション対決でもなく、柳葉敏郎の身のこなしの素
晴らしさだったりします。アクションも完璧です。
アクション満載で送る痛快時代劇、佐助の、人として、忍びとしての成長の物語です。(13.7.8改稿)


三匹が斬る!
 高橋秀樹 役所公司 春風亭小朝 主演  87年10月22日〜88年3月31日   テレビ朝日
 記念すべきシリーズ一作目! すべてのお話はここから始まりました!
 ただし、始まり始まりっぽいのは一回目のみ。二回目からは後のシリーズのノリと大きな違いはありません。一回目の星空の下であだ名を付ける
シーンはファン必見ですよ! このシーン以外に仲良くなっていく『過程』は見れませんから。
 浮世離れした思想と家柄の良さを感じさせる物腰から『殿様』と呼ばれる矢坂平四郎(高橋英樹)。夢は剣の腕を千石で買ってもらうこと、の浪人
『千石』こと久慈慎之介(役所公司)。「たこの吸出し」を売っていたから付けられた『たこ』こと、実は甲賀忍者の末裔、燕陣内(春風亭小朝)。この
三人に、全国のおいしい物を覚えて料理屋をするのが夢のお恵(杉田かおる)を加えた珍道中。
 まだ各役のイメージが固まっていないようで、殿様が袴だったり、たこが着流しだったり、千石が悪人っぽかったりと、模索の跡が見えて新鮮で
す。EDの画像も毎回変わるし、たこも弱そうだし(笑)、千石の笠も新しいし(笑)。(05.8.26改稿)


続々・三匹が斬る!
 高橋秀樹 役所公司 春風亭小朝 主演  90年1月4日〜6月28日   テレビ朝日
 あまりに有名で、人気のあった番組なので説明はいらないかと思う『三匹が斬る!』シリーズの3作目。ヒロインは、お蝶(長山洋子)です。
 今でも思い出の時代劇話をしたら、知らない人同士でも20代後半より上は必ず名が上がり、盛り上がること受け合いの名作です。
 3作目というとで、キャラクターイメージも固まり、見せ場のパターンも決まり、なおかつ毎回の話のネタに勢いがある、というシリーズ中もっともバ
ランスのとれた作品だと思います。

 私事ながら、流之介のもっとも好きな時代劇です。コメント書くのに手が震える作品は、きっと後にも先にもこれだけでしょう(笑)。
 今回、執筆に当たって検索かけたら出るわ出るわ、数年前に見たコアなファンサイトも残ってました。十年以上前の作品ですよ。すごいことです。(05.7.7)


刺客請負人
   村上弘明 主演   08年7月18日〜9月12日   大阪 金曜夜8時から

 ちょうど1年前の放送から、再び帰って来たシリーズ第2弾。
 凄惨な過去から宮仕えがほとほと嫌になり、脱藩して浪人となり、叩かれ屋を営む松葉刑部。その剣の腕を見込み、江戸の裏社会で「助っ人屋」
を取り仕切る徳松(柄本 明)が、手伝いを頼みこむ。助っ人屋の手伝いをするうち、徳松の商売敵、闇猫のお吉(若村麻由美)と敵対関係に。闇猫
一味の刺客をことごとく倒し、壊滅に追いこむ。と、ここまでが第1シリーズのお話でした。
 以降、闇の仕事から離れ、叩かれ屋一筋の刑部。徳松からまた仕事を手伝ってほしいと頼まれ、再び闇の世界へ。第一シリーズの後、江戸を離
れていたお吉も江戸に舞い戻ってくるが、今度は江戸最大の闇組織「闇法師」にかくまわれるという、微妙な立場。刑部と闇法師の実力者「七人
衆」との対決がメインになるかと思いきや、みなへぼへぼで、闇法師壊滅まっしぐら。なので見どころは、猫姐さんことお吉の立ち位置と七変化で
す。
 一方、刑部行くところなにかともめ事が起こることで北町奉行同心・岩切伊十郎(山田純大)にも目をつけられ付きまとわれ、徳松、お吉に続いて
第1シリーズにもましてさらに方々から引っ張りだこの刑部。でもひときわ異彩を放っていたのは、蝙蝠もびっくりなほど、変わり身しまくりかつ、お
吉にメロメロさ加減がヤバい七人衆の一人・道八(本田博太郎)。もう一人のお吉の手下、若い燕ならぬ雀(河野朝哉)とともに、今回も楽しそうな
闇猫一家でした。
 敵キャラクターの面白さで話題騒然となった第一シーズンの良いところは受け継ぎつつ、さらに面白みと深みを増した第二シーズン。最終回で
は、お吉をかばって火縄銃の包囲網の中に突っ込んでいった刑部。はたして彼の生死は? そして次シリーズはあるのかいかに?(08.10.11改稿)

番組公式サイト http://www.tv-tokyo.co.jp/shikaku/


将軍の隠密!影十八
 三田村邦彦 主演   96年1月27日〜6月29日   テレビ朝日
 闇奉行ものと必殺シリーズとを足したようなこの作品。
 番組冒頭でオープニング代わりに流れるナレーションによると、将軍家には17の組の隠密がいるそうで、その正規の隠密では裁けない悪を成敗
するため密かに作られたのが、一橋宗尹公が管轄する、十八組目の隠密、この影十八。もともと隠れた秘密組織である隠密のさらに影って、どこ
まで隠れれば気が済むんだ?とツッコミたくなる秘密組織です。
 彼らは普段は医者だったり板前だったり軽業師(裏の仕事の隠れ蓑にしては際どすぎると思う職業)だったりと普通の江戸の住人なのだが、一
度、悪の匂いをかぎつけると、捜査に乗り出し、表からでは裁けないと分かると、闇にまぎれて繰り出しそれぞれの得意技で始末する。その技が
「刺のついたメリケンサックで殴り殺す」だったり、「2、30センチぐらいある針を首に貫通させる」とまあ、給金の出どこが違うだけで、どこかで見た
ような展開。
 今までコロッケや西岡徳馬と組んでの主役だった三田村邦彦、初の一人主役か!とや思いきや、一橋宗尹役の里見浩太朗が準レギュラーでし
た。
 全体的にチープな雰囲気が漂うものの、そこそこ面白かったと思うのだが、『必殺シリーズ』のぱくりっぽいのがいけなかったのか、わずか一シリ
ーズで終わってしまったかわいそうな作品。(05.12.15)  

次郎長背負い富士
  中村雅俊 主演   06年6月1日〜8月31日   NHK 木曜夜8時から
 ご存知、清水の次郎長の半生記です。侠客の話というよりは、人情ものに近い感じで、次郎長の幼少時から丁寧に描いた作品です。
 この次郎長、侠客の親分でありながら、威張ることなく控えめで、それでいてここぞというときにはしっかりとその役目を果たす、理想の長像といっ
た感じで、好感が持てました。いわゆる人間の魅力あふれる人でした。
 子分もなかなかいい味のある人たち揃いで、特に次郎長のブレーンの大政(草刈正雄)と、若いながらも次郎長の兄弟分の親分となった仁吉(安
田顕)が、男として惚れ惚れするかっこよさでした。
 全十回と、NHK木曜時代劇の中では長いほうでしたが、毎回非常に展開が早く、コメディ部分もありで、途中だれることなく楽に気持ちよく見れる
作品です。
 原作は、山本一力の「背負い富士」。主題歌は、男ばかりの登場人物だからということで、中島みゆき作詞作曲で華原朋美が歌うという女性の歌
でした。このエンディングの背景が、パッチワーク手芸のコマ撮り風の、三度傘の旅がらすが旅をするアニメーションで、とてもかわいらしく好評でし
た。(06.9.26改稿)

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JIN−仁−
   大沢たかお 主演   09年10月11日〜12月20日   毎日 日曜夜9時から

 脳外科医の南方仁は、恋人・未来(中谷美紀)の脳腫瘍手術を執刀するも失敗し、植物状態にしてしまい、難しい手術は避けるという逃げ腰な生
活を過ごしていた。そんなある日、病室から抜け出した身元不明患者を追いかけて、仁は階段から落ちる。気を失った仁が目覚めた時、そこは林
の中で、すぐ先では本物の侍たちが斬り合いをしていた。自らも額を切られつつも切られそうになった仁を助けた橘恭太郎(小出恵介)を助けるた
め、仁は持っていた救急医療用の道具だけで、彼を手術することに。
 なぜか幕末の江戸にタイムスリップしてしまっていた仁。その世界で、目の前で死にかけている人たちを無我夢中で救ううちに、彼の中で何かが
変わり出す。歴史に名を残すことになる坂本龍馬(内野聖陽)、緒方洪庵(武田鉄矢)、勝海舟(小日向文世)などとの出会い、そして未来に瓜二つ
な花魁・野風(中谷美紀・二役)と出会ったことで、彼が未来から持ってきていた未来との写真に変化が起こる。野風との出会いが未来の運命を変
えるのか、そして彼は元の世界に戻れるのか、そしてはるかに進んだ医療技術を持つ彼が動くことで歴史の流れはどう変わるのか、その結果
は?
 他に類を見ない、医療時代劇。タイムスリップものの面白さに加えて、江戸時代は脅威の病だったコレラや梅毒の治療に立ち向かう医者ドラマの
面白さ、そしてたった一人で知る者のいない世界に暮らす仁の悩みなど、深みのある見せ場が盛りだくさんのストーリー展開でした。またCGで作ら
れた江戸の街の再現度のすばらしさや、息をのんで見つめてしまう緊迫の手術シーンも必見の出来でした。おそらくこれほどクオリティの高い作品
は、しばらく出てこないのではないでしょうか。
 原作は村上もとかの同名マンガです。(10.1.26改稿)

番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/jin2009/


JIN−仁−
   大沢たかお 主演   11年4月17日〜6月26日   毎日 日曜夜9時から

 脳外科医の南方仁は、病院の非常階段から落ちた瞬間、幕末の江戸時代にタイムスリップしてしまう。驚きながらも、目の前の患者を助けようと
奔走しているうちに、江戸に住む人たちの助けもあり、ペニシリンを開発したり、ついには江戸の医者として『仁友堂』を開業。そんな前作から二
年。仁はまだ江戸にいた。
 完結編と銘打った今シリーズながら、初回(二時間スペシャルでした)から、坂本龍馬(内野聖陽)に動乱の京都に連れて行かれ、瀕死の佐久間
象山(市村正親)を治療したり、西郷隆盛(藤本隆宏)の虫垂炎の手術をしたりと、歴史上の人物に関わって大活躍してしまう仁。果ては、皇女・和
宮(黒川智花)に、脚気の薬として咲の母に食べさせるために作った菓子・安道名津(あんドーナツ)を献上することに。しかしその席で和宮が昏
倒、仁は暗殺の疑いを掛けられ、牢へ入れられてしまったりと、今作も次々と事件発生な波乱万丈のストーリー展開でした。
 目の前の命を助けても、結局は人の運命を変えることはできない、歴史の修正力の前では自分は無力なのに、なぜこの時代に来たのかと悩み
続ける仁。だが咲(綾瀬はるか)の助言もあり、だんだんと歴史に関わることのルールを探っていく。そして少しでもこの時代の医療技術のレベル
を上げようと奔走。しかし時代は激動期。龍馬の活躍で大政奉還がなされ、戊辰戦争が始まる。そんな中、仁は自分に脳腫瘍があることを悟る。
戦争負傷者の手当てを続けるも、だんだんと体調も崩していってしまう。
 一方で、仁が親友となった坂本龍馬の暗殺の日も迫る。なんとしてでも龍馬を救いたいと行動する仁の願いは届けられるのか。
 歴史上の人物との関わり合いもですが、今作では仁とそのすぐ周りの人々との気持ちのつながりに重点が置かれていました。特に龍馬との互い
の信頼関係と、仁を慕いながらもその心を隠して医の道を進む、咲の切なすぎる恋心には、心を揺さぶられました。
 少しでもいいものを作りたい、見せたい、という熱意が伝わってくる本当にいい作品で、初回と最終回が二時間スペシャル、途中回でも五分拡大
など数回、また最終回で平均視聴率26.1%、瞬間最高視聴率31.7%を記録(民放ドラマでは25%を超えたのは前作最終回以来。ただし同日のNH
K大河・『江』は19%)というテレビ史に残るような高視聴率を出しました。
 タイムスリップ+幕末+医療という、正確には時代劇の枠からはみ出した作品ですが、その時代に生きる人たちや世界の描き方がすばらしいの
で、あえて時代劇としてここで取り上げています。しかしながら、タイムスリップものとしても、ここまで伏線を完璧に回収した作品はないのではない
かと思うほど、完成度は高いです。
 原作は村上もとかの同名マンガです。(11.7.11改稿)



新選組血風録
   永井大 主演   12年4月15日〜7月28日   NHK 日曜昼1時05分から

 11年4月にBS時代劇の第一弾として放送された作品が、満を持して地上波に登場です。
 司馬遼太郎原作の『新選組血風録』をドラマ化。敬愛する近藤勇(宅間孝行)のため、鬼になる覚悟をした土方歳三。「鬼の副長」と呼ばれた彼
を中心に、新選組の日々を一話完結で綴ります。
 主演の永井大からして時代劇初主演で、新選組隊士たちはほぼ無名な若い役者たち。顔と役を覚えるのが大変でしたが、それゆえに多摩の田
舎から出てきて一旗揚げようとしているまだ無名の新選組隊士たちの雰囲気がよく出ていました。中でも沖田総司(辻本祐樹)は、透明感のある風
貌に子供のような無邪気さと残酷さを併せ持っていて、イメージにぴったりでした。
 各話のゲストで出てきた役者も、独特の雰囲気を持った人が多く、人斬りが日常となっている特異な環境の中で生きている人の感じがよく出てい
ました。
 有名な役者の少ない、地味な作品でしたが、一話一話丁寧に作られていると感じる、良作です。
 全12回。一回目は73分の拡大版でした。(12.8.22改稿)



新撰組ピースメーカー
   須賀健太 主演   10年1月15日〜3月19日   毎日 金曜深夜0時29分から

 時は幕末。父と母を長州人に殺された恨みを持つ市村鉄之助は、敵討ちのために強くなりたいと新撰組への入隊を希望。だが15歳とは思えな
い幼い容貌に、子供扱いされる日々。人を斬るということの意味をまだ知らない鉄之助は、激しい抗争の渦巻く京都で人斬りと恐れられる新撰組
の中で、何を見、何を感じ、どう成長を遂げるのか。池田屋事件を下敷きに、新撰組と長州の維新志士、そして鉄之助の心の傷と、それを乗り越
える様を描きます。
 原作は黒乃奈々絵の漫画『新撰組異聞PEACEMAKER』。若手美男子をふんだんに起用して、ポップなノリと暗いテーマが交錯するストーリー
展開は漫画原作ならでは。が、いかんせん深夜30分のドラマのせいか、細かいところが非常にもったいない。とりあえず着付けが気になっては、ド
ラマに入り込めません。そして真夏の話を真冬に撮影しているため(そして放送も真冬)、見ていて痛々しいほど寒そう。とはいえ、マンガの雰囲気
作りは努力たっぷり、よく出ていたと思います。とくに元気いっぱいの鉄之助を、天才子役と言われる須賀健太が体当たりの熱演でした。
 放送日がなぜか関西の方が関東よりに5日早かったのも、毎回のように放送時間が違ったのも深夜放送ならではでした。(10.5.2改稿)

番組公式サイト http://新撰組peacemaker.jp/

 


西郷どん
   鈴木亮平 主演   18年1月7日〜12月16日   NHK 日曜夜8時から
 英雄視される西郷隆盛。その銅像の除幕式で、妻の糸(黒木華)が、「旦那さぁは、こんな人ではなかっ」と叫んだところから始まった、18年のNHK大河ドラマ。聖人君子ではないが、愚鈍でもなく、革命家であり、戦上手。実像は謎に満ちているが、ただ一つ確かなことは、この男、男にも女にも大層モテたということ。
 少年時代に肩を怪我し、侍でありながら刀が振れなくなり、挫折しそうになった吉之助(のちの隆盛)は、藩主・島津斉彬(渡辺謙)に出会い、踏みとどまり、成長してのち、藩の相撲大会で優勝し、斉彬に取り立てられます。吉之助は、迫る列強国から国を守ろうと先進的な考えを持っていた斉彬の元で、篤姫(北川景子)の将軍家輿入れ実現のために奔走。しかし、作品前半大きな存在感を放っていた斉彬の突然の死で、敬愛する主君を失った吉之助は失意のどん底へ。その後、沖永良部島へ流刑に。自暴自棄になっていた吉之助は、島の娘・愛加那(二階堂ふみ)の献身的な愛に、生きる希望を見出します。明治政府で陸軍参謀になるも、新政府に失望し、薩摩へ帰郷。栄達と二度の流刑、そして最後は罪人として死ぬも、英雄となる…波乱に満ちた人生を歩んだ西郷隆盛を、
素朴で実直で、それでいて柔軟で、人への愛にあふれた魅力ある男性として描いたこの作品。後半では、少年時代からずっと友だった大久保利通(瑛太)との関係が、次第に変化していくところも見どころでした。
 演じたのは、役に対してストイックな姿勢で臨む、体作りで有名な鈴木亮平。特に後半は、肥満から医者に散歩を勧められたという西郷そっくりの巨漢でした。
 原作は林真理子の『西郷どん!』、脚本は中園ミホの女性コンビでした。タイトルの読みは「せごどん」です。(19.1.26改稿)
 
 番組公式サイト https://www.nhk.or.jp/segodon/

 
銭形平次
 村上弘明 主演  05年7月4日〜9月12日  ABC 月曜夜7時から
 おなじみ、村上弘明の銭形平次。さすがはミスター時代劇中堅・村上弘明(?)、動きもセリフも見ていて安心できます。
 そして元々の長身に加えての、なぜか全身から噴出す威圧感。新米同心なんてなんのその、上司の笹野新三郎(西岡徳馬)様はもちろん、他の
与力の旦那に対してだって一目置かせる貫禄は、誰よりも頭が切れることと、人間できてるっていうだけじゃ説明がつきますめぇ。
 腕っ節もめちゃくちゃ強く、刀を振り回すお侍にも強気に飛び掛り、十手でバシンとねじ伏せる無敵のヒーロー!
 恋女房・お静に東ちずる。子分、八五郎にはアリtoキリギリスの石井正則という、超デコボココンビ。石井の相方、石塚義之は、平次をライバル
視する三輪の万七親分(渡辺哲)の子分・清吉役という、凝った配役。(05.9.28改稿)

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そろばん侍 風の市兵衛
   向井理 主演   18年5月19日〜7月21日   NHK 土曜夜6時5分から
 時は文政。戦のない時代の続いた武士の台所事情は苦しく、そんな武士の家計を期間限定で預かる、渡り用人という仕事がありました。
 唐木市兵衛は侍でありながら、上方の商人の家を渡り歩いて修業を積んだ変わり者。ひょろりとした風貌ながら、そろばんの腕だけでなく、凄腕の剣の遣い手でもあります。その剣を抜けば、風が吹くという、風の剣を使います。
 用人を斡旋する『宰領屋』矢藤太(渡辺いっけい)の口利きで、仕事に入った先で、不審な金の流れを見つけた市兵衛は、「鬼渋」と呼ばれる同心・渋井鬼三次(原田泰造)の強力も得て、謎を解いていきます。その中で出会った筆頭目付の片岡信正(筒井道隆)。彼は市兵衛の実の兄でした。市兵衛は目付の家の次男だったのです。父が亡くなり、家出をした市兵衛と再会した信正は、市兵衛に家に戻って自分を手伝うように頼みますが、市兵衛は断り、渡り用人として生きていくことを選びます。
 原作は、辻堂魁の『風の市兵衛』シリーズ。三話で一つの話が完結の、全九回の放送でした。(18.8.27改稿)
 
 

太閤記 天下を獲った男・秀吉
  中村橋之助 主演   06年10月31日〜12月12日   ABC 火曜夜7時から
 NHK大河ドラマ『功名が辻』の後追いのような形で放送されたこの作品。『太閤記』という大作を、全6回の8時間で描いたせいか、非常に展開が
早い印象でした。また、話題性を狙ったのか、『功名が辻』で秀吉を演じた柄本明が、渥見侘助役でナレーションでした。
 秀吉と信長の妹・お市の方(相田翔子)が両思いという新解釈に、驚いた作品でもありました。織田信長に村上弘明、明智光秀に風間トオルは、
役を押さえた演技で似合っておりました。また秀吉を上役と思わない態度の蜂須賀小六(的場浩司)が小気味よく、片耳だけのドクロのピアスがか
わいかったです。足利義昭の京本政樹は、周りの武将から浮いている感じがぴったりでした。(07.1.5改稿)

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番組公式サイト http://www.tv-asahi.co.jp/taikouki/

太平記
 真田広之 主演   91年1月6日〜11月8日   NHK
 大河ドラマ。鎌倉幕府滅亡から南北朝時代に掛けての覇者・足利尊氏の一代記です。
 若く頼りなげな青年から、勇猛な武将、苦悩する壮年と、まだ幼さの残る顔から貫禄のある顔まで、真田広之が見事に演じました。もちろん立ち
振る舞いも乗馬も刀さばきもお手の物。
 共演陣も、高嶋政伸、柄本明、萩原健一、根津甚八、武田鉄矢、大地康雄など見ごたえある人ばかり。中でも若き尊氏と駆け落ち騒動を起こす
芸人一座の娘に宮沢りえ、彼女の義兄で侍嫌いの忍(?)に柳葉敏郎、そして傾き者(当時はバサラ大名というらしい)以外の何者にも見えなかっ
た佐々木道誉役の陣内孝則が、子供心に大好きでした。
 苦悩も多い話ですが、うじうじせずに、決めるときには決めて、歴史の流れもしっかりと抑えつつ、それぞれの人間ドラマもおなざりにしないとい
う、非常にバランスの取れた見ていて気持ちいい作品です。オープニングもとてもかっこよく、さすが大河と言うべき、他のドラマとは一線を画した
良作品です。(06.5.2)

平清盛
   松山ケンイチ 主演   12年1月8日〜12月23日   NHK 日曜夜8時から

 平安時代末期、長く続いた貴族の隆盛もすたれ、世は乱れていた。とはいっても国を仕切るのは朝廷であり、その周りにいるのは依然として貴
族であり、武士の身分は低く、朝廷から盗賊の退治などを命じられ、命を賭けて働いても蔑まれる、番犬のような存在だった。そんな中、武士の世
を作りたいと真剣に思い、行動を起こした男がいた。
 この世で意のままにならぬのは賀茂川の水・双六の賽・山法師のみと言った白河法皇(伊東四朗)の隠し子でありながら、武士の一門・平家の棟
梁・平忠盛(中井貴一)の嫡男として、育てられた平清盛。その境遇から若い時は無頼として過ごしていたが、同じく源氏一門の御曹司でライバル
となる源義朝(玉木宏)や、出家したのちも生涯の友となる西行(藤木直人)との出会いと、父の教えから、しだいに棟梁としての自覚と武士の世を
作るという夢を持つようになる。同じ理想を追った同士・信西(阿部サダヲ)や、同じように世の乱れを正そうとしながら政敵となった藤原頼長(山本
耕史)、そして生涯の政権争いのライバルとなった後白河法皇(松田翔太)など、様々な人との出会いが清盛を成長させ、強くして行きます。やがて
「平家でなければ人にあらず」とまで言うほど巨大な権力を手に入れた平家一族。しかし登りつめた先に待つのは、盛者必衰の運命だった。そして
その歯車を回したのは、語りを務めた源頼朝(岡田将生)。清盛の悲願は、武士による初の幕府を開いた彼に受け継がれたのでした。
「遊びをせんとや生まれけむ」の今様の歌詞さながら、おもしろく生き、武士でありながら国の頂に立った平清盛の物語です。
 画面が汚い、最低視聴率を記録など、作品自体よりも悪評で名を上げた作品ですが、清盛を取り巻く登場人物は好演の俳優が多かったと思い
ます。(13.1.28)


ちいさこべ〜若棟梁と九人の子
  小沢征悦 主演   06年9月7日〜10月5日   NHK 木曜夜8時から
 大火事で両親も店も失ってしまった大工の若棟梁と、孤児になった九人の子供たちとの交流を描いた、人情時代劇。
 頑固で一本気で反骨精神の塊のような「大留」の若棟梁・茂次を小沢征悦(ゆきよし)が好演。はじめは距離があった子供たちとも、次第に打ち
解けていき、互いに成長していきます。
 そして彼を巡る二人の女性。一人は茂次に黙って九人の子供の面倒を見始めたりつ(上原多香子)。茂次の幼馴染で、やはり火事で身内をなく
し、大留で下女として働くことになる。誰よりも子供たちのことを考える、若いながらも母のような優しい娘。もう一人が、老舗の質屋の娘・ゆう(奥菜
恵)。茂次とは親が決めた許婚同士で、子供たちの教育を担当する。この二人の、茂次をはさんだ恋模様も見どころの一つです。
 九人の子供たちも、それぞれに事情を抱えており、子供どうしの世界でもいろいろあることがうまく描かれています。その子供たちを演じたのは、
全国から選ばれた子たちというだけあって、彼らだけでもなかなか見ごたえあります。
 背景は重いながらも、どこか心温まる、和みのある微笑ましい時代劇です。
 原作は山本周五郎の同名小説。全五回の短編でした。(06.10.14改稿)

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ちかえもん
   青木崇高 松尾スズキ 主演   16年1月14日〜3月3日   NHK 木曜夜8時から

 スランプ中の戯作者・近松門左衛門(松尾スズキ)、50歳。以前は歌舞伎や人形浄瑠璃で傑作を生み出し、救い主と言われたこともある近松だが、近ごろは何を書いても閑古鳥で、座付作家をしている浄瑠璃の竹本座の座長・竹本義太夫(北村有起哉)からは催促、母の喜里(富司純子)からも小言の毎日。
 
そんな彼の前に現れたのが、不孝糖売りの万吉(青木崇高)。世の中は、将軍徳川綱吉が親孝行を奨励し、なめれば親孝行がしたくなるという「孝行糖売り」が流行る中、なめれば親不孝したくなるという「不孝糖」を軽妙な歌を歌いながら売り歩く、一見阿呆にも見える万吉。万吉は近松に妙に懐いて「ちかえもん」と呼び、近松の行きつけの遊女・お袖(優香)がいる堂島新地の「天満屋」で、ワケありの美しい遊女・お初(早見あかり)に一目惚れしたり、なぜか喜里に気に入られて家に居付いたりと、近松の行先に現れては、竹本座の金主でもある豪商の平野屋忠兵衛(岸部一徳)と放蕩息子の徳兵衛(小池徹平)の親子問題や、平野屋の地位を狙う黒田屋九平治(山崎銀之丞)や、徳兵衛とお初の恋愛に近松を巻き込み、神出鬼没の万吉に近松の日常はひっかきまわされます。
 近松の心のボヤキとツッコミと、時にはバラードも下地に、時には線絵のアニメーションも登場して、藤本有紀のオリジナル脚本(第34回向田邦子賞受賞)で描かれる、先の展開が全く読めない、新感覚!痛快時代劇。さてさて近松は、いかにしてスランプを抜け出し、傑作『曾根崎心中』を書くにいたったのか? そして万吉はいったい何者なのか? 全八回で描く、時代劇好きはもちろん、普通の時代劇には飽きた人、時代劇なんて見たことない人にもオススメの、必見の作品です。てな陳腐な言い回しは私のプライドが許さんのである(笑)(16.4.25改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/chikaemon/index.html

 

忠臣蔵の恋
   武井咲 主演   16年9月24日〜17年2月25日   NHK 土曜夜6時10分から
 半年に渡って放送された土曜時代劇の2作目の作品で、忠臣蔵と、将軍の母となる月光院を描いたものでした。
 浅野家の江戸屋敷で正室・阿久利(田中麗奈)の身の回りの世話をしている奥女中のきよは、得意の琴を披露した席で、鼓を打っていた磯貝十郎左衛門(福士誠治)と出会います。十郎左衛門は、幼い頃、兄とともに遊んだ幼馴染みでもあり、二人は恋に落ちます。しかし側用人の十郎左衛門と違い、きよは、病の妻の
ために浪人となった父の子で、身分違い。会うこともままならない中、それでも愛を育んでいった十郎左衛門は、殿に婚姻の許しをもらうときよに約束します。ところがその矢先、殿が刃傷事件を起こし、浅野家は取りつぶしに。
 十郎左衛門たち浅野家の家臣たちは、無念のうちに亡くなった殿の仇を討つことを固く決意。きよは阿久利の命を受け、また十郎左衛門の悲願をかなえるため、女ならではの働きで吉良邸討ち入りの助けを命がけでこなします。
 最愛の人を失ったきよに、またも運命の歯車が。きよは浅野家のため、その運命に乗り込み、当時の女性の最高の出世を果たし、悲願をかなえます。
 二部構成で、美しくも強く、忠義と愛に生きた娘の波乱万丈の半生を描いた作品でした。きよの恋心が丁寧に描かれており、相手の男性も清々しく誠実で、とても切ない恋物語です。
 原作はサブタイトルにもなっている『四十八人目の忠臣』。作者は諸田玲子です。全20回でした。(17.4.3改稿)
 
 
塚原卜伝
   堺雅人 主演   13年1月24日〜3月7日   NHK 木曜夜8時から

 戦国時代初頭に剣の聖地・鹿島に生まれ、鹿島中古流の太刀を学び、生涯多数の立ち会いに負けなかったという伝説の剣豪・塚原卜伝。回国
修業に出た青年時代から、「一つの太刀」を会得に至るまでを描いた作品です。
 剣豪ものでありながら、鹿島神宮の神官の家の出であり、鹿島の神の剣を遣うという設定のために、神秘的な演出も多く、またどちらかというと
優しげな風貌の堺雅人が演じることにより、純粋ででひたむきな剣士という、普通の剣豪ものとは一味違った作品となっていました。殺陣も、NHK
お得意のスーパースローカメラで撮影するという画的にも新鮮でしたが、内容も剣技を極めていけばこうなるかもしれないと思わせるものもあり、チ
ャンバラ時代劇とは一味違ったものとなっていました。
 原作は、津本陽『塚原卜伝十二番勝負』。全七回です。


妻は、くノ一
   市川染五郎 瀧本美織 主演   13年6月20日〜8月22日   NHK 夜8時から

 前月までNHKのBSプレミアムで放送されていた、星と海にしか興味がない一途な男と、くノ一の掟に生きる女との、切ない恋物語が、地上波に
登場です。
 平戸藩で船手方を務める雙星彦馬のところに嫁が来た。暖かく幸せな新婚生活を送る彦馬だが、その妻・織江は一カ月で姿をくらます。二人で
拾った対の貝殻の一つと「そのままで」という書置きを残して。彦馬は、何か事情があったのだろうと考え、養子を取って家督を譲り、単身江戸へ織
江を探しに行く。妻は平戸藩を探りに来た密偵であったというのが藩としての見方だったが、彦馬は織江には真心があったと想いを貫く。夫が自分
を追って来たと知った織江は戸惑いながらも、その一途な想いにだんだんと心が揺れて行く。
 初めの頃こそ、町の事件を彦馬が知識を使って解決したりとほのぼのした話ですが、海に面し海外へと目を向ける平戸藩と、それを危険視する
幕府お庭番との対立は日増しに激しくなり、水面下では忍びどおしの戦いとなっていきます。織江を含む、心を捨て任務に身を捧げるくノ一たちの
姿も見どころです。
 政治にまったく興味がなく武芸も駄目だけど、子供のように純真でまっすぐな心を持つ彦馬と、武にも技術にも長けたくノ一だが、心の隅に空虚を
抱えた織江。すぐそばにいながら、二度と出会うことはできないさだめの二人。それでもお互いを命懸けで想い合う姿が、なんとも切ない恋物語で
す。織江たちお庭番の体術も素晴らしいので、アクションものとしても楽しめます。全八回


天地人
   妻夫木聡 主演   09年1月4日〜11月22日   NHK 日曜夜8時から

 戦国時代、越後の覇者となった上杉謙信の養子・上杉景勝の家臣・直江兼続の物語。『愛』の文字の前立ての兜で知られる人物です。
 なにごとも『義』の一言で片を付けたり、上杉家旧知の裏には必ずといっていいほど遠山泰満(螢雪次朗)の陰謀があるといった、単純明快なスト
ーリーと、イケメン大河の異名を取るほど、主演の妻夫木聡をはじめとして、兼続の仕える主人の景勝を北村一輝、兼続の親友となった石田三成
を小栗旬が演じるなど、話題の若手男優を多数起用して、人気を取りました。また、「わしはこんなところに来とうはなかった」、「紅葉のような家
臣」、「北斗の七星になりなさい」など、数々の名言も残しました。
 いろいろな意味で、大河ドラマの歴史に残る一作品になったことは間違いありません。
 原作は火坂雅志の『天地人』です。(2009.12.8改稿)


遠山の金さん
  松平健 主演   07年1月16日〜3月20日   ABC 火曜夜7時から
 桜吹雪でおなじみの、説明も不要な国民的時代劇、『遠山の金さん』が久々に復活。演じたのは松平健。『暴れん坊将軍!』のイメージが強すぎ
て、はじめのころは遊び人姿はともかく、お奉行様の正装では、どう見ても将軍の変装にしか見えなかった、カルト色強い作品でした。
 今回の金さんは、表向き、口入屋で仕事を紹介してもらうも、どの仕事も長続きしないという遊び人。それを恰幅の良すぎる松平健が演じている
のが、かなりミスマッチで絵的面白さ満載。
 唯一金さんの正体を知っている、口入屋兼料理屋「つるや」の女将・おまきに萬田久子、いつも奉行所からお奉行様に逃げられてしまう役人・東
条八太夫に森本レオと、重要な役にベテランを、その一方で、おまきの娘・おいとに、時代劇の娘役で実力を伸ばしている芳賀優里亜、見習い同
心・三浦真次郎に、『功名が辻』で加藤清正を演じた金児憲史、岡引・松吉に中村繁之と、脇役も充実。
 パターンが、お奉行自ら事件の捜査のために、口入屋を通じて潜入するというものなので、毎回職業を変える金さんの七変化も見所でした。ま
た、重要な鍵を握る女性から情報を聞き出すときの、金さんのくどいているとしか思えないセリフや、桜吹雪を見せる時の決めゼリフが毎回変わっ
ていた(凝りすぎて変なのものも多数)のも、楽しみの一つでした。もう一シリーズぐらい見てみたかったです。
 毎回、側近の目を盗んで町に出て行ってしまう、松平健。将軍から奉行に変わっても、やっていることは、今回も同じなのですね。(07.4.14改稿)

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番組公式サイト http://www.tv-asahi.co.jp/kinsan/

徳川無頼帳
 西城秀樹 主演   92年4月14日〜9月29日   テレビ東京
 徳川三代将軍・家光の剣術指南役だったはずの柳生十兵衛。ふらりと訪れた吉原で、浮橋太夫(成田和未)に一目惚れ。ところが彼女のそばに
は廓幻之介(JJサニー千葉)と名乗る怪しい(白の着流しに、真っ黒でフリンジのついたショール。おまけに超ロングのポニーテール。見るからに
怪しい)男がいて。
 実はこの幻之介、正体は徳川忠輝。徳川家康の子でありながら、生まれた時から鬼っ子と呼ばれ、政権から遠ざけられていた男。浮橋大夫は、
元は武将の娘であり、関ヶ原の戦いの折り、諫言を嫌った忠輝に無残に殺された父の仇を取るため、苦界に身を落としていたのだった。第一回目
で、それは忠輝を厭うた者の策略だったと分かり、見事、浮橋は本物の父の仇を討つ。目的を失った浮橋たちに、これからは世直しのために戦お
うと幻之介は言ったのだった。そして十兵衛と幻之介は、吉原総名主・京屋庄左衛門(ハナ肇)の客人となる。
 というわけで、放蕩剣士・十兵衛を中心に、吉原を舞台に、十兵衛と腕は互角の幻之介、浮橋大夫、そして彼女付きの花魁たち(その正体はくノ
一。でもなぜか男も一人混じっている)の活躍劇が始まる。
 が、そこはただの勧善懲悪話にはならない。叔父のことを疎ましく思う家光の刺客と戦ったり、柳生家の後継者争いがあったり、そうかと思えば
大名の姫君が花魁になりたいとやってきたり、とにかくスケールがでかくて、話が深く、そして荒唐無稽の面白さ。それもそのはず、企画協力を深
作欣二、監修をJJサニー千葉(千葉真一)、となればJACもふんだんに登場、というより製作がジャパンアクションクラブ、テレビ東京。しかも撮影
は日光江戸村。これでもかという、慣習にとらわれない面白作品生み出す要素が詰め込まれまくり。これで面白くならないはずがない! ただ一つ
の欠点(?)は、あまりに千葉=十兵衛の印象が強すぎて、つい西城秀樹の十兵衛を見て、なんか千葉真一、顔変わった?と勘違いをしてしまうこ
と(私だけか?)。そこらへんも含めて楽しめること請け合いの作品です。(09.8.22)

殿さま風来坊隠れ旅
 三田村邦彦 西岡徳馬 主演   94年4月2日〜10月1日   テレビ朝日
 次期将軍候補の、紀州の殿様・治貞公(三田村邦彦)と、尾張の殿様・宗睦公(西岡徳馬)。ところが二人とも「将軍なんてやりたくない」と勝手に
城を抜け出し旅に出てしまう。
 浪人に化けた治さんと、町人(渡世人?)に化けた宗さん。それに二人を慕う、素性を知らないお供たちも加えての、お互い「おまえが将軍になれ
よ」と言い合う、付かず離れずの珍道中。彼らの後ろには、城に連れ戻そうとするそれぞれのじいたちも追いかけて来るが、所詮はじい。すぐに二
人にまかれては、じいどおし慰めあったり。でも大丈夫、二人は謎の色男隠密・村垣市蔵(京本政樹)がちゃんと見守っているから。
 そんな二人も根は善人。旅先で、苦しんでいる人を見ると、手助けし、その背後に悪政ありと分かるや、二人して乗り込んでいく。
 見栄を切り、名を問われた二人が、ばっ!と着物を脱ぐと、紫と緑の殿さま装束に身を包んだ二人が現れる!着物は元より、下着、髷、さらに武
器までもが変わっている大変身!
 ばったばったと敵を退治した後は、また何事もなかったかのように、旅に戻る。最後には水戸の殿様まで家出(城出?)してきて合流するという、
国の政治が心配になる一作。
 余談ながら、西岡徳馬はこのときの殿様装束とそっくりの格好で、『暴れん坊将軍』で将軍職を狙って、吉宗を暗殺しようとする尾張の殿様を演じ
てました。実は将軍になりたかったのか?(05.9.11)

浪花の華〜緒方洪庵事件帳〜
   窪田正孝 栗山千明 主演   09年1月10日〜3月7日   NHK 夜7時30分から

 武家の三男に生まれながらも、体が弱く、刀に至っては医学書を買うために売ってしまって竹光という、ヘタレ青年・緒方章。その章が大嫌いな
大坂の町で出会ったのは、剣の達人で男装の美女・左近。目を引く左近が気にかかる章だが、おどおどはっきりしない章に、左近の方はけんもほ
ろろ。住む世界が違うと、ぴしゃり。だが医者を目指す章が、誰よりも心優しく、命を守ることに関しては強い心を持ち、医学にかけては誰にも負け
ないものを持っているとわかり、左近も章を認め始める。
 左近が厳しく、他人を寄せ付けないのには訳があった。実は彼女は、浪花の宮の昔から大坂の町を守ってきた闇の組織「在天別流(ざいてんべ
つりゅう)」の一員だったのだ。事件に巻き込まれた章を助け、時には怪我して助けられ、2人は次第に心を通わせていく。だが所詮は日の光の元
を歩む医者の卵・章と、影から町を守る左近の道は交わらない。正直な大坂の町が好きになってきた章だが、江戸に留学することになり、別れを
迎える。
 後に大阪に「適塾」を作り多くの逸材を輩出し、天然痘の撲滅に尽力した蘭法医・緒方洪庵となる章。だがまだここでは頼りない等身大な彼の成
長と、感嘆するほどの凛々しい美貌と武芸を持つ左近とのもどかしい関係、そして2人の切ない別れを描いた青春時代劇です。
 原作は、築山桂の「禁書売り」、「北前船始末」。大阪局制作の30分時代劇。全九回。浪花の華が今開く!(09.4.7)


 
ぬけまいる〜女三人伊勢参り〜
   田中麗奈 ともさかりえ 佐藤江梨子 主演   18年10月27日〜12月22日   NHK 夜6時5分から
 かつて「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせていた三人娘。男勝りで喧嘩っ早いお以乃(ともさかりえ)、おとなしいけど実は剣の達人のお志花(佐藤江梨子)、男にもてて目利きもできるお蝶(田中麗奈)。ゴロツキよりも強く、娘たちの憧れの的だった三人でしたが、華やいでいたのは
昔の話。三十路を前にした今、お志花は身分の高い武家に嫁に行き、玉の輿に乗ったと思ったものの、意地の悪いお姑にいびられ、夫は上司のゴマすりしか興味なし。お蝶は家の小間物屋を自分の才覚で建て直し、婿も取ったものの、家族からは疎まれ、家に居場所がない。お以乃にいたっては、火消しの纏い持ちや料理人に憧れ弟子入りするものの、どれも長続きせず、自分のやりたいことも分からず、実家の一膳めし屋を手伝う日々。どうにもぱっとしない毎日に愚痴を言い合ううちに、伊勢へ抜け参りに行くことを思いつき、着の身着のまま、ひしゃくをお供に旅に出る。
 旅先では、だまされて一文無しになったり、老夫婦を助けて商売を始めたのが大当たりしたり、関所抜けをしたり、いなせな渡世人と恋に落ちたり、波乱万丈。何があっても猪鹿蝶の三人がそろえば、怖いものなし。才覚と度胸と愛嬌と人情で切り抜ける。はたして三人は、昔のいっち輝いていた自分を取り戻せるのか? そして無事に伊勢に着けるのか?
 現代の女性の悩みにも通じる内容でありながら、楽しく見れてスカッとさわやかな気持ちになれる、近年珍しい旅もの娯楽時代劇でした。
 原作は、浅井まかての同名小説です。(19.2.4改稿)
 
 
 
猫侍

   北村一輝 主演   13年10月2日〜12月18日   サン 水曜夜8時54分から

 元加賀藩剣術指南役で、かつては「まだら鬼」と呼ばれ恐れられた、堅物の浪人・斑目久太郎。妻子を残して江戸に出てきたものの、金はなくな
る一方。そんな時、飼い主を腑抜けにしてしまう化け猫を切ってくれと頼まれる。謝礼金目当てに引き受けたものの、いざ猫を前にすると、その愛
らしさに、殺せなくなってしまい、殺したことにして、連れ帰ってしまう。
 それまで猫など飼ったこともない斑目は、突然始まった白猫・玉之丞との生活に戸惑うことばかり。猫見屋のお七(高橋かおり)のアドバイスや、
長屋の隣に住む若菜(平田薫)のひたむきさに助けられ、玉之丞と暮らしていくうちに、段々と閉ざしていた心を開いて、人ととしての大切なものを
思い出していく。
 ところが、水責めの政(ユキリョウイチ)と呼ばれる凄腕の同心(強面なのに実は猫大好き)が、玉之丞殺しの下手人探しを始める。せっかく心を
通わせ始めた斑目と玉之丞との生活はどうなってしまうのか。
 時代劇というよりは、動物癒し時代劇なこの作品。癒しと笑いをくれる、一回30分の日光江戸村作品でした。来春には映画も公開です。(14.1.27
改稿)

番組公式サイト http://nekozamurai.info/tv/index.html


 

猫侍SEASON2
   北村一輝 主演   15年4月4日〜6月20日   サン 土曜夜11時から
 こわもての元・加賀藩剣術指南役の浪人・班目久太郎と、愛くるしい白猫・玉之丞のコンビが、一年半ぶりに復活です。
 再び士官の道を求めて、玉之丞とともに江戸に戻ってきた班目久太郎。ところが、新しい長屋の大家・菊乃(森カンナ)は猫を飼うことを禁止します。士官先はなかなか見つからず、口入屋「ぴんはね」(モト冬樹)は変な仕事を押し付けてくるし、なぜか久太郎の家の前が野良猫のたまり場になったり、「猫見屋」(高橋かおり)の店番をしたり、猫神様に会いに行ったり、『大江戸猫選び』で蜂谷孫三郎(本宮泰風)から勝負を挑まれたりと、毎回いろんことが起こります。
 前作よりゆるく、遊びの多い作風になった今作。玉之丞のかわいさと、班目との絆の深さが楽しめます。
 秋には映画も公開予定です。(15.7.24改稿)
 
前シリーズの紹介文はこちら
 
番組公式サイト http://nekozamurai.info/index.html
 
 
猫忍
   大野拓朗 主演   17年1月10日〜3月21日   サンテレビ 火曜夜10時30分から
 世は泰平。忍びの里での厳しい修業を終えて、任務のために江戸に出てきた霧生家の新米忍者・久世陽炎太。初仕事で忍び込んだ屋敷で、陽炎太は一匹の猫(金時)と出会う。
 実は、陽炎太の尊敬する父・剣山(船越英一郎)は15年前に失踪していた。父を追いかけた林の中で幼い陽炎太(鈴木福)は一瞬、父によく似た猫を見かける。屋敷で出会った猫は、その時の猫にそっくりだった。猫を父が変化した姿だと信じた陽炎太は、忍びの掟を破り、猫を連れて帰ってしまいます。
 猫の父上と暮らし、町の人たちと交流するうちに、固く閉ざしていた陽炎太の心は和らいでいきます。果たして猫は本当に父親なのか? そして掟破りの陽炎太の運命は?
『猫侍』のスタッフが再集結して作られた、猫と若い忍びの物語です。全11回。(17.4.24改稿)
 
 番組公式サイト http://neko-nin.info/tv/index.html
 
鼠、江戸を疾る
   滝沢秀明 主演   14年1月9日〜3月20日   NHK 夜8時から

 甘酒屋(でも誰も商売をしているところを見たことがない)の次郎吉と呼ばれる遊び人風の男。その正体は、夜な夜な武家屋敷に忍び込んでは千
両箱を盗み出し、小判を貧しい庶民に配る義賊、怪盗・鼠小僧!
 でもこの鼠小僧、普段は斜に構えているわりに、底抜けのお人よし。千両箱の代わりに、頼まれごとを持って帰ってきてしまうこともしばしば。そ
んな彼に協力するのが、妹の小袖(忽那汐里)。女ながらに剣術道場に通い、小太刀の名手です。巻き込まれた難事件も、二人が力を合わせれ
ば華麗に解決します。
 次郎吉のすぐそばにいながら、いつも鼠小僧を取り逃がし、鼠を捕まえることに執念を燃やす岡っ引きの徳五郎(嶋政宏)や、次郎吉の正体に
うすうす気づいている美人医師の千草(片瀬那奈)たちも、話に色を添える大事な存在。
 今夜も江戸の町を、ダークヒーロー鼠小僧が、駆けていく…。タッキーこと滝沢秀明の鼠小僧は、数々の舞台で鍛えた身の軽さを活かしてのアク
ションもたっぷり、甘いマスクにスタイリッシュな装束で、文句なしのかっこいい鼠小僧に仕上がってました。猫っぽい妹・小袖との掛け合いもみどこ
ろです。
 原作は赤川次郎の同名小説他、鼠シリーズ。一話完結の全九回でした。(14.4.14改稿)


鼠、江戸を疾る2
   滝沢秀明 主演   16年4月14日〜6月2日   NHK 木曜夜8時から

 2年前に放送され、好評を得たタッキーの鼠小僧が帰ってきました。
 働いている気配のない甘酒売り・次郎吉の正体は、庶民の味方・鼠小僧。軽い身のこなしで夜な夜な悪どい金を盗み出しては、貧しい者へと配る。腕っぷしはめっぽう強いのに、その心は困っている人を見るとほおって置けないかなりのお人よし。せっかく盗んだお金を全部あげてしまったり、騒動に巻き込まれたり。
 そんな鼠をそばで助けるのは、小太刀の名手で、彼といっしょに暮らす妹・小袖(青山美郷)。
 素の姿は意外と子どもっぽいところのある次郎吉ですが、鼠の時はクールでかっこいい、そのギャップと華麗なアクションが見どころのヒーロー娯楽時代劇。赤川次郎原案の全八回の作品でした。

前シリーズの紹介文はこちら

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/nezumi2/

 

 

逃亡者おりん

  青山倫子 主演   06年10月20日〜07年3月23日   大阪 金曜夜8時から
 唐突に復活したテレビ東京系の時代劇。しかも三ヶ月間放送が主流の中で、いきなり半年間の長丁場、さらに主役は時代劇はもちろんドラマ初
主演の女性、原作なしという、チャレンジ精神全開の作品でした。しかしこれがなかなか、内容もチャレンジ精神溢れるもので、昨今はなくなってし
まったエンタメアクション時代劇の歴史に、新たな一ページを刻み込んだ大作となりました。
 時代は、九代将軍・徳川家重の御世、御庭番頭領が八代将軍・吉宗を暗殺したことにより、御庭番は解散、変わって将軍を守るために作られた
のが暗殺集団『手鎖人』。御庭番頭領を父に持つおりんは、追跡者から身を守るため、この手鎖人に入れられる。しかし、手鎖人頭領・植村道悦
が、実は天下を狙っていると知ったおりんは、手鎖人を脱走。道悦に乱暴されて産み落とした子が、殺されずに生きていると知って、その子に会う
ために、逃亡の旅に出る、というストーリー。
 おりんを追って、毎回、道悦の放った刺客が登場するのですが、なにせ忍者のようなやつらなので、とてつもなく個性的。金棒振り回したり、水の
中から現れたり、フリスビー型爆弾を投げてきたり。対するおりんの武器は、小太刀と、右手首の鎖。この鎖、普段はただの鉄の輪ですが、ひとた
び腕を振るえば、相手を串刺しにしたり、首を締めたりと変幻自在。一体、材質はなんなのか、最後まで謎でした。その上、おりんの戦闘服はなぜ
か黒のレオタード(片肩出し)。お色気もばっちりです。
 はじめのころは、アクションや演技、CGの下手さ具合が気になってしかたなかったのですが、回を追うごとにめきめき上達。最終回は、興奮して
眠れないほどの面白さでした。
 共演者は、宅麻伸、あおい輝彦、左とん平、梶芽衣子、倉田てつを、田中健と時代劇ベテランばかり。特に悪役は初めてと言う榎木孝明演じる
植村道悦は、その憎々しさと不死身加減がかなり楽しめました。
「逃亡者」と書いて「のがれもの」と読ませたりと、セリフや演出もなかなか興味深く、おりんの刺客を倒した後の決め言葉「闇の鎖、また一つ切りま
した」は、ひそかに流行らないものかと期待してみたり。続編の製作も決まっていないのに、最終回で新たに伏線を張ってみたりと、作り手は続編
やる気満々。なんとしてでも続編を作ってもらいたいものです。(07.4.15)

  各回ごとのあらすじはこちら
2時間スペシャルはこちら

番組公式サイト http://www.tv-tokyo.co.jp/orin/

逃亡者おりん2
   青山倫子 主演   12年1月21日〜4月7日   大阪 土曜深夜2時25分から

 06年〜07年に放送された『逃亡者おりん』が、三つのスペシャルを経て、連続ドラマになって帰ってきました!(深夜の30分枠ですが)
 長く続いた手鎖人頭領・植村道悦との戦いを終え、闇の鎖をすべて断ち切ったおりん。だがその戦いの中で、吉原炎上の罪を着せられ、再び
「逃亡者(のがれもの)」となった。生きる目的を見失い廃人同然となったおりんだったが、逃亡の旅の最中、道連れとなった娘・おみね(小峰玲奈)
が、おりんをかばって死んでしまう。多くの人の命を救うためにすべきことがあったというおみねの、いまわのきわに託した願いを聞いて、おりんは
再び立ち上がる。おみねの願いは、彼女の持っていた書状を、次の新月までに美濃藩の筆頭家老・水谷へ届けること。しかしその書状を狙って、
刺客集団・剣草がおりんに襲いかかる。そしてもう一人、謎の若侍・望月誠之助(渡辺大)もまた、書状を狙っておりんに近づいてくる。
 あまりの非道さに伊賀を追われた抜け忍で構成された刺客集団・剣草。書状を奪うために、おりんと関わった人たちを容赦なく殺していく。その
仕打ちに思わず叫ぶおりん。どうして罪のない人たちを殺める? その答えは、おまえが逃げるからだと。このシリーズのおりんにとって、「逃げる
ことは生きること」。逃げ続けなければ、その先に待っているのは死。せっかく生きる目的を見出したおりんに、過酷な運命が襲いかかります。
 キーパーソンとなるのが、「だちかん」(美濃の方言)が口癖の望月誠之助。侍のくせに剣がめっぽう弱く、怖がり。初めは書状を狙うおりんの敵
のようであったが、目的が同じと知り、しだいに二人の距離は縮まっていきます。
 非常に過酷な物語ですが、一方で、首領の酉兜幽玄(福本清三)に呼び出されて毎回一組登場する、東映剣会の役者たち総出演の剣草の刺客
たちは、奇をてらっていて、そのキャラクターに圧倒されます。番組内だけでも抱腹の面白さなのですが、公式サイトに新設された『剣草図鑑』に載
っている各剣草の説明は、剣草の生い立ちや裏話的な記述もあり、スタッフが遊んでいるとしか思えないような面白さでした。
 そんな剣草と対決するおりんのレオタード姿への変身や、必殺技「手鎖御免!」も毎回趣向を変える手の込みよう。わずか30分に、時代劇な話
に、お約束も抑え、迫力ある殺陣シーンも入れるという、非常に内容の濃い作品でした。
 愛用の短刀を抜いて「りんどうが泣いている」、とどめにはおなじみの手鎖を使い「剣草一輪、散らしました」と、新しい決めゼリフとともに始まった、
薄幸の変身ヒロインおりんの新たな修羅の旅、深夜番組とは思えないボリュームと、深夜番組だからできるチープさの、珠玉の結晶時代劇。民放
最後の連続時代劇の看板に恥じない作品でした。(12.5.7改稿)


信長協奏曲
   小栗旬 主演   14年10月13日〜12月22日   関西 月曜夜9時から

 修学旅行で歴史テーマパークに来ていた高校生のサブローは、塀から飛び降りた拍子に戦国時代にタイムスリップ。そこで自分そっくりの顔をし
た織田信長と名乗る侍に、自分の代わりに信長をやってほしいと頼まれる。テーマパークのアトラクションだと勘違いしたサブローは、ノリノリで承
諾。だが城に行くなり敵襲の知らせを受けて戦場へ。そこでこれが本当の戦国時代だと知る…。

 当時の信長はまだ織田家を継いだばかりで、他国だけでなく身内にも命を狙われている状況。乳兄弟である池田恒興(向井理)を初めとする家臣からも偽物の信長だとバレると殺される。元々、逃げ癖のあるサブローは、何度となく逃げ出そうとしますが、そのたびに思い直して戻ってきて、現状を良い方向に変えるべく、頑張ります。そんな彼に、家臣たちの信頼も厚くなっていきます。

 正室の帰蝶(柴咲コウ)も、はじめは形だけの夫婦だったのが、サブローの奇抜な物言いを面白く思うようになり、優しい心に次第に気持ちを寄せていきます。2人のラブコメっぽいやりとりも見どころです。

 一方で、信長に恨みを持つ、元・忍びの木下藤吉郎(山田孝之)や、本物の信長が顔を隠し、明智光秀と名乗って、家臣に加わります。一難去ってまた一難の繰り返しの中で、この2人の策謀によって、家臣一番の知恵者の竹中半兵衛(藤木直人)が殺されたところで、最終回。続きは15年12月公開予定の映画でと予告が出て、驚かされました。

 軽いノリが好きで、優しい心根を持つ今時の男子高校生が、厳しい戦国の世で、歴史上の傑物・織田信長として、アイデアと人情でなんとか生き抜いていく、時代劇というより、タイムスリップトレンディドラマな作品です。
 フジテレビ開局55周年記念プロジェクトの作品であり、最も注目されていると言われる月9ドラマ枠での放送だけあって、キャストは旬の人ばかり
でした。原作は石井あゆみの同名マンガ『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』です。

 

 

信長のシェフ
   玉森裕太 主演   13年1月11日〜3月15日   ABC 金曜深夜0時24分から

 平成のフレンチシェフのケンが、記憶を失くして目覚めたところは戦国時代だった。
 Kis-My-Ft2・玉森裕太を初単独主演にした金曜ナイトドラマ初の時代劇で、タイムスリップものと聞いて、なんちゃって時代劇かと思ったら、時代
考証や史実をしっかり抑えた勉強にもなるような堅実派な作品でした。
 ケンはなにも分からないまま織田信長(及川光博)の軍勢に捕まり殺されかけるも、行き場のないケンを助けた刀鍛冶の夏(志田未来)の、ケン
の作る料理はうまいから食べてくれという説得で、命をつなぐ。夏の打った包丁を手に作った料理が認められ、ケンは信長の料理番になる。
 ケンは「戦を終わらせる料理」や「相手を心変わりさせる料理」など信長の出す無茶な注文を、次々とこなしていき、しだいに信長の信頼を得てい
く。またケンも信長やその家臣たち、この時代で出会った人たちに親しみを覚えていく。そんな中、ケンの記憶に残る女性・瑤子(香椎由宇)もまた
タイムスリップしてこの時代に来ていることが分かり…。果たしてケンは死と隣り合わせのこの時代を生き抜くことができるのか、そして平成には帰
れるのか?「いざ参らん、戦国のキュイジーヌ」
 森可成(宇梶剛士)や木下藤吉郎秀吉(ゴリ)、明智光秀(稲垣吾郎)など信長の家臣を初め、足利義昭(正名僕蔵)や顕如(市川猿之助)といっ
た仇役も登場。丁寧な時代考証や史実をベースに、アニメキャラのようにかっこいい信長と、ただのシェフとは思えない知識と技術豊富なケン(な
にせ牛の乳からバターを作ったり、酵母を自作しパンを焼いたりする)の、乱世を切り開いて進んでいく物語でした。
 原作は同名漫画(原作 西村ミツル 漫画 梶川卓郎)。です。(13.4.1改稿)


信長のシェフ
   玉森裕太 主演   14年7月10日〜9月4日   ABC 木曜夜7時58分から

 平成のフレンチシェフが戦国時代にタイムスリップ。そして信長の料理人になる…、そんな奇抜な設定ながら、しっかりとした時代考証で人気を博
し、深夜ドラマの放送から一年半。続編がゴールデンタイムへと進出して放送となりました。しかも初回は2時間スペシャルでした。
 話は信長(及川光博)包囲網が続く元亀元年から始まります。石山本願寺の顕如(市川猿之助)、浅井長政(河合我聞)、将軍・足利義昭(政名
僕蔵)と、信長の周囲は敵ばかり。さらに身内も誰がいつ裏切るか分からない状況。信長の料理人・ケンは、特に松永弾正(笹野高史)と明智光秀
(稲垣吾郎)に気をつけるが、光秀もまたケンを注視していて、なにかとあれば未来の情報を聞き出そうとしてくる。さらには濃姫(斉藤由貴)から捕
えられたり、武田信玄(高嶋政伸)に拉致され、甲斐に連れて行かれたりと、ケン自身にも危険が迫る。そんな中で、信長の信頼もますます深ま
り、彼の出す命令も困難なものに。時に命懸けでケンは、それらの危機を料理の腕で切りぬけていく。合言葉は、「いざ参らん、戦国のキュイジー
ヌ!」
 一方で、ケンの命の恩人で、常になにかと助けてくれる夏(志田未来)との関係の進展も注目でした。
 本能寺の変は起こるのか?、いつ起こるのか? とハラハラさせられたのですが、今回も起こらず、含みをもたせた終わり方だったので、きっと
続編があると信じています。(14.10.9改稿)
一作目の紹介文はこちら
番組公式サイト http://www.tv-asahi.co.jp/nobunaga/

薄桜記
   山本耕史 主演   12年10月18日〜12月27日   NHK 木曜8時から

 同年7月〜9月にNHKのBSプレミアムで放送された作品が、地上波で早くも放送です。
 品行方正で性格は穏やか、剣を取れば江戸随一と言われる丹下典膳。そして縁あって彼の元に嫁いできた、上杉家家老の娘で、たぐいまれな
る美貌の持ち主・千春(柴本幸)。仲睦まじい夫婦となった二人だが、その先には過酷な運命が待ちかまえていた。時は奇しくも元禄時代。まだ赤
穂藩に仕える前の中山安兵衛(高橋和也)と知り合う典膳。友情を結ぶ二人を、赤穂藩断絶の事件が引き裂く。
 以前にも映画化された五味康祐の同名小説を原作に、ジェームス三木が脚本。片腕の剣豪・丹下典膳を、山本耕史が美しくはかなくさわやかに
演じます。
 忠臣蔵の裏側が隠し味の、妻の名誉を守るため、片腕を斬り落とされた丹下典膳と、その彼を深く愛し続けた千春の、剣と愛の物語です。
 

八丁堀の七人
 片岡鶴太郎 主演   06年1月16日〜3月6日  ABC 月曜夜7時から
 人情厚いことから「仏の旦那」と呼ばれる北町奉行所町方同心・仏田八兵衛(片岡鶴太郎)と、「剃刀」と呼ばれる切れ者与力・青山久蔵(村上弘
明)、そして八兵衛の同僚五人で「八丁堀の七人」。
 シリーズ七作目にして最終シリーズ。(たぶん。少なくても放送時の公式サイト発表ではそうなっていた)。全七話の短いものでしたが、最後だけあ
って全体に見ごたえたっぷりの話ばかり。
 シリーズ初めこそ、上司青山対部下たちの構図があったものの、すっかり強い絆で結ばれてしまった七人。そこにさらに厳しい上司・年番方与力
黒沢左門(平泉成)が赴任。同心が本来は世襲制でないことを上げ、北町奉行所のてこ入れを計る。だが、そこには別の思惑もあるようで、青山
の右腕である八兵衛にことさら強くあたり、いきなり物書き同心に左遷命令。
 一方、このシリーズの裏のメインストーリーでもある、八兵衛と、同居中の女医の弥生(萬田久子)の恋仲に発展しそうでしないラブコメ。前シリー
ズ末で預かっていた少女・おやいもいなくなり、いよいよ進展かと思ったところに、なんと弥生に思いを寄せる男出現! しかもその正体は黒沢左
門!
 とまあネタ盛りだくさんな設定を、毎回派手なあおり文句をつけて進展させるという、一話完結の時代劇では難しい手法を使ってくれました。しか
も最終回残り五分が、時代劇ではおそらく初めてだろうと思われるような誰の予想も裏切る衝撃的なラスト!
 元々、時代劇というより、刑事もの、もしくは平会社員と中間管理職の会社ドラマという感じのハードボイルドな作品色が、さらに洗練されたような
シリーズでした。(06.3.24改稿)

各回ごとのコメントはこちら


花燃ゆ
   井上真央 主演   15年1月4日〜12月13日   NHK 日曜夜8時から
 幕末の長州で、下級武士の娘として産まれ育った文は、河原で一人涙を流していた小田村伊之助(後の楫取素彦・大沢たかお)を、兄の吉田松陰(伊勢谷友介)と引き合わせます。親友となった二人は、文には人と人を結びつける才能があるのかもしれないと感じます。そして小田村は、文の姉・寿(優香)と結婚。藩政の中核人物となっていきます。一方、11歳にして藩主に兵学を指南するなど、天才の名高い松陰が開いた松下村塾には、様々な若者が集まり、日夜議論を闘わせていた。文は時には彼らに交じり、彼らを支えていきます。そして塾生の一人、久坂玄瑞(東出昌大)と結婚。
 しかし、時代は列強国が日本に押し寄せ、一刻の猶予もない時。松陰は己の志と情熱を抑えきれずに行動した結果、投獄されます。そして塾生たちもその意志に続くように戦乱に身を投じていきます。久坂もまた京都の動乱の中で命を落とし、家名断絶となります。
 文は才能ある若者たちの死に対する憤りのぶつけ先を探して、長州藩の奥御殿への勤めを希望。美和と名を変え、産まれた藩主の嫡男の養育係になります。しかし明治の世となり、奥御殿はなくなります。
 その後、楫取素彦と名を変えた小田村伊之助は、群馬の県令に。病気の寿と楫取の身の回りの世話のため、美和も群馬で暮らすことになります。生糸産業で大きく飛躍しようとしていた群馬で、美和は楫取を支えながら、働く女性たちの教育問題に取り組みます。そして…。
 人と人との縁をつなぐ能力を持った文が、吉田松陰や高杉晋作(高良健吾)など、熱い志を持つ若者たちを集め、時に支え、奮い立たせ、見守っていきます…。キャッチコピーは「幕末男子の育て方。」でした。ポスターでも使われていた大きな丸いおにぎりを、皆に配るシーンも印象的でした。
 幕末から明治にかけて、長州を舞台に多くの志士たちの生き様と、辛い経験を乗り越え、志を貫いて学ぶことをやめなかった一人の女性の物語です。(16.2.19改稿)
 
 

新はんなり菊太郎

  内藤剛志 主演   07年1月11日〜3月1日   NHK 木曜夜8時から
 過去に二度放映されたシリーズの、三年ぶりの第三シリーズ。
 公事宿『鯉屋』に居候する田村菊太郎は、京都奉行所の同心組頭を務める田村家の長男でありながら、正妻の子である弟に家督を継がせるた
めに出奔した、心優しい男。人情にも厚く、それでいて腕も立つ菊太郎が、現代で言うところの宿泊所つきの弁護士事務所な公事宿を舞台に、熱く
奔走するという、人情探偵もの。
 第二シリーズの最後で「すぐに戻る」と言い置いて、江戸に旅立った菊太郎が、三年ぶりに帰ってくるところから話は始まります。三年も音沙汰が
なかったことに、菊太郎の恋人・お信(南果歩)を取り巻く人々は怒り、お信を隠れさせてしまいます。その上、そこに江戸から菊太郎を追いかけて
きたという娘・お凛(星野真里)まで現れて、三角関係のまま、菊太郎とお信は会えずに最終回までもつれこむ、恋愛話が今シリーズ通しての筋に
なっています。
 京都が舞台の、京都で撮影された作品。原作は澤田ふじ子の『公事宿事件書留帳』シリーズです。全八回でした。

各回ごとのあらすじはこちら

秘太刀 馬の骨 
 内野聖陽 主演   05年8月26日〜9月30日  NHK  金曜夜9時15分から
 藤沢周平の同名小説が原作の金曜時代劇。
 石橋銀次郎(内野聖陽)は剣のこととなると、子供のようになってしまう青年。それだけに剣の腕は神道無念流の免許皆伝。彼が浅沼半十郎(段
田安則)とともに、伯父の小出帯刀(近藤正臣)に、家老の暗殺に使われた、馬の首を一撃で落とす剛剣『秘太刀 馬の骨』の使い手を探すように
命じられたことから話は始まる。ところが、話は藩政を揺るがす意外な方向へと発展していく。
 みどころは、「馬の骨」の創始者がいたという矢野道場の門弟との試合で使われる、いわゆるチャンバラとは違う、木刀を使った実戦に近い迫力
ある殺陣。
 CGを多用する一方で作り物の蝶を飛ばしたり、不思議な舞台装置、場面転換の演出など、実験的な演出を精力的に取り入れていた。またED
は和装のトランペッター。この過剰なまでの迷走する演出に、賛否両論。同じ時間帯に放送された、同じ藤沢周平原作・内野聖陽主演の『蝉しぐ
れ』が原作のイメージを忠実に再現し、好評だったために比較されて、一部で大論争を巻き起こしました。
 演出の影に隠れがちだが、主役の内野聖陽がとてもいきいきと楽しげに銀次郎を演じており、とても魅力的。他の出演者もベテランぞろいで、と
てもいいキャラクターがそろっている。
 全六回という短い放送でしたが、時代劇史上に残る(と私は思う)迷作。(05.10.7改稿)

毎回ごとの感想はこちら

必殺仕事人2009
   東山紀之 主演   09年1月9日〜6月26日   ABC 金曜夜9時から

 必殺シリーズ第一弾の『必殺仕掛人』の放送開始から37年、シリーズの中でも特に人気の高かった『必殺仕事人』の放送から30周年を記念し
て、17年の時を経て始まった新シリーズです。2007年と、2009年の正月に放送されたスペシャルの続きでもあります。
 新たな仕事人となったのは、三人。南町奉行所見廻り同心で、入り婿だけどどこかの誰かさんと違って大事にされているのにもかかわらず、やる
気なしなしの渡辺小五郎(東山紀之)。食道楽で派手好きで、絵師でもある経師屋の涼次(松岡昌宏)、愛した人の忘れ形見・作太郎(前田航基)と
小料理屋を切り盛りする、からくり屋の源太(大倉忠義)。源太は仕事人であることに悩んだ末、人を信じて殉職。源太に代って加わったのが、奇
抜なファッションに身を包んだ悪たれだけど、根はいい奴な、仕立て屋の匳(田中聖)。また、常磐津の師匠で仕事人を束ねる情報屋・花御殿のお
菊(和久井映見)に、なんと中村主水(藤田まこと)も健在! 毎回、殺しの的、頼み人等、ゲストも豪華でした。
 主役3人がジャニーズという異色作ながら、仕事人シリーズのお約束もきちんと踏まえたつくりとなってます。特に殺し技は往年のものを踏まえて
おり、小五郎は刀での殺陣、涼次は笛に仕込んだ長い針で心臓を一突き、しかもそれをレントゲンの演出、源太はからくり蛇での首絞めと首刺し、
匳は針付きのしつけ糸での、アクション+首絞めとなっていました。
 前半は、夜早い時間帯に放送されたことや、規制の厳しい昨今の事情を踏まえて、おとなしい演出、話の筋となっていたのですが、匳が加わった
13話あたりから、必殺シリーズの真髄ともいうべき残虐でグロい描写が盛り込まれるようになり、ぐっと面白くなりました。源太の死や、最終回にか
けては、二話にかけての続きものにするなど、ストーリーの深さもたっぷり。特に21話から最終回にかけての仕事人狩りの話は盛り上がりました。
(09.7.11改稿)

スペシャルの紹介文はこちら

番組公式サイト http://hissatsu2009.asahi.co.jp/


姫将軍大暴れ
 本倉さつき 主演  95年4月3日〜96年3月25日  テレビ東京
 他の地域では知りませんが、関西では再放送でもないのに平日の朝(金曜の8時半からだったと思う)からやっていた。しかも日光江戸村で撮
影、製作されていたというカルトな番組です。
 主人公は天秀尼といって、豊臣秀頼の子・千姫の養女、つまり豊臣と徳川両家を親戚筋に持つ、スーパー高貴血筋の尼さん(実在の人物)。な
のに徳川家康より天下世直し勝手の印を受け、旅に出ちゃうというとんでもないおてんば娘なのです。
 普段は男装のはではでしい侍の格好で、お供にお付の尼さんやら柳生十兵衛(!)を引き連れ、若い娘らしく甘い物をぱくついたり(尼さんなのに
いいのか?)しているが、ひとたび悪政や悪人に悩まされているか弱き庶民を見つけると、原因究明に乗り出し、時には天秀尼みずから太夫に変
装して色仕掛けで真相を探る。そして最後にはお決まりの悪の本拠地へ殴りこみ。要するに水戸黄門そっくりの筋立てなのだが、最後の見せ場が
すごい!
 悪人たちに誰だと問われれば「上野のお山の姫天狗。そなたらの悪行明々白々」と神々しい尼さん姿で登場。逆切れ悪人たちを錫杖で殴りまく
る。免許皆伝の腕前とやらで、強い強い。しかもアクション俳優だから、高飛びやらアクション激しい殺陣するものだから、時々太ももチラリ(これの
前番組「細川隆一郎の天下御免」の看板コーナー『世直し天秀尼』では毎回、丸見えだったのだが、この番組に昇格するにあたり、大幅に減らされ
た)。最後には「この方をどなたと心得る!」の決まり文句に、はらりと一枚脱ぐと、印籠代わりに家康公直々にいただいた「葵の袈裟(赤地の袈裟
にどど〜んと胸に金で葵の紋の刺繍!)」が現れる!
 アクション得意で殺陣も完璧、容姿もスタイルも良し、お色気も厭わない、の三拍子揃った江戸村劇団一押しの本倉さつき。久々に大河ドラマ(タ
イトルど忘れ。ごめんなさい)に女中役で一回だけ出てきてトンボを切った後、とんと見ていない。今は、どうしてるんだろう? 埋もれさせるには惜
しい人材だと思うのだが。(05.7.14)


風雲!江戸の夜明け
 織田裕二 主演    89年1月10日〜3月28日   テレビ東京
 日光江戸村で撮影された一回30分の時代劇。
 主人公は将軍になったばかりの徳川家光。まだまだ遊びたい盛りのお年頃の彼は、市中見回りと称して、春日局の隙を見てはお忍びで江戸の
町にふらふらと出て行ってしまう。
 超世間知らずな家光のサポートをするのは、専属のお庭番役を仰せつかった美雪(杉浦幸)と小太郎(片桐光洋)の姉弟。普段は芝居一座の座
長と、女形もできる看板役者(元チビ玉ですから!)として暮らす彼ら。その芝居小屋に城を抜け出した家光が遊びに来るとこから、だいだい話は
始まる。
 もともと正義感が強く、剣の腕もひそかにお庭番二人よりも強いっぽい家光。事件に巻き込まれることもあれば、自分から関わっていく場合もあ
り、周りの人間は心休まるときがない。しかし30分でしっかり解決する手腕は、ひそかに歴代時代劇ヒーローよりも上かも。
 主役三人がとにかく若い。こっそり家光と美雪は恋に落ちてる様子もあり、ナレーションでやたらと「まだまだ青春したい家光……」やら「青春真っ
盛りの家光」等々、『青春』が強調される。
 一方で、忍装束になったとたんに量と長さが増える小太郎の髪の毛や、雪の降る中、防寒具なしで素足の将軍・家光(痛々しいほど寒そう)等の
チープさ加減もなかなか笑わしてくれます。時代村作品おなじみの、池上公司の柳生十兵衛も時々出てますよ。(05.9.23)

風林火山
 内野聖陽 主演   07年1月7日〜12月16日   NHK 日曜夜8時から
 戦国の乱世を、力いっぱい生きた、愛した武将、山本勘助の物語。武田信玄に仕えた天才軍師で、隻眼で片足を引きずるという異形の彼を主
役に据えた、07年のNHK大河ドラマです。原作は井上靖の同名小説。
 主役が、一説には実在となかったとも言われる謎多き人物であることもあり、群雄割拠の時代に生きた武田晴信(後の信玄)をはじめとする武田
家臣団、近隣の敵でもある武将たちとその家臣たちを、余すことなく重厚に、また魅力的に描ききった、まさに大河ドラマな作品でした。またそれを
演じた役者たちも、個性的な実力者が多く、演技のぶつかりあいも魅力の一つでした。
 見た目だけではなく、知的で野心家で自信家で、けれども心の内の内には弱い部分もあるという一癖も二癖もある勘助を、のぴのぴと奔放か
つ、重厚でどこか憎めず、不思議と魅力的に体現した内野聖陽。彼が心奪われ、すべてをささげようと誓った武田晴信を、幅広い演技と歌舞伎独
特の顔のしぐさ、声の張りで演じた市川亀治郎。その団結力強い家臣団には、甘利虎泰(竜 雷太)、飯富虎昌(金田明夫)、教来石景政(高橋和
也)、小山田信有(田辺誠一)、真田幸隆(佐々木蔵之介)。そして中でも晴信の守役でもあった板垣信方を演じた千葉真一は、板垣の最期ととも
に自分も引退宣言をするほどの完全燃焼で演じました。そしてその板垣亡き後には、長髪をそのまま垂らし、カラーコンタクトを入れ、直垂の登場
人物の中で一人狩衣姿でとおし、戦ともなれば西洋鎧で白馬にまたがるという、前代未聞のビジュアル系な上杉謙信を演じたGacktが登場。途中
参加でありながら、その存在感と貫録は主役たちと十分に渡り合えるものでした。その軍師・宇佐美定満(緒形拳)も、勘助とは対照的に落ち着い
た知的さを備えた演技でライバルの存在感を発揮。また、その他の近隣武将たちも、今川義元(谷原章介)や北条氏康(松井誠)と、一筋縄ではい
かない者ばかり。死力を尽くした彼らがぶつかりあう物語が面白くないわけがありません。
 男臭い色の濃いこのドラマですが、女性の話も、生涯でただ一人、勘助のことを好きになり、勘助の本質を見抜いていたミツ(貫地谷しほり)をは
じめとして、滅ぼされた国の姫や武将の妻や娘の話などあります。また、ミツのいた葛笠村出身で、勘助にくっついて武士になった元農民たちとの
掛け合い等、笑える部分も要所に盛り込まれています。熱いドラマだけではない、非常にバランスのとれた作品でした。
 全編を通して、画面にくぎづけ、心を震わす、まさしくカッコイイ男たちの夢(勘助は番組当初からずいぶんと長い間、仕官先を探す浪人だった)と
愛の物語。まれに見る良作でした。(08.1.20)
 
ブシメシ!
   瀬戸康史 主演   17年6月10日〜7月15日   NHK 土曜夜8時15分から
 
 勤番で江戸に出てきた、高野藩衣紋方の坂田伴四郎。気弱でのんき者涙もろい伴四郎は、食べることと妻のすず(三吉彩花)が大好きで、故郷に残してきた妻と娘のことを思い出しては泣いてばかり。同じ衣紋方の、出世ばかり考えている叔父の宇治井平三(平田満)と、幼馴染みの矢沢五郎右衛門(田中圭)も少し呆れ顔。
 江戸名物を食べに入った店で知り合った同郷の中間に、「冷めたものばかり食べている我が藩の殿はみじめで哀れだ」と似顔絵付きでからかった伴四郎。ところがその中間は、お忍び中のその殿様・松平茂照(草刈正雄)本人だった!
 叔父からやっかいごとを押しつけられたり、弱みを握られた殿から無茶振りをされたりする人の良い伴四郎は、そのたびにすずが書いて持たせてくれた料理指南書の料理を作ります。
 いつもおっとり、ごはんを食べればにこにこの伴四郎と、いつもは切れ者なのに伴四郎の前ではちょっと子どもっぽい殿様を始め、高野藩士と江戸の人々たちの、30分一話完結ほのぼのグルメ時代劇です
 同年1月からBSプレミアムの夜ドラの枠で放送されていた作品ですが、事情あって急遽、地上波での放送となり、一話削られたり、最終回が編集で短くされたりと、ひどい扱われ方でした。
 原作は土山しげるの漫画『勤番グルメ ブシメシ!』です。(17.8.21改稿)
 
番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/pyd/bushimeshi/

ブシメシ!2
   瀬戸康史 主演   19年1月19日〜3月9日   NHK 土曜夜6時5分から
 18年1月に、BSで30分枠として放送された作品が、38分の拡大版となって地上波に登場。
 幕末の江戸を舞台に、食べることと妻のすず(三吉彩花)のことが大好きで、他のことはからっきし、涙もろくて出世にも興味がない、武士らしくない高野藩衣紋方酒田伴四郎。前シリーズでは、すずが書いてくれた料理指南書を見ながら料理を作ることで、数々の難問を解決してきた伴四郎。そのことで殿(草刈正雄)から褒美をもらい、街でも評判に。ところが何が起こったのか運命は一変して、切腹を申しつけられ、逃げたところを捕えられ、気が付いた時には、南海藩の人足部屋に売り飛ばされていた!
 衝撃的な始まり方をした今作。実は、南海藩は高野藩と折り合いが悪く、殿の嫡子・清之助(若山耀人)の出自にまつわる書状が南海藩に盗まれ、それを伴四郎に取り返してきてほしいという、殿からの密命でした。やる気なしの伴四郎。しかし南海藩は財政が厳しく、起死回生の策として、エゲレス公使(厚切りジェイソン)と手を組んで、討幕をもくろんでいた。この陰謀に巻き込まれていく伴四郎。やがて好色家のエゲレス公使の魔の手がすずにも…。
 一方で、殿に続いて、清之助に奥方の千代(戸田恵子)までが変装して町に出てきたりと、コメディ要素もたっぷり。
 話も連続ものとなり、登場人物も大幅に増えて、スケールアップした今作でした。
 原作は、土山しげるの漫画『勤番グルメ ブシメシ!』。全7回の放送でした。
 
 
ぼんくら
   岸谷五朗 主演   14年10月16日〜12月18日   NHK 木曜夜8時から

  井筒平四郎は、南町奉行所の見廻り方同心。見廻りかたがた鉄瓶長屋の煮売屋で、お徳(松阪慶子)の手料理屋をつまむのを楽しみにしている。そんな笑顔の絶えない鉄瓶長だったが、人殺しがあったことを皮切りに、長屋の住人が次々に出て行ってしまうようになる。お徳は、新たに来た差配人の佐吉(風間俊介)のせいにするが、平四郎は他に裏があるのではないかと気にかかる。
 怠け癖のある平四郎と、利発な甥っ子・弓之助(加部亜門)は、事件を調べていくうちに、その下に隠された大きな謎に突き当たる。
 人情時代劇っぽい雰囲気ですが、原作はミステリー作家の宮部みゆきの同名小説で、人の気持ちが絡み合う、ドロドロとしたミステリーの要素がたっぷりでした。(15.1.26改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/bonkura/ 

ぼんくら2
   岸谷五朗 主演   15年10月22日〜12月3日   NHK 木曜夜8時から

 一年前に放送された同名作品の続編です。
 周囲からぼんくら扱いされている見廻り方同心・井筒平四郎。昼寝をしたり、煮売り屋のお徳の店でおかずをつまんだり、いつものように過ごしている平四郎の元に、佐吉(風間俊介)が湊屋総右衛門(鶴見辰吾)の愛人・葵(小西真奈美)殺しで捕まったと知らせが入る。佐吉は自分を捨てたと聞いている実の母親の葵を恨んでおり、湊屋は佐吉を犯人と信じて役人に手を回す。だが状況は調べれば調べるほど、佐助が犯人ではないことを示していて…。
 葵や湊屋に恨みを持つ者、湊屋の関係者、通りすがり、
果たして葵を殺したのは誰なのか? 平四郎の甥で、美貌と聡明な頭脳を持つ弓之助(加部亜門)が、大人顔負けの推理を披露し、もつれた糸をほどくように、解いていきます。
 宮部みゆきの小説「日暮らし」を原作とした、人情時代劇ミステリードラマです。(16.2.15)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/bonkura2/index.html

まっつぐ〜鎌倉河岸捕物控
   橘慶太 主演   10年4月17日〜8月14日   NHK 土曜夜7時30分から

『陽炎の辻』、『密命〜寒月霞斬り〜』と立て続けにドラマ化された佐伯泰英の作品が、またまた土曜時代劇に登場です。しかもこの枠お得意の青
春グラフィティーです。
 舞台は金座と呼ばれる江戸の金融中心地で、江戸城にも近い日本橋の裏、鎌倉河岸。そこのむじな長屋で育った、政次(橘慶太)、亮吉(中尾
明慶)、彦四郎(小柳友)の三人は幼馴染み。政次は江戸有数の呉服屋『松阪屋』の手代で、将来を期待される好青年。亮吉は金座裏の宗五郎
親分(松平健)の元で働く新米の手先で、身も軽いが性格も軽い。彦四郎は船宿の船頭で、体が大きいが涙もろい人情家。そんな三人が大事に
思う、しほ(柳生みゆ)は、絵が得意な娘。夜は田楽と酒を売る酒問屋『豊島屋』の看板娘のしほですが、ある日、彼女の父親が斬り殺されます。
実は彼女の両親は、越藩家老の不正の証拠を持って逃げてきた脱藩者でした。
 しほを狙う川越藩の者たちからしほを守った政次は、その度胸と機転から、宗五郎に跡取りにと望まれるようになります。しかし松阪屋の隠居・
松六(山本學)もまた、政次を気に入っており…。
 政次の活躍が見ていて心地いいです。また彼をはじめとする若者たちを、距離を置いて見守る宗五郎親分や、その女房・おみつ(南野陽子)の
視線が温かい、青春捕物話であります。
 主役にw-inds.の橘慶太を据え、また主題歌もw-inds.。オープニング画像には、現代の日本橋を入れ、語りで、豊島屋の主人・清蔵役の竹中直
人が現代の衣装で出てくるなど、若い人をターゲットにした造りになっていました。
 初回は73分スペシャル版でした。(10.10.7改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/mtsg/

まんまこと〜麻之助裁定帳〜
  福士誠治 主演   15年7月16日〜10月1日  NHK 木曜夜8時から

 

 江戸の町名主の跡取り息子・高橋麻之助(福士誠治)。子供のころは神童といわれるほど頭もよく、父親の宗右衛門(高橋英樹)も自慢の真面目な好青年だったが、16歳に自分の力ではどうにもできない失恋をきっかけに頑張ることを止めてしまい、お気楽なのんき者になってしまいます。父親の手伝いもせず、幼馴染みの隣町の名主の跡取り息子で女たらしの遊び人・八木清十郎(桐山漣)と遊んで暮らす毎日。見かねたもう一人の幼馴染みの同心見習いで生真面目な堅物・相馬吉五郎(趙a和)が、又従兄の武家の娘・お寿ず(南沢奈央)との縁談を持ってくる。ところがこのお寿ずもある事情を抱えていて…。
 普段はのほほんとしている麻之助ですが、一度事件に関わると、清十郎や、同心見習いで生真面目な堅物・相馬吉五郎(趙a和)の幼馴染み二人の手を借りて、持ち前の素晴らしい推理を見せて、うまく解決してしまいます。
 時が止まったままだったような麻之助の心も少しずつ動き始め、周りの者たちの環境も少しずつ変わっていきます。

「まんまこと」とは「真真事」と書き、「真実」のこと。大きな事件は起きないけれど、人と人との小さなすれ違いから起こる事件を、麻之助が「真実」を見つけ、絡まった思いの糸をほぐしていきます。
 原作は畠中恵の「まんまこと」、「こいしり」、「こいわすれ」、「ときぐすり」です。(15.11.23改稿)

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/manmakoto/

 

密命〜寒月霞斬り

 榎木孝明 主演   08年4月18日〜6月13日   大阪 金曜夜8時から
 長屋のおかみさんから「惣三郎さんには何を言っても馬の耳に念仏だねぇ」なんて言われてしまう、「ふぬけ惣三郎」こと、浪人の金杉惣三郎(榎
木孝明)。しかしその正体は、かつて相良の龍と呼ばれた直心影流の使い手。ふぬけた姿は、十年前に起こった事件から殿と相良藩を守るため
にとった、惣三郎の忠義の証だったのだ。
 以前は藩の武芸指南役をも務めた惣三郎は、殿である斎木高玖との秘密を守るため、職を解かれ国元でふぬけた生活を送っていた。しかし
今、藩の存続にもかかわる危機に、その陰謀を暴くよう高玖からの密命を受け、脱藩して江戸へと向かう。味方は江戸留守居役の寺村重左衛門
(寺田農)のみ。
 とまあ、硬派で真面目な作品なのですが、その頼りの寺村様は、警護もなしでふらふら出歩き敵勢力から襲撃を受けるし、仕事は全部子飼いの
密偵・九一(宮内敦士)任せだし、殿は殿で自分じゃ何もしないし、そもそも敵勢力の黒幕からして、もう表舞台から立ち退いた柳沢吉保が後ろ盾
になってくれると信じて藩乗っ取りを企むお人好しという、なんともツッコミどころの多い作品でした。
 主役の惣三郎は、年老いた母と幼い子供たちを国元に残しての、辛い単身での密命遂行のはずが、根がのんきなのか、人が良すぎるのか、ち
ょっとでも困っている人を見ると助けずにはいられない性分で、密命そっちのけで、人助け。結果として、豪商の札差、冠阿弥の娘のお杏(安達祐
実)に惚れられ、火事始末の荒神屋喜八(加藤剛)やめ組の頭取・芝鳶の辰吉(伊吹吾郎)といった江戸で力を持つ人たちと親しくなり、最終的に
は密命遂行を彼らが助けてくれるようになるので、まあその甲斐はあるわけですが。でも一方で、惣三郎の亡くなった妻に生き写しな寺村の娘で小
料理屋の女将・しの(とよた真帆)と、こっそり愛も育んでいたり。
 そんな敵も味方もやる気あるのかないのか分からない中、唯一、自分の使命にまっすぐだったのが、惣三郎と同門で相良の虎と言われた日下
左近(松方弘樹)。彼との対決のために編み出した必殺剣・寒月霞斬りを頼りに、彼との対決を匂わしながら、話は、主要人物のあっさりとした死
亡による退場をからめつつ、核心へ、そして最後の対決へとゆっくりと進んでいきます。
 原作は佐伯泰英の「密命」シリーズ。(08.7.19改稿)

番組公式サイト http://www.tv-tokyo.co.jp/mitsumei/index.html

水戸黄門
 里見浩太朗 主演   05年10月10日〜06年3月6日  毎日 月曜夜8時から
 第35部は、印籠も新しく豪華にずしりと重くなって、水戸光圀の実子が養子に入った高松藩からスタート。そのまま四国、九州を回りました。
 新しくなったのは印籠だけでなく、徳川に恨みを持つ闇の商人・闇の布袋(遠藤太津朗)と、その血を引くくノ一・北斗の桔梗(原史奈)が率いる忍
者軍団との対決というストーリー上の新風もあったのですが、なぜか闇の布袋側の刺客が回を追うごとにしょぼくなり、黄門様との絡みもなく鬼若
に一蹴されたりする始末。そして半年の放送期間真ん中で、闇の布袋の恨みは誤解であることが発覚し、部下の裏切りで自滅。せっかくの新くノ
一・北斗の桔梗も行方不明に。後半三ヶ月は、普通にいつもどおり世直し旅をした黄門様たちでした。
 レギューラー陣は、前回から変更なし。おなじみ黄門様に助さん(原田龍二)、格さん(合田雅吏)。疾風のお娟(由美かおる)、よろず屋の千太
(三波豊和)、風の鬼若(照英)。アキ様(斉藤晶)は少し強くなって戦いに参加するようになりました。(06.3.28改稿)

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水戸黄門
 里見浩太朗 主演   06年7月24日〜12月18日   毎日 月曜夜8時から
 第36部は、黄門様の姉・明芳院(淡島千景)から、孫の加賀藩前田家の若君・利久(渡辺大)が婚礼を上げる知らせがきたところから始まりまし
た。明芳院の文には、簡素に執り行いたいから出席無用と書いてあったにもかかわらず、かわいがっていた利久の門出を祝いたい黄門様は、加
賀に向けてお忍びで出発します。
 レギューラー陣は、よろず屋の千太が抜けて六人からスタート。おなじみ黄門様に助さん(原田龍二)、格さん(合田雅吏)。疾風のお娟(由美か
おる)、風の鬼若(照英)。アキ(斉藤晶)は今回もさらに少し強くなって戦いに参加しました。
 準レギュラーの八重さんや、鳴神の夜叉王丸、助さんの母上・静枝さん、助さんのお見合い相手の美加さんも健在です。また十話から、江戸出
身のお調子者、おけらの新助(松井天斗)が、レギュラーに加わりました。
 中盤に到着した加賀から、後半は西日本を回り、最終回の京では、利久と新妻の菊姫(藤井麻衣子)が再登場しました。(07.1.11改稿)

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水戸黄門
   里見浩太朗 主演  08年1月7日〜6月30日  毎日 月曜夜8時から
 小藩の騒動から始まった第38部。江戸から一行は、騒ぎの元である瀬戸内の花崎藩と赤津藩を目指します。
 元は一つの藩だった、花崎藩と赤津藩。元から仲の悪かった両藩は、松の木を巡って領地争いが勃発。幕府の裁定を受けることになり、柳沢吉
保(橋爪淳)は、賄賂を受けていた花崎藩に一方的に優位な判決を下す。そんな裏事情は知らず、なんとか赤津藩を救おうとするお留守居役の山
内裕之進(中村繁之)。友人である彼の窮地に、助三郎が奔走。黄門さまも、自ら調査のためにお供を引き連れ、赤津藩へと向かいます。
 黄門様たちの活躍で騒ぎは一件落着。そもそも花崎藩が赤津藩を狙ったのは、山師・伊之助(山本圭)が両藩の間にある山で銀の鉱石を見つ
け出したことだった。鉱石を知り合いの腕利き山師に見せるために藩を離れた伊之助を追おうとする、彼を親とも慕う裕之進の妹・山内志保(小沢
真珠)を加えて、一行は東に向けて旅立ちました。
 この志保、はじめは医者の手伝いをしていて医学の心得がある程度だったのが、旅の最中に、手術の手伝いをしたり、赤子を取り上げたりと、
めきめき医者としての腕を上げ、最終回の江戸では立派な医者になるために高名な先生に弟子入り。医者というだけでも重宝するのに、普通の
若い娘さんとして、お娟以上に役立つ場面もあり。たまに一行から外れて別行動のこともあって、レギュラーなのに必ず登場するとは限らないとい
う希少価値もついて、かなりいい感じでした。
 その他のレギュラーは引き続き、黄門さま(里見浩太朗)に、助さん(原田龍二)、格さん(合田雅吏)。疾風のお娟(由美かおる)に、おけらの新助
(松井天斗)、風車の弥七(内藤剛志)も健在。なぜか突然彼の幼馴染のくの一が出てくる話もありました。

番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/mito

水戸黄門
   里見浩太朗 主演   08年10月13日〜09年3月23日   毎日 月曜夜8時から

 第39部では、準レギュラー陣が一新されました。まずは初回の冒頭から怒鳴って登場、うるさいじいの代名詞・山野辺兵庫(長門裕之)。そして
今回も悪だくみしまくりの柳沢吉保(石橋蓮司)。その貫禄のあるふてぶしさは、黄門様に勝てそうな凶悪さです。江戸城といえば、この方、将軍綱
吉(中村繁之)。そしてその母親・桂昌院(岩崎加根子)に、怪しい僧・隆光(麿赤兒)まで登場。悪人勢ぞろいのわりには、あんまり大したことしてな
かったような…。
 レギュラーにも新風が。兵庫の孫娘・早月(磯山さやか)は、江戸で出会った橋場大二郎(徳重聡)という青年と恋に落ちます。彼の兄は、もうすぐ
長崎奉行に任命されるというが、その長崎ではもう一人の奉行ぐるみの不正が行われているらしいと気づいた黄門様。いつものお供、助さん(原
田龍二)、格さん(合田雅吏)、そして疾風のお娟(由美かおる)に、おけらの新助(松井天斗)、風車の弥七(内藤剛志)を連れて、長崎に向かって
旅立ちます。その旅に、早月も見識を深めるためにと付いて来ます。この早月、お嬢様でありながら、無鉄砲で、思いこみの激しいおてんば娘で、
旅先で、潜入捜査しようとして悪人につかまったりと、つっこみどころ満載でした。そんな早月も最終回では、黄門様たちに見守られて、お嫁入り。
水戸の西山荘に戻る黄門様たちと兵庫と涙の別れをして、新妻になりました。(21.4.23改稿)

番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/mito/

水戸黄門
   里見浩太朗 主演   09年7月27日〜12月21日  毎日 月曜夜8時から

 放送40周年を迎えての、第40部です。第一回目は二時間スペシャルでした。
 津軽藩で起こった陰謀に関わった、水戸藩江戸屋敷。その陰謀を暴くため、江戸に出てきた黄門様。元は津軽にあると見て、奥州へと旅立つ。
 江戸に出てきた黄門様が出会ったのが、なんと、うっかり八兵衛(高橋元太郎)。彼のことを父親のように慕う、ちゃっかり八兵衛(林家三平)も登
場して、一行に加えてほしいと頼み込む。いつもの助さん(原田龍二)、格さん(合田雅吏)、疾風のお娟(由美かおる)に、風車の弥七(内藤剛
志)、そして前半では第一話で知り合った材木問屋の娘・お千代(三津谷葉子)を加えての道中。
 江戸城では相変わらず、柳沢吉保(石橋蓮司)が黄門様の命を狙い、伊賀忍者(高知東生)を送り込んでくる。そして同じく実は伊賀忍者の俳人・
松尾芭蕉(堺正章)も、肉体派の弟子・河合曽良(田宮五郎)を連れて、敵か味方か、奥州へと旅立つ。
 奥の細道から始まった節目のシリーズ、帰りは北陸を通り、また江戸へ。いつものお話でした。(10.2.2改稿)

番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/mito/index-j.html

水戸黄門
   里見浩太朗 主演   10月4月12日〜6月28日 毎日 月曜夜8時から

 三か月間の放送だった第41部は変革の時でした。25年に渡り出演していた由美かおる、そして助さん役の原田龍二、格さん役の合田雅吏がこ
の部限りでレギュラー引退発表しました。
 原田龍二が降板するせいか、助さんが許婚として登場していた美加(須藤温子)と結婚しました。またちゃっかり八兵衛(林家三平)に懐いている
少年・新吉(伊澤柾樹)が、生き別れた母親を探すため旅の仲間に加わります。風車の弥七(内藤剛志)も健在。
 柳沢吉保(石橋蓮司)は、黄門様に一行に新たな刺客・虚空無幻斎(大沢樹生)なる幻術使いを送り込みます。そして彼に師匠を殺され敵討ちを
誓う薩摩の剣術家・東条隼斗(市瀬秀和)も準レギュラーとして登場。ほぼ毎回、黄門様の敵方へ力を貸したりと命を狙う無幻斎と対決しました。
 また、オープニング背景を一新、一行の立ち寄り先の風景や工芸品を流し、しかも毎回変わる力の入れようでした。(10.7.27改稿)
 
 番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/mito/index-j.html

水戸黄門
   里見浩太朗 主演   10年10月11日〜11年3月21日  毎日 月曜夜8時から

 リニューアルして始まった第42部。黄門様役こそ変わらなかったものの、原点に戻ることを意識した大幅なレギュラー陣の交代がありました。
 6代目助さん格さんとなった、東幹久と的場浩司。この二人、以前に御前試合で面識があったものの、ほぼ初対面。もちろん黄門様の旅のお供
をするのも初めての設定。助さんこと佐々木助三郎は西山荘で黄門様に仕えていたが、格さんこと渥美格之進は、黄門様が旅立つことになり、水
戸から呼び出されました。旅の前に二人で、危険を避けるために町人姿を取ることや、呼び名を「助さん」、「格さん」とすることに決めたり、格さん
が助さんをうらやましがって印籠を持つようになるエピソードなど、不慣れな様子が笑いをさそいました。
 一方で、前シリーズまでレギュラーだった疾風のお娟(由美かおる)が、黄門様もよく知る塩問屋の主人に乞われてお嫁に行きます。そして護衛
の人手不足を感じた風車の弥七(内藤剛志)の知り合いの元忍びの娘、楓(雛形あきこ)がおしかけで加わります。そして、同道を願い出た八兵衛
(林家三平)も加えて、六人での旅立ちとなりました。
 黄門様が旅に出ようとしたきっかけは、長男の頼常が治める高松藩で、世継ぎを巡る騒動が起きていることを知ったこと。しかしその騒動に老中
たちが絡んでいることを知った黄門様は真の目的を伏せ、亡き妻の節目の時に妻の実家を訪ねたいと、甲州街道から中山道を経て、京都へ行く
許しを得て、出発します。
 主題歌も、新・助格コンビが歌っております。そして半分終わった一月に、さらに伴奏が豪華なものへとリニューアルしました。(11.4.12改稿)

番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/mito/

水戸黄門
   里見浩太朗 主演   11年7月4日〜12月19日  毎日 月曜夜8時から

 キャストなどの変更もなく、静かに始まった第43部。しかし始ってしばらくしたころに、42年間続いた『水戸黄門』の放送をこの第43部で終了す
るという重大発表がありました。
 将軍・綱吉(風間トオル)から江戸へと呼ばれ、伊勢神宮への代参を頼まれた黄門様。その頼みには、庶民の暮らしを見てきてほしいという綱吉
の願いが込められていた。黄門様はおなじみのお供、助さん(東幹久)と格さん(的場浩司)、そして八兵衛(林家三平)、風車の弥七(内藤剛志)、
楓(雛形あきこ)とともに伊勢を目指します。水戸から江戸、江戸から伊勢への往復、そしてまた水戸に戻って本編は終了でしたが、その翌週にシ
リーズ終了の2時間スペシャルがありました。
 シリーズ本編から数年後、格さんには子供ができ、久々に水戸に戻ってくる助さんの歓迎に家族そろって大わらわ。というのも、助さんの祝言が
行われるからだった。当の本人の知らぬ間に。
 それからしばらくして、江戸の街を散策していた黄門様がさらわれる事件が起こる。その裏には浪人たちの幕府転覆の企てが関わっていた。
 レギュラー陣に加え、歴代の水戸黄門に関わってきた俳優たちが多数ゲスト出演していました。お娟(由美かおる)に、柘植の飛猿(野村将希)、
うっかり八兵衛(高橋元太郎)、柳沢吉保(石橋蓮司)、僧の隆光(麿赤兒)。そして宮園純子に、歴代の助さん格さんを演じた、横内正、大和田伸
也、伊吹吾郎、あおい輝彦。特に横内、大和田、伊吹、的場の格さん4人が一堂に会しての殺陣シーンで、印籠をリレーし、「控おろう」というシーン
は最終回スペシャルらしい見ものでした。(12.1.15改稿)
 
番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/mito/

 

みをつくし料理帖

   黒木華 主演   17年5月13日〜7月8日   NHK 土曜夜6時05分から
 
 大坂から江戸へ、料理屋『天満一兆庵』の主人夫婦とともに出てきた奉公人の澪。主の跡取り息子が江戸で店を出しているはずだったのですが、その店はつぶれていて、息子も行方が分かりません。主人の嘉兵衛(国広富之)
は心労で亡くなり、その妻の芳(安田成美)も倒れてしまいます。途方に暮れた澪は、長屋のそばにあった荒れ果てた稲荷の社の掃除を始めます。そんな澪に声を掛けたのは、そば屋『つる屋』の種市(小日向文世)でした。
 種市は腰を痛めてそばを打てなくなった自分の代わりに、澪に店の料理を任せます。澪はその舌を認められ、嘉兵衛から料理人として仕込まれていました。しかし女の料理人などいなかった時代、上方と江戸の習慣の違いもあり、客は離れていくばかり。澪は料理に工夫を凝らし、次第に客にも受け入れられ、ついには料理番付に載るほどに。
 幼少時に水害で家族を亡くした澪ですが、母のように慈しんでくれる芳や、種市、なにかと澪たちのことを気にかけてくれる医者の永田源斉(永山絢斗)たちに囲まれ、彼らのためにと次々に襲い来る困難にも負けず、料理人として成長していきます。また、つる屋が閉まった頃に来る、料理に詳しい謎の浪人・小松原(森山未來)との出会いも、澪に大きな影響を与えます。そして幼い頃に泣き虫だった澪を何度も慰めてくれた親友の野江(成海璃子)が、水害の後も生きていて、吉原で幻の花魁と呼ばれるあさひ太夫となっていたことも分かります。
 人相見に雲外蒼天の相と言われた澪が、幾多の苦境を乗り越え、料理人として成長する、心温まる人情と料理の物語です。
 原作は田郁の同名小説。全八回の放送です。(17.8.15改稿)
 

 


名奉行! 大岡越前
 北大路欣也 主演   05年4月18日〜6月20日   ABC 月曜夜7時から
 越前さんというと、どうしても加藤剛さんの真面目であくのないイメージが強いのですが、ここの越前さんは一味違います。
 お酒が大好きで、毎夜ふらふら飲みに出かけては、翌朝、二日酔いでお白州に出るのを嫌がって駄々をこねて娘に怒られたりしています。
 作品の雰囲気としては、どっちかというと推理中心で「名奉行 遠山の金さん」に似てます。同じ「名奉行」だしね(笑)。時々、「本格推理もの?」と
いうような話もあって、面白いです。
 与力たちが調べ上げてもう判決直前の事件に疑問を持っては、出かけていって自分で調べる。味方は内与力の池田大介くん(富田翔)だけ。この
若い大介くんが一生懸命で、またかわいいんだ。で、大岡様の聞き込みはもちろん居酒屋で、飲みながらw。相手が勝手に貧乏旗本やら八丁堀
やらと間違えてくれます(笑)。そして最後のお白州では、お天道様もびっくりのはちゃめちゃなお裁きをやってくれます。このお裁きを予想するのも、
また楽し。

 6月20日に早、十回目にして、最終回となってしまいました(泣)。
金曜時代劇といい、最近の時代劇の入れ替わりの早さにはびっくりさせられます。

名奉行!大岡越前
  北大路欣也 主演   06年4月18日放送開始   ABC  火曜夜7時から
 ちょうど一年ぶりに放送されたシリーズ二作目。キャッチコピー「火曜の夜は、サプライズお裁き。」が示すとおりの、ワンマンとんちお白州は変わ
らず健在。他のまじめな大岡様イメージをぶち壊す、型破りな大岡越前です。
 レギュラー陣の配役そのまま。世話女房のような勝気で怒りっぽい娘・香織(水橋貴己)。そして今シリーズでは越前さんよりも香織に振り回され
っぱなしの内与力の池田大助(富田翔)。でも部下を率いて捕り物の指揮を取ったりと、仕事の面ではしっかりとした一面も。二人とも若くてかわい
いです。門番の与平(奥村公延)も犬のさくらも重要な役回り。そしてお奉行様に振り回されっぱなしだった筆頭与力の笹倉さん(金田明夫)も、すっ
かり越前さんに感化されて、北町の筆頭与力と渡り合ったりの成長振り。きれいどころの、実は元・雲霧仁左衛門の女だった密偵・おりん(涼風真
世)も、尾行に変装にと大活躍です。
 少しチームワークにまとまりが出たものの、やっぱり相変わらずな越前さんのワンマン振りと掛け合いが、楽しい作品。越前さんがお白州で裁く
前に、事件の真相を考えて当てるのも、楽しみ方の一つです。(06.7.29改稿)

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新・桃太郎侍
  高嶋政宏 主演   06年7月25日〜9月5日   ABC  火曜夜7時から
 あの『桃太郎侍』を、高島政宏主演でリメイク!…と思いきや、その内容は、山手樹一郎の原作とも、高橋英樹版ともまったく違う別物だったこの
作品。ひとまず『桃太郎侍』というタイトルは忘れてしまったほうが、楽しめます。
 桃太郎こと桂木新二郎は、彼を溺愛する母の元を飛び出し、浅草奥山にある矢場「あたり矢」で用心棒兼、居候をする浪人。用心棒とは言って
も、昼間からダラダラごろ寝して、矢場の女将のお葉(富田靖子)に怒鳴られるだらしない、粗野で、喧嘩っ早く、美人に弱くて惚れっぽいお調子者
だが、その実は正義感が強く、涙もろくてまっすぐな男。女の手一つで育ててくれた母・千代(中村玉緒)を誰よりも大切に思う一面も。剣の腕も一
流。
 実は桃太郎は、四国・丸亀藩の若君の双子の弟、そして千代は元女中であり、母子に血のつながりはない。また高嶋二役による、そうとは知ら
ないもの同士の双子の対面お約束は顕在。
 やたらと桃太郎が、母上になんでも結びつけるマザコン振りを発揮するため、ストーリーは親子の情に絡めたものが多めでした。
 知り合った美人が事件に巻き込まれ、善人が心無い悪人によって殺され、桃太郎が奮起するという、勧善懲悪パターンもの。この事件解明に
は、千代にひそかに思いを寄せる桂木家の使用人・伊之助(左とん平)が、元「ましらの喜十」という義賊だったことを生かして大活躍。やたらと悪
党に詳しく、武家屋敷に忍び込むなんてことも平気でやってくれます。
 そして悪人の正体を突き止めるやいなや、桃太郎は着物を裏返し、赤地に桃の絵の夜目にも鮮やかな着物に、薄物をかづきにし、白マフラーで
口元を隠して、夜の町をひた走る。そして祝いの宴を開く悪人の屋敷の庭に飛び降り、白マフラーを剥ぎ取り、名乗る口上が、「桃から生まれた桃
太郎、天に代わって鬼退治に参上!その方らの悪事、天は許すまじ!」
 自慢の大ぶりの刀・天魔不動剣を振り回し、豪快すぎる(美しさは皆無)殺陣で、悪人たちをばったばったと一刀の元に切り伏せる。そして最後に
残ったボスを前に、上段に構えた刀をゆっくりと下段に回転移動させ、返した刃に写った相手の顔を、「鬼に見えたり」とズバンッ!
 血をぬぐった懐紙をばらまき、天を見上げて桃太郎。「母上、斬り捨てたのは、皆、人の顔をした鬼でございます」。
 ここまでの一連のラス殺陣の演出が、セリフは同じながら毎回違うことをするという、なかなか気合の入った作りになっておりました。
 母上への心の声にはじまり、母上とのコントで終わる、時代劇一のマザコン侍と、大げさすぎる芝居が売りの、この作品。おそらく歴史に残る超
迷作なのは間違いありません。ちなみに主題歌は吉川晃司の「サバンナの夜」。要するに、時代劇の枠を越えたニュー時代劇にしたかったのだと
思うのですが、ちょっと空回り感は否めませんでした。もったいない。(06.9.26改稿)

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主水之助・七番勝負 徳川風雲録外伝
   松平健 主演   08年10月20日〜12月8日   大阪 月曜夜7時から

 その年の正月2日に放送された10時間時代劇『徳川風雲録外伝』で、主役の一人だった剣豪・土屋主水之助を主役に据えた、スピンオフ作品。
原作は柴田錬三郎の『徳川太平記〜吉宗と天一坊〜』、『剣鬼』シリーズ。タイトルどおり、全7回です。
 直参旗本の若隠居で、一刀流の使い手である主水之助。八代将軍・徳川吉宗からの仕官の話も断り、彼が放浪の旅を続けるのには理由があっ
た。15年前、一子相伝の一刀流の後継者を決める決闘で、兄弟子・大峰ノ善鬼(三田村邦彦)に傷を負わされ、師である一刀流の開祖・伊藤一刀
斎景久(峰蘭太郎)を殺されたのだ。主水之助は許婚だった景久の娘・お勢伊(かたせ梨乃)に、「すまぬ」というたった一言の書置きを残し、武者
修行の旅に出たのだった。
 その後、金で雇われる刺客となった善鬼は、5年前、役人に捕まり死罪となった。しかしその善鬼が実は生きており、逃亡したという話を聞き、主
水之助は善鬼を追う旅に出る。その旅の途中、父の仇を捜す村井秋津(佐藤藍子)、信太郎(加治将樹)の若い姉弟と出会う。彼女たちは仇の名
は知らなかったが、その仇は善鬼だった。それに気づいた主水之助は、2人に仇打ちは空しいことだと説くが…。一方、お勢伊もまた、主水之助を
探して旅に出ていた。
 ほぼ同じルートで旅をしている、3人と一組だが、なぜか善鬼と主水之助とお勢伊は出会わない。その代わり主水之助は、旅の先々で善鬼と関
わったことで剣鬼となってしまった人たちと出会い、最後には立ち合うこととなる。
 かつては交替で同じ時間枠の時代劇の主役を演じていた、松平健と三田村邦彦の共演、しかも敵対する間柄という、夢のドリームマッチ。寡黙
な役柄演じるマツケンと、ニヒルな殺人鬼役を演じる三田村、どちらも珍しい作品でした。
 斬られたらちゃんと着物も切れて、刀には血糊がべったりというのも、昨今では珍しい演出。毎回、ゲストの生い立ちや関わり方もよく考えてあ
り、非常に見ごたえある作品でした。(08.12.23改稿)

番組公式サイト http://www.tv-tokyo.co.jp/mondonosuke/

八重の桜
   綾瀬はるか 主演   13年1月6日〜12月15日   NHK 日曜夜8時から

 会津藩の砲術師範の家に産まれた山本八重は、文武両道に優れのちに視力を失いながらも京都府議会初代議長となった兄・覚馬(西島秀俊)
の影響を受けて成長する。そして女ながらに鉄砲に興味を持ち、その道を極め、鶴ヶ城の籠城戦では夫の川崎庄之助(長谷川博巳)とともに戦う。
戦後、覚馬を頼って京都に出てきた八重は、米国に密航し宣教師となって帰ってきた新島襄(オダギリジョー)と出会い、二番目の結婚をする。襄
の同志社大学設立を影に日なたになって支え、自らもキリスト教の洗礼を受ける。そして襄が亡くなった後は、日本赤十字社で日本初の従軍篤志
看護婦として敵味方の区別なく治療に当たった。
 幕末の時代、京都守護職を任命され過酷な状況に置かれた会津藩は、その後朝敵となり、会津戦争に巻き込まれていく。そして会津藩士は敗
戦後も賊軍として新政府の要職に就くことはできず、苦しい立場に立たされていた。時代に翻弄されつつも、会津武士の志を忘れず、自分の進む
べき道を果敢に生き抜いた女性、八重の物語です。その革新的な生き方は、「幕末のジャンヌ・ダルク」、「ハンサム・ウーマン」、「日本のナイチン
ゲール」と数々のあだ名を付けられました。
 会津から見た幕末から明治、女から見た幕末から明治を描いた作品でした。幕末や明治維新を描いた作品は数あれど、西南戦争までで終わっ
たり、新政府の中枢の話が多く、幕末から明治を続けて、戦後の混乱期から文明国家へと進んでいった様子を政府の外側(特に高等教育の面)
から描かれていたのが新鮮でした。
 ポスターに使われた戦闘服はもちろん、銃の稽古姿や、薙刀の稽古着、明治に入ってからの洋装など、主演の綾瀬はるかの変化も見どころの
一つでした。(14.1.20改稿)

番組公式サイト http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/

柳生十兵衛 あばれ旅
 千葉真一 主演   82年10月19日〜83年4月26日   テレビ朝日
 千葉真一・十兵衛の代表作は『柳生一族の陰謀』だと思うのですが、こっちのほうがコメディタッチで私は好きです。
 主役は十兵衛となっていますが、どっちかというと影の役回りで、表の主役は妹の縫之介(志穂美悦子)。というのも、十兵衛は巡検使として全国
を回ること言い付かるも、乱心のため、妹・茜が男装して縫之介と名乗り、代わりをすることに。
 実は十兵衛の乱心は、お忍びで全国を回るためのお芝居。かくして、縫之介一行を影で追っていく一人旅になるのだが…。
 公儀の使いと言えど、むしろ公儀だからこそ旅先では悪代官等に狙われる縫之介一行。それなりに善戦するも、柳生の娘とは言え所詮は女、ピ
ンチに陥ってしまう。そこに現れるのが夜目に鮮やかな蛍光塗料の布を足に巻いた馬に跨り、同じく蛍光塗料のテングの面を被った(格好は違うこ
ともあり)我らがヒーロー十兵衛! かっこよく悪人退治! だけどその格好、夜道で出会ったらかなり怖いと思うのですが…。
 十兵衛がかっこいいのはもちろん、男装の女剣士・縫之介もお決まりの派手めの衣装にポニーテールでかっこいいですよ。お約束の、男に間違
われて女の子に惚れられる話もあります。(05.8.2)

柳生十兵衛七番勝負〜最後の闘い
  村上弘明 主演   07年4月5日〜5月31日   NHK 木曜夜8時から
 『柳生十兵衛七番勝負』シリーズの三作品目にして、タイトルどおり最後の作です。前回、前々回と、幕府転覆を企てる者の黒幕に見え隠れして
いた由比正雪(和泉元彌)と、とうとう全面対決。なのですが、正雪の出番が多くなった分、正雪の主張や生い立ちなんかも語られる機会が増えた
わけで、三シリーズ中、一番いい人っぽく、ことごとく十兵衛に計画をつぶされる彼があわれにさえ見えます。黒幕なのに。
 十兵衛が本来なら争いたくない人たちと闘わざるをえなくなり、最後には斬ってしまうという十兵衛苦労の旅は、今シリーズも健在。特に今回は、
十兵衛に逆らえない命令を下していた父・宗矩が死んだというのに、死んでいると思っていた母が生きていて人質にとられていたり、いることさえ知
らなかった実の弟と斬りあったりと、さらに心の苦しみ倍増。修羅の道を歩くしかなかった十兵衛は、最後にどこにたどり着くのか。
 でも何よりも見どころは、正雪の腹心でありながら、十兵衛とも心を通わせあってしまう丸橋忠弥。善悪で言えば悪側なのに、どこまでもさわやか
でいい人な彼に、照英がぴったりでした。十文字槍もかっこよかったです。
 全八回。(07.6.7改稿)

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番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/drama/archives/yagyu3/

柳生十兵衛七番勝負・島原の乱
  村上弘明 主演   06年4月6日〜5月25日   NHK 木曜夜8時から
 05年4月に同じNHKの金曜時代劇で放送された『柳生十兵衛七番勝負』の続編。
 前作品で幕府転覆をもくろむ計画を、一人奔走し、事前に防いだ柳生十兵衛。今度は島原の乱を舞台に、やはり国家安寧のために幕府転覆を
防ぐために戦う。
 今回の黒幕は公家。幕府というより、幕府の柱である柳生宗矩の失脚を狙って、島原の乱を起こすように仕向けるという、大胆解釈。初めは父
の命令で動いていた十兵衛だが、次第に父の暗黒面に気づき、民のために乱を収めようと一人奔走することになるという、ある意味、十兵衛の苦
労話です。しかしこの十兵衛、いじいじと悩んだりしない、男惚れするような気持ちのいい性格なので、見てて暗くならないのが良いです。
 毎回、さまざまな事情で戦うことになる剣客たちも、正統派から中国拳法まで、バラエティーに富んでる上、うまい人たちばかりなので、安心して
見れます。
 そしてなんと言ってもすごかったのが、黒幕の円条寺業平(杉本哲太)。悪知恵の思いつき具合もなかなかのものながら、性格も公家にしては即
物的な残虐さを持っていて、その上公家なのに強いのなんの。独特の剣の使い手で、対決シーンでは十兵衛さえ苦戦させる技量の持ち主。それ
でいて公家特有のおほほ笑いもあの顔でしてくれるという、一歩間違えばお笑いになってしまいそうな強烈な人物でした。側にいた前回から引き続
きの黒幕の一員、後の由比正雪(和泉元彌)の影がなくなるぐらいに。
 そして忘れてはいけない荒木又右衛門(嶋政宏)が、十兵衛の兄弟子であり、敵方に付くというおいしい話も盛り込まれています。
 昨今の時代劇では珍しい硬派な話で、古き良き時代のファンにもおすすめです。全七回という短さが残念ですが、その分内容が凝縮されてテン
ポよく見れたとも言えるかも。(06.6.1改稿)

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夜桜お染
 若村麻由美 主演   03年10月14日〜04年1月27日   フジテレビ
 とにかく主役のお染(若村麻由美)が、綺麗で艶っぽくてかわいくて多芸で強い。男も女も魅了されずにはいられない、すごい姐さんです。
 お染は、幼少のころに火事で両親を亡くし、兄とは生き別れ、見世物小屋の一座に育てられ、現在は踊りの師匠をしています。かつて夜桜お染
の名で一世を風靡した艶やかな踊りと美貌は、今も健在。さらにそんじょそこらの男じゃ太刀打ちできないほど、剣の腕も確か。しかも人の話を聞
きながら皿を回して見せたりと、とっても器用。この多芸を生かして、毎回最低二つの、しかも二度と同じのはない、お姫様から花魁から女壺振り
から夜鷹までと、七変化振りを見せてくれます。そのどれもがぴたりと決まっているから、さすがは若村麻由美。特に踊りは特訓したそうで、本当に
目を奪われる美しさです。
 実は両親を亡くした火事には、裏になんらかの事件が絡んでいた可能性が高く、父は実は密偵だったという。その父のかつての上司から、仕事
を手伝ってほしいと頼まれるのですが、毎回その関連の話かと言うとそうでもなく、兄探しの話もあったりと、バラエティー豊富。どの回も満足できる
こと間違いなしの渾身の出来。
 また脇役が、一癖ありそうな義賊の男(片岡愛之助)やら、やたらと付きまとってくる貧乏浪人(内藤剛志)やら、いわくありげな過去を持ってそう
な献残屋(遠藤憲一)やらと、ストーリー的に面白そうな人たちばかり。これだけおいしそうなネタが満載なら、いくらでも話できそうなものですが、1
シリーズで終わってしまい、もったいない限りです。(08.8.31)

義経
 滝沢秀明 主演   05年1月9日〜12月11日   NHK 日曜夜8時から
 NHK大河ドラマ・最年少主役を迎えたこの作品。タイトルどおり、源義経の話。
 伝説的なヒーロー、源義経をジャニーズ事務所の「タッキー」こと滝沢秀明が熱演しています。その優しげで少しさびしげで高貴な香りのする顔
が、義経のイメージにぴったりな上に、回を重ねるごとにその目に強さと険しさが加わるという成長ぶり。
 女性の原作のせいか、軍記ものというよりは、義経主従を家族に見立てるぐらいの強き絆が中心に描かれていたのが印象的でした。義経から
見れば敵となる平家の面々や、源頼朝も好意的に丁寧に描かれており、いわゆる悪役がいなかったのも興味深かったです。
 また、大河ドラマにしては珍しく、個人戦の殺陣シーンが多かったり、ワイヤーアクションを取り入れたり、また金粉舞い散る中での決闘など、エン
ターティメントな演出が多かったのも、今までとは違った形で面白かったです。(05.12.28改稿)

第24回以降の毎回ごとの感想はこちら

吉原裏同心
    小出恵介 主演   14年6月26日放送開始   NHK 木曜夜8時から

 神守幹次郎と汀女(貫地谷しほり)は、豊後岡藩の下級武士の家の幼馴染。しかし汀女は父親の借金を取り消す代わりに藤村壮五郎(皆川猿
時)の妻となる。藤村に暴力を振るわれている汀女を見かねた幹次郎は、汀女を連れて駆け落ちする。逃避行の末、幹次郎の剣の腕が江戸の吉
原を束ねる四朗兵衛会所の七代目頭取(近藤正臣)の目に留まり、四郎兵衛に求められ、吉原を治める手伝いをすることに。そして汀女も吉原の
女たちに文の手ほどきをすることになる。
 吉原一のおいらん・薄墨太夫(野々すみ花)を初めとする吉原の女たちと接していくうちに、幹二郎は弱い立場にある彼女たちを守る仕事に使命
感を持ち始めていく。彼女たちや吉原を狙う者たちは絶えず、一方で藤村の動向も気にかかる。そんな日々の中でも、汀女との愛のある暮らし
は、幹二郎にとって幸せな時間となっていきます。
 原作は佐伯泰英の同名シリーズ。
 時代劇初主演の小出恵介が、年上の妻を守る、少しこどもっぽいところのある剣の達人を演じました。

番組公式サイト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/yoshiwara/

世直し順庵!人情剣
 藤田まこと 主演   05年10月17日〜12月12日   ABC 月曜夜7時から
 主人公・河合順庵は元御家人の町医者。長崎でシーボルトに学んだというのだが、針治療もできるマルチ医者だったりする。日ごろの心がけが
悪い患者に対して、「おまえさん、手遅れだ」というのが口癖で、『手遅れ先生』と呼ばれて親しまれている。
 北町奉行所の与力の長谷部総十郎(島田順司)と元道場友達だったり、弟子のおみつ(中村瑠璃亜)の父親・吉松(内藤剛志)が岡っ引で、かつ
飲み友達(恋のライバル?)だったりする関係か、監察医も勤めている。
 そんな彼のところには、事件の話も舞い込んでくるわけで。町奉行所が手を出せない悪人の存在が明らかになると、彼は針を持って出かけていく
…。
 必殺仕事人を意識した一作。

龍馬伝
   福山雅治 主演   10年1月3日〜11月28日   NHK 日曜夜8時から

 土佐の地下浪人の身分から後に三菱財閥を築く岩崎弥太郎の視線から、坂本龍馬を描いた大河ドラマ。国民的ヒーローの龍馬ですが、彼も最
初から坂本龍馬だったわけではない、その龍馬になるまで日々迷い、悩んで成長していった進化を描いたと、脚本の福田靖のいうとおり、よく涙を
流す龍馬でした。
 主演は、音楽から俳優まで幅広い世界で活躍する福山雅治。演出の大友啓史が「誰も見たことのない福山雅治」と語るように、時代劇初出演と
なる福山雅治が、地毛で演じるなど、体当たりの演技を魅せます。
 「新しい龍馬像、幕末観を描く」がキャッチコピーだっただけあって、土佐の街のほこりっぽさを、コーンスターチを役者といわずセットといわず大
量に振りかけることで再現するなど、今までの大河っぽくない作品でした。またナレーションも担当の岩崎弥太郎(香川照之)は歯jまで黒いという、
画面に映して大丈夫なのかというほどの汚い姿で登場。一回目から龍馬が大嫌いだと言いきる嫌な奴ながら、どこか憎めないという、財閥を築い
た人物とは思えない描かれ方でした。(11.1.24改稿)

番組公式サイト http://www9.nhk.or.jp/ryomaden/index.html

若大将 天下ご免!
 橋爪淳 主演  87年3月4日〜12月22日  テレビ朝日
 最近、ケーブルテレビで放送しておりまして、見直してます。
 主役の橋爪淳といえば、最近では『水戸黄門』の柳沢吉保役で有名ですが、お小姓上がりの美青年が違和感なく演じられちゃうきれいな顔は、こ
こでも健在。しかも若い分、より良いですよ!
 主人公の結城小太郎くんは、水野忠邦(山村聰)を親代わりとする孤児。十歳の時から神田・お玉が池の千葉周作(加藤武)の道場、玄武館に預
けられ、現在は師範代を勤める腕前。正義感の強い好青年。
 講武所風の髷(縦一本線のような細い月代にポニーテール。沖田総司イメージです)も初々しく、あれだけの器量良し、女の子にもモテモテなん
だけど、真摯に接するも決して溺れたりはしない。どこまでもさわやかな好青年。水野様の女密偵・お遊(片平なぎさ)にからかわれて、本気で怒っ
たり。
 しかし一度事件が起これば、自分から首を突っ込んで行ってしまう、お人よし。
そして、その事件、法では裁けない黒幕を見つけてしまったならば、千葉先生と別れの杯を交わし、決死の覚悟で乗り込んでいく。そのとき名乗る
のが『隅田の小天狗 結城小太郎!』。って本名名乗ってどうするねん!
 このときの大立ち回りは、小天狗を名乗るだけあって元気いっぱい。飛んだり跳ねたり、大きく動き回ってくれます。オープニングも殺陣尽くしで
す。
 勝小吉(橘田剛)が出てくるので、もしかしたらと思っていたら、途中から幕末ネタも絡んできます。息子・麟太郎(生駒恭明)はまだ子供。
 そうそう、昔の時代劇らしく、主題歌も歌ってますよ、橋爪淳。
 わっか〜い竹中直人がおちゃらけ同心役で出てるのもミソ。若すぎて、テロップ見るまで気づきませんでした。
(05.7.1)

参照 アスペクト発行『みんなのテレビ時代劇』
NHKサービスセンター発行『NHKテレビ時代劇の世界』

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